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足関節捻挫による剥離骨折を見逃すな!

足関節捻挫は日常生活やスポーツ活動中に生じる傷害です。しかし、その日常的に生じる障害であるがために、捻挫について軽く考えてしまうことが多いのが現状です。

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ですが、中等度から重度の足関節捻挫では、30~50%の患者が受傷後から持続的な疼痛や違和感、足部の不安定性を伴うこともあり、慢性的な症状になる場合も多いです。また、足関節捻挫は再発しやすく、最初の受傷から3年以内に3~34%は再受傷するとも報告されています。


中でも、足関節捻挫の発生率は成人よりも子供の方が高い報告されています。また、足関節捻挫に伴って生じる剥離骨折も子供に多く発生すると考えられています。

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実はこの足関節捻挫に伴って生じる剥離骨折は厄介な問題のうちの一つで、見逃すと足関節機能の低下や足関節捻挫の再発に繋がりやすい可能性が高いです。つまり、剥離骨折の有無をしっかりと把握しておかないと、リハビリのプログラムやスポーツ復帰時期などの選択を間違える可能性もあります。


そこで、今回は足関節捻挫に伴う剥離骨折を深堀して考え、どの様に評価・アプローチしていくべきかを考えたいと思います。


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まず、剥離骨折が生じる割合なのですが、子供で約60%、大人で30%と報告されています(報告により異なる)。捻挫の発生率同様、剥離骨折も子供の方が多く発生します。


子供の骨は脆弱であり、靭帯の強度が相対的に強いため、捻挫により前距腓靭帯に加わる張力に耐え切れず、腓骨の剥離が生じるものと考えられます。


なので、子供の足関節捻挫の場合は特に剥離骨折の有無のはっきりと把握しておく必要があります。

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剥離骨折の有無はレントゲンやエコーにて評価することが出来ます。レントゲンの場合、ATFL viewを見る必要があります。ATFL viewでは剥離骨折の診断感度は0.94であったと報告されています(側面像やCFL像では感度が低い)


私の場合、レントゲンよりも簡便に使えるエコーを用いることが多いです。エコーを使えば、患者の負担も少なくすぐに評価することが出来ます。レントゲンの側面像ではわからない剥離骨折を一発で評価することが出来ます。

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ここまでをまとめると
・足関節捻挫と剥離骨折は子供に生じやすい
・剥離骨折はレントゲン、エコーで評価することが出来る

この2点について説明しました。


次からはこの記事で一番大切な「剥離骨折が生じるとどの様な影響がしょうじるのか?」について考えていきます!

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