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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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#サッカー

足関節捻挫のRISK

足関節捻挫は日常生活やスポーツにおいて、一番生じることが多い怪我の内の一つです。ですが、足関節捻挫の一般的な考えは”そんなに大した怪我ではない””病院に行かなくてもすぐに良くなる”といったような考え方が多いのが現状です。 実は足関節捻挫は簡単に考えてはいけない怪我になります。足関節捻挫では前距腓靭帯(ATFL)の損傷が多く生じます。MRIを用いて急性足関節内反捻挫の損傷部位を調査した報告によると、96%に前距腓靭帯の損傷がみられ、踵腓靭帯の損傷も80%と高率であったと報告さ

FAIでは体幹の介入は必須

以前の記事「FAIの評価を徹底解説!」の中で、評価について解説したので、今回の記事では、FAIの治療について記載していきます。 FAIの治療は保存療法と手術療法の2パターンが存在します。基本的に保存療法から始めて、3か月経過しても改善が見られなければ手術といった考え方があります。 保存療法の文献をいくつか読むと ・理学療法と患者教育がFAI患者の症状管理に有効 ・股関節と体幹の安定化、股関節の筋肉のアンバランスの修正、バイオメカニクスのコントロールを含む理学療法が有効

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FAIの評価を徹底解説!

FAIとはFemoroacetabular impingementの略語で、若くて活動的な患者によく生じる疾患と考えられており、大腿骨近位部と寛骨臼の間の異常な接触が生じます。 私の経験ではサッカーやゴルフを日常的に行われている方に多い印象があります。また、日常生活では車の乗り降りやトイレの着座、立ち上がり時に痛みが出る方もいます。 FAIを持つ患者は股関節痛が生じ、股関節の機能低下を引き起こすことが多いです。また、大腿骨近位部と寛骨臼の異常な接触は、変形性股関節症を引き

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しゃがみ込み出来ますか?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 突然ですが皆さんは”しゃがみ込み”は出来ますか? なぜこのようなことを尋ねるかというと、しゃがみ込みは”障害リスク”のスクリーニングが出来る動作のうちの1つだからです。 私はクリニック勤務なので、シーバー病や足関節捻挫後の子供たちにはしゃがみ込みの評価を必ず行います。また、足関節疾患だけなくシンスプリントやオスグッドシュラッター、グローインペインなどの疾患を持つ子供たちにも実施することが多い

足関節捻挫による剥離骨折を見逃すな!

足関節捻挫は日常生活やスポーツ活動中に生じる傷害です。しかし、その日常的に生じる障害であるがために、捻挫について軽く考えてしまうことが多いのが現状です。 ですが、中等度から重度の足関節捻挫では、30~50%の患者が受傷後から持続的な疼痛や違和感、足部の不安定性を伴うこともあり、慢性的な症状になる場合も多いです。また、足関節捻挫は再発しやすく、最初の受傷から3年以内に3~34%は再受傷するとも報告されています。 中でも、足関節捻挫の発生率は成人よりも子供の方が高い報告されて

座っていも、スポーツをしても腰が痛くなる少年

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事は私が経験した症例をもとに記事を記載していきます!題名にもある通り、腰痛がある少年です。 少年で腰痛がある場合は必ず考えるべき疾患は腰椎分離症です。腰椎分離症が進行してしまうと、分離すべり症に移行し、将来の脊髄神経の圧迫や偽関節によりメカニクスの変化が生じてしまいます。 ですが、腰椎分離症を初期~中期で発見することができれば、まだ骨癒合の可能性が得られるので、初期~中期での発見・対応

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肉離れの基礎を知る

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 最近、肉離れの症例を担当したり、サッカーの支援で筋挫傷を担当したり、スポーツ外傷を多く担当しています。 そこで、今回の記事は私の知識の整理も含めて、肉離れについてまとめていきたいと思います! 1.肉離れとは?まず、肉離れと筋挫傷について違いを整理していきましょう! 肉離れ ・肉離れは筋肉が遠心性に伸張され(介達外力)、筋の破断強度を越える事で生じます。短距離走や素早い切り返し動作などが原因

アキレス腱断裂 評価・介入編

前回はアキレス腱断裂の基礎編について記載しました。今回の記事はその続きになります! 疫学・原因・臨床的な特徴を知っていても、評価・介入ができなければ頭でっかちになってしまいますよね💦 前回の基礎的な内容をしっかり理解したうえで、この記事を読んで頂けると嬉しいです。 前回の記事はこちらより確認ください! 5.アキレス腱断裂の評価問診、視診・触診、筋力、関節可動域、整形外科的テストなどアキレス腱断裂を評価する方法は多くあります。一つ一つ説明していきます! 5-1.問診ア

関節拘縮について私なりのまとめ~病態から治療まで~

以前Twitterの中で関節拘縮について議論されていました。今回の記事では私が考える関節拘縮の病態と治療について、記載していきたと思います。 1.関節拘縮の定義ですが関節周囲軟部組織の器質的変化に由来した ROM 制限 とされており、固定期間の有無については記載されていません。また、当たり前ですが関節周囲の組織の変化とされており、関節周囲の組織変化ではない場合、拘縮とは言えません。 2.関節拘縮は治るのか?

足関節捻挫への介入 パート2

足関節捻挫は軽く考えられることが多い疾患です。 患者さんで、よく聞かれるのは ・捻挫だから大丈夫だと思った ・すぐに歩けたし、痛くなかったから放置していた ・捻挫で病院に行くのがめんどくさいから また、医療関係者でも捻挫を軽く考えていることが多いと思います。 ・ギプスで固定して終わり ・骨は折れていないから、湿布貼っておいてね ・ギプス固定3wして、骨はもう大丈夫だからといわれてた もちろん、固定を行うだけで症状が改善する方もいらっしゃいますが、改善しない方もいます

5つの神経だけ考えてもわからない隠れた足部の痛み

みなさん足底部の痛みはどのように評価されていますか?特定の症状がある疾患であれば、評価は簡単に行うことが出来ますよね? 例えば... ・足底腱膜炎であれば、踵骨内側突起の圧痛 ・モートン病であれば、第3~4趾間の圧痛 ・ジョガーズフットであれば、母趾外転筋の圧痛 などが挙げられると思います! では、はっきりとした症状が無い場合(違和感や広範囲の疼痛・痺れ)はどのように評価されますか?この様な症状がある場合、神経支配や走行を考えて評価することが多いと思います。 では、

母趾外転筋はアーチを挙上させる+αの情報

皆さんの大好きな母趾外転筋です。母趾外転筋は足底内在筋の中で一番大きい筋肉で、足部縦アーチを支持する重要な筋肉ですよね! 母趾外転筋について、詳しく記載してあるものはこちらです! 母趾外転筋は、歩行のMid stance~Terminal stanceの間に筋活動が生じます。このフェーズは荷重量が最も大きくなり、蹴り出しに向かっていく途中です。 Mid stance~Terminal stanceはアーチを支持し、硬い足部を作り、蹴り出しを効率的に行うための準備段階にな

二分靭帯の基礎と装具の効果は?

以前、足関節捻挫の記事にて損傷しやすい組織について記載しました。 今回はその中でも少しマニアックな2分靭帯について記事にしていきたいと思います。 足関節捻挫では、二分靭帯損傷や二分靭帯付着部の踵骨前方突起の骨折が生じることがあります。 二分靭帯損傷の根本的なメカニズムは、足関節の強制的な内反による牽引ストレスであると考えられています。また、踵骨前方突起の骨折は強制的な背屈-外転による、骨の圧迫ストレスによって生じることもあります。 二分靭帯損傷や踵骨前方突起の骨折の発

足関節外側靭帯複合体の最新情報!

足関節内反捻挫は足関節外側靭帯損傷を引き起こす、最も一般的な傷害です。適切な治療を行わなければ、足関節外側靭帯の機能不全が生じ、足関節捻挫の再発や慢性足関節不安定症(以下:CAI)のリスクとなります。 CAIとなると、足部の機能障害(不安定性)だけでなく、長期的には変形性足関節症のリスクとなります。 足関節外側靭帯は、前距腓靭帯(ATFL)、踵腓靭帯(CFL)、後距腓靭帯(PTFL)から構成されます。以前の記事には、ATFLの数に個体差があることや、ATFLとCFLの間の