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【結婚式で見た奇跡】

こんにちは!! 

ブライダル業界を中心とした、
人材関連コンサルティングをしております。

さて、今日は私が
起業し、ブライダル業界(結婚式関連)を
長く続けてこれた、1つのきっかけとなる
『奇跡の結婚式』をご紹介致します。

※少し長くなるかも知れませんが
本当に胸が熱くなる貴重な実話です。
是非最後までご覧ください。

【結婚式】のカタチ

結婚式。
それは皆様もイメージできるように
●人生最高の瞬間
●一生に一度の最高のイベント
●とても美しく華やか

人数や、選ぶオプション、会場によって様々ですが、
70〜80名のゲストを招待して
おおよそ350〜400万円もの大金を支払い
その人の人生に大きく刻まれる
最高の瞬間を創造する場所です。

どの結婚式にもカタチは違っても、
それぞれの『愛』が満ち溢れています。

大切に育ててこられたご両親様。

新郎新婦様の成長を見守れてきたご親族様

辛い時も、嬉しい時も
共に分かち合ってきたご友人様。

様々な方角から、いろんな想いを込めた
『愛』が飛び交う場所。
私は結婚式をそう捉えてきました。
どの結婚式も素晴らしい。

ですがその中で今でも忘れられない、
心を震わせるほどの衝撃を得た
『奇跡の結婚式』があります。

結婚式前の悲劇

その結婚式は私が当時22歳の時、
某結婚式場に勤めていた時でした。
今でもお2人の特徴や顔が
鮮明に思い浮かびます。

人柄の良さが全身から滲みでるような、
いつも優しい表情の御新郎様。
凛とした顔立ちでとても美しく、
それでいて明るく、笑顔が似合う御新婦様。

そんなお2人の大切な日まで
1ヶ月と迫った時、
お二人を悲劇が襲います。

御新婦様のお父様が癌で、
この世を去りました。

担当のウェディングプランナーから
聞いた話だと、
御新婦様とお父様は
周りが羨むほど仲が良く、
お父様も当日を
とても楽しみにしておられました。
しかし、お父様は癌と闘っており、
結婚式当日まで持つかどうか、
というところでした。

その時の御新婦様の悲しみは、
底知れぬものでした。

葬儀を終えた後も、
御新婦様の表情を見る限り
憔悴しきっていたそうです。

そこから数日経ったある日、
御新郎御新婦様から
担当プランナーは相談を受けます。

「とてもじゃないけど、今は結婚式をする気になれない。キャンセルしたい。」

悔しかったと当時のプランナーは
話しています。

しかし、ここで担当プランナーはお二人に
強く伝えます。

「そんなのダメですよ!!!絶対にやるべきです。お父様はそんなのを望んでいなかった。辛かったら披露宴進行を中断して、泣いてもいい。この結婚式を通してお父様への愛を、お父様からの愛を皆さんに見てもらうべきです。」

このプランナーの対応が
正しかったのかどうか。
業界の一流式場プランナーから見れば
これはもしかしたら間違いかも知れません。
一つ間違えればクレームを
もらうかもしれません。

ただ当時の担当プランナーは
プランナーとしてではなく、
お二人やお父様と
絆の深い1人の『人』として伝えました。

そんなプランナーの
熱い気持ちが伝わり、お二人は
結婚式を予定通り行う事を決めました。

ここから【奇跡】は始まります。

初めて目に映った『愛』そして奇跡。

まだまだ悲しみから抜け出せずにいた
御新婦様。
それでも当日はやってきました。

担当プランナーから現場スタッフへ
告げられた事がある。

「こういう事情で、俺はお客様を巻き込んだ。
でもそれは今でも間違ってなかったと思う。
だから今日はなんとしても、新郎新婦様に
最高の時間を過ごしてもらわなきゃいけない。
忘れようにも忘れる事ができないほど
心に深く刻む結婚式を創る!!!」

明らかにその話を聞いていた
各セクションのスタッフの顔は
いつもとは違っていたように思います。

ちなみに私は、
その大切な御披露宴の
【キャプテン(披露宴責任者兼エスコーター)】を任されました。

無事に挙式を終え、披露宴はスタートします。

しかし、笑顔はあるものの
やはり最高の笑顔には程遠い。
それでもプロとして、全員が持ち場で
全力を尽くします。

披露宴も中盤に差し掛かった頃。
会場の空気を一変する
サプライズが起こります。

それはお色直しを終えて、再入場の時でした。

新郎様は中央正面の扉からまずご入場。
その後、BGMが切り替わり
カーテンが開き、
新婦様はガーデンよりご入場。

当初の予定では新郎様が
新婦様のもとへ向かい、
合致して歩き出すというものでした。

しかし、私は新郎様を止めます。
「こちらでお待ちください。御新婦様を見守りください。」
新郎様は足を止めたまま
新婦様を見つめています。

不思議そうな顔をした新郎新婦様。

BGMが更に切り替わり、
司会のコメントが入ります。。

「今日、どうしても御新婦様と共に歩きたいという方が会場にお越しです。御新婦様、後ろをご覧ください。」

そこにはクマの着ぐるみを着た者が
自転車で登場しました。
クマは自転車を降り御新婦様の元へ。

新婦様はすぐに気づきました。
そして新婦様の目から大粒の涙が溢れでます。

『そのクマは、共に歩きたい人とは
お父様の事なのだと。』

このクマの着ぐるみを着たのは
担当プランナーでした。

新郎様にも新婦様にも
何も言わず、担当プランナーが自ら考え
サプライズを仕掛けました。
自分のエゴではなく、
心から【人】を想う気持ちが
プランナーを行動させたのでした。

そしてそのクマと新婦様は
腕を組み、新郎様の元まで進みます。

この趣旨を司会者はコメントで
一言も説明しておりません。

それでも会場にいるゲスト様が
涙を流しながら、盛大な拍手で
御新婦様の背中を後押ししたのです。

新郎様に新婦様の手を引き渡した後、
司会者のコメントとともに
クマはガーデンへと去っていきます。

「無事に引き継ぎを終えられ、
クマさんはここで御新婦様を見守り、
この会場を後にします。」

新婦様は泣きながら、
そして最高の笑顔でクマとサヨナラします。

まるでお父様と最後のお別れをするように、、

カーテンがゆっくり閉まりだし、
クマは見えなくなるまで
新婦様に手を振り続けました。

この時間です。
私は生まれて初めて
『愛』が目に見えた気がしました。

友人、職場の人、ご両親やご親族。
誰一人欠ける事なく、その場にいた全員が
心から新婦様を見守り、
惜しみない拍手を送った。
そしてお父様のご冥福を祈りました。

それだけではありません。
会場にいた、カメラマン、司会者、
サービススタッフ、音響スタッフ、
そしてキャプテンの私も、
誰一人欠けることなく
心からの拍手を送ります。

その景色に心を揺さぶられ、
惜しみない拍手をやめなかった。
今まで聞いた事のないほどの拍手の音。
会場が揺れるように感じました。

新郎新婦様、ご両親様、
ゲスト様、会場スタッフ、担当プランナー。
そして、新婦お父様。
そこにいた全員が愛情に満ち溢れ
誰かの為に涙を流し、
心から幸せを願っているように見えました。

この披露宴はまさに
『奇跡』でした。

10年間、この仕事に携わってきて
この日ほど、
披露宴会場の一体感を感じた事はありません。
そして、私が披露宴中に涙を流したのも
その披露宴以外ありません。

【結婚式】という壮大な物語

無事にお開きを迎え、
新郎新婦様は
心から結婚式をやって良かったと
伝えてくださいました。

今でもそのプランナーと
新郎新婦様は友人として
お付き合いを続けています。

私にとっても
この披露宴以降、
この披露宴のような
奇跡の瞬間を創れる
サービスマンになりたいと
心から願うようになります。

改めてわかった事があります。

結婚式とは一つの【物語】なのだと。

親、子、友人、愛、夢、育ち、環境、、、
どれ一つを取っても同じものはなく
様々なカタチをしている。
それでいて、とても美しいもの。
そこに関わったゲスト様やスタッフの
人生をも巻き込み変えていく。
そして結婚式の後も
その物語は続いていきます。

だからこそ、この仕事を私は
続けてこれました。

答えが出るはずのない、
100点がつく事はない、
正解が無いものだからです。

今は新型コロナウイルスの影響もあり
ブライダル関連の仕事は
かなり減ってしまっていますが、
またあの日のような瞬間に立ち会う為、
創り上げる為に、
私はもっともっと成長したいと思います。

そして、この文章を作成しながら
改めて周りの人を愛し、
大切にしようと思いました。

最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました。

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