腹ごなしの萬佛寺

画像1 これはまだ年が明ける前のある日のこと。旦那Kと義兄の娘と三人でしゃぶしゃぶ食べ放題に来た。ここ近年の香港では鍋もおひとり様鍋が圧倒的に増えた。食材は3人分で注文するけど、個々の好みのスープだしで別々に「鍋る」のだ。バラバラの鍋なんて鍋の醍醐味をないがしろにしてると思ってたけど慣れたらこっちの方が理にかなってる気までしている。
画像2 そして制限時間90分、3人で本当に腹めいっぱいまでひたすら食べ続けたので、腹ごなしにその近くにある萬佛寺を登ることに。
画像3 金ぴかに塗られた(大半佛像じゃなくて「~尊者」、徳の高い人達)が山道沿いに延々と並んでいる。壮観と言うより、荘厳と言うよりちょっとコワい・・。
画像4 それにしても結構な山道で、登り始めて間もなく一番若い姪っ子(17)がゼイゼイなっているので、休み休み登ります。
画像5 日本人感覚で言えば、ちょっと怖い像ばっかりだけど、強烈なインパクト!と思っては写真に撮ってみる。
画像6 でも次から次へと強烈な像ばかり。っていうか、金ピカなら金ピカ一色にしたら良かったのに、赤い唇、黒い目を敢えて塗るから不気味な感じが増すのでは・・と思うけど余計なお世話か。
画像7 実に自由に思い思いなポーズで座っている像たち。苦行に励んでる感ゼロ。
画像8 そして7合目ほどまでくると、空白の台座が並んでいる。誰かまたこの像を建立するのに寄付したら、またここに新たな像が鎮座するという訳です。
画像9 でも少なくともこの空白台座の7合目ほどまでは、隙間なくこの像たちが並んでいるのだから空白が埋まるのも時間の問題。
画像10 そして、とりあえずの頂上。とりあえず、と言うのは本当はもっと上まであるところ、この567のせいでなのか、道が封鎖されてこれ以上先に登れなくなっていました。
画像11 この第一頂上部分も、ものすごい大きな敷地です。すごい寄付が集まって出来ているんだなと言うのが一目でわかります。
画像12 結構登りました。私が普段散歩コースにしている裏山の倍は歩きました。30分くらいひたすら階段を登りました。結構キツイです。
画像13 欄干の上は干支像。
画像14 塗り替えもされたばかりなのか、結構昔からあるはずで、さっき登ってきた道すがらの尊者像や壁は見るからに年季が入っている感じだったのに、古びた感じが全くしない本堂。
画像15 このお堂も新しい感じでした。片側が韋駄天、裏側が観音。
画像16 寺前の敷地に置かれている他の建造物も真新しい感じ。
画像17 18羅漢の片側。
画像18 にわかに「うわ~っ」と何人かの歓声?悲鳴?が聞こえたと思ったら、後ろで猿が走り回っていました。ゴミ箱を漁って、ポテトチップスの袋を拾ったと思ったら、中身を指で掬って食べていました。
画像19 たくさんの人が仏像よりも猿をカメラに収めていました。
画像20 塑像はどれも真新しい。でもどれも緻密な感じは全くなくてハリボテ感がすごい。
画像21 とにかく、どこを見てもこれでもかこれでもかと像が並んでいます。なるほど確かに「萬佛寺」だなと思ったら、Kが「萬佛寺の『萬佛』はこれらを指すのではない」と。
画像22 萬佛寺の「萬佛」はこの本堂の壁全てを覆い尽くすように置かれた仏像から来ているものだと。中では撮影禁止。
画像23 萬佛寺の本堂部分を出ると、横に「太歳殿」の文字。え?太歳って仏教じゃなくて道教・・。「太歳」は古代の中国天文学における暦注の八将神の一。その年の十二支と同じ方角に位置し、その方角がその年の吉とされるのですが、太歳は木星の鏡像として作られた架空の惑星=神という考え。この「架空の惑星」を作って実際の森羅万象につじつまを合わせた目からウロコな発想はとても興味深いですが、結構歴史があるハズのこのお寺、仏教あり、道教ありなフレキシブルぶり。「ココにキリスト像がないだけまだマシだな」とKがつぶやいた。

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