交換(=等価と効果)について
0、はじめに
exchangeのページで制作物の交換をはじめるにあたり、価値観の設定をはじめる。この時点の個人的な考えを一度みえるカタチにまとめておく。
販売でもなく、売買でもなく、交換というという言葉を使用する。
価値そのものでなく、価値観で語ると売買も交換に含まれるためである。
1、なぜ、交換をはじめるのか?
作品とはなにか?をずっと考えたきた。ここ数年は、ギャラリーでの個展やアートフェア・ブックフェアの出展に機会に恵まれた。
しかし、アーティストが制作することとそれを販売することが接続しないことに違和感を感じながら、以下の内容を実施してきた。(制作≠販売)
実施1:制作物を作品として取り扱うこと
作品とはなにか?という問いだが、2019年にAIRに参加してルーシーの骨の60%というタイトルで活動にて深堀してきた。その結果、制作物を(名前をつける等の)解釈をすること を突き止めた。
作品=制作物を解釈することで生成されるもの
実施2:作品に価格をつけること=価値を提示をすること
値段をつけるとはなにか?という問いだが、数年前までは制作が中心であり、気にしてこなかった。しかし、アートディーラーと議論を繰り返しマーケットの仕組みに論理的不整合があり、その要因として人の操作が介入していることに気づいた。この論理的不整合が自分では解決できないことと、他人の操作が介入していることを踏まえて、制作物を作品をするのは、他人(この場合は、アートディーラー)でもよい ことに気づくことができた。
=つまり、人が作品をつくる。
ここまでまとめると、、、以下のように考えることができるようになった。
だれもが解釈してもよい(操作)
⇒だれもが作品として取り扱ってよい(操作)
⇒だれもが価格を決めることができる(交換)
=価値を提示できる(効果)→作品
2、プロセスを逆にしてみると、原理が明確になる。
つまり、操作と効果を逆にして考えてみると、、、、
最初に価格を決めるという操作によって作品化された効果 = 解釈であり価値観 ということになる。つまり、最初に値段をつけること自体を決めてしまう操作によって、それは作品であり、解釈をすることを要求できる効果があるという考え方である。
⇒だれかが価格を決める=価値の提示(操作)
⇒制作物が作品になることができる(効果1)
⇒解釈を要求することができる(効果2)
3、誰にとっての解釈・作品・値段なのか?
おそらく、一概に決められないが最初の解だとおもう。対象となる母集団や環境によって変動する。言い方をかえると、取り扱う 場所・時間・環境によって価値観が変容する と考えてもいいかもしれない。
●市場の課題
変容する価値は、市場で絶対的な(固定された)価値観で価格をつけられないことが、信用(価値)を失うこと と直結しており、結果として、市場ルールと矛盾が発生する。(=市場の論理的不整合(個人見解))
4、信用の設定
そこで、1つの手段として、自分の外にいる信用にたるなにか(ある範囲の中で固定されるものとし、それ絶対的な価値観として取り扱う人)の設定とその価値観で価格をつけることで解決をしている。
(自分でない誰かにつくられた信用 と仮称する)
これはある意味、変容する価値観や多様性を否定しているようにも思えるが、平均等の統計処理の考え方も同様であるため、歴史的な慣わしにしたがっているとの考え方でもある。
信用とは、、、
[名](スル)
1 確かなものと信じて受け入れること。「相手の言葉を信用する」
2 それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。「信用を得る」
この場合の ”自分でない誰かにつくられた信用” は、1の意味が該当する。
5、変容や多様性を否定しない信用
もし価値観が変容することを受容することを前提とする場合、どうするか?
●事実に裏づけられた信用の設定=既成事実
ここで、提案できるのは、絶対的な価値観なしに価値観を固めていく という話である。相対的に固めるとは、矛盾した言葉の組み合わせだが、対話による合意形成(つまり交渉)とその形成(決定)の積み重ねで生成される既成事実を生成することである。(エンジニアリングでいう信頼性試験はこでれに該当)
●交換をする=信用を高めること
既成事実で信用をたかめるには、大量の既成事実が必要となる。ケースバイケースという言葉のとおり、たくさんの価値観が接続する必要がでてくる。ただし、接続した価値観は同一でなくても合意ができるレベルに調和ができていればよい。
この場合は、信用の2、の意味である、”それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること” に該当する。信用を得るやり方である。
6、なにを交換するのか?=制作物
まずは、交換の目的から考える。
目的:市場と別の価値観を定義し、思考や感覚の共有・交換をする。
●思考や感覚とは、
ダイレクトに見える化できないので、人はなにか置き換えることをする(たとえば、言葉・音楽等)。ほとんどの場合、置き換えることを表現という。アーティストの場合、その表現が 制作や制作物 であったりする。今回は、表現を価値観という言葉をとおして、作品化していく話である。
●価値観とは、
物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断。
いかなる物事に価値を認めるかという個人個人の評価的判断。
=個々でみとめた基準と判断→つまり、解釈して見立てることやその方法
7、個々でみとめた(解釈や見立て)をもった思考や感覚をどうするのか?
1、共有すること=関係する互いの解釈や見立てを知り合うこと。
2、接続すること
_=比較による”似ている・違う”を示し、互いの解釈を調和すること。
3、交換すること=調和で生成した関係で、互いに新たな解釈を得ること。
●価値観の合意形成には、対話が必要
ここで、重要なのは、
交換ができることを約束する合意形成の生成である。
合意形成には、対話(生成された事実の積み上げを確認すること)が必要である。
8、あたらしい解釈を得るとは?(うれしさ)
価値観を交換すること言い換えであるが、
まったく知らない思考や感覚を、周囲との接続・断絶の選択する(判断や理由をもつ)ことで、その人が約束できる価値観であることの合意形成をすることである。
つまり、自分の中に他人の思考を取り込み、自分のものとして取り扱うこと。結果的に、思考や感覚に広がりができ、より柔軟(進化しやすい状態)になることができる。
9、価格が決まる要素は?/だれが選択するのか?
ここからは、価値観そのものの設定に入っていく。
仮説として、5W2Hではないだろうか?その組み合わせである。
この場合、選択するのは、そこに関わる人全員だとおもいます。
選択の結果、共有→接続→解釈の手続きで具体的な数字になる。
具体的にここでの解釈の明示は、後日取り組む予定。。。。
10、その数字の背景とは?
なぜその値段なのか? その数字を決定する、価値観を決定する大量の既成事実であり、参考する過去の事例や現在ある環境での解釈であると考えます。つまり、解釈は、価格を決める要素であり、結果的には、解釈は制作物を作品するということです。
11、お金のでどころは?(その資金がもつ意味)
なぜこの質問がでてきたか?というと、そのお金がどうやってつくられたものか(理由)かが語られることが少ないが、価値観を表すものとして無視できないと考えるためである。
とくに助成金や企業と連携する場合は注意が必要です。
たとえば、反放射能を語る表現や作品が核ビジネスによって得られたお金でつくられることがあった場合、その表現や価値観は不整合です。その場合、そこに関わるものやことが、信用(価値観の合意形成が)できない。
昨年、愛知トリエンナーレで助成金が出る・出ないについて、話題になったが、単純に助成されることが問題でなく、そのお金の解釈であると感じた。
12、なぜ解釈をお金で語るか?(お金の解釈)
ここはまだ理解がすすでいないですが、お金が多くの人で共有・交換しやすい価値観の1つであるためだと考えている。
この場合、そのお金が自分にとってどういう価値観なのかも解釈を明示しておく必要がある(市場と直接しないやり方の場合はとくに)。
たとえば、時給で得たお金ならば、その人にとってお金=時間なのかもしれない。演劇にお金を払うをことを考えた場合、そこに居合わせた経験=お金 かもしれません。時と場合によって価値観は変動する。
ちなみに、日ごろ使っている通貨は、変動相場といって常に価格が変動する。市場原理を考え厳密にすると、相場の基準としている”金”というのが正しいと思われる。
13、交換(=等価と効果)とは
このノートの目的は、制作物における価値観の設定(考え方)で、内容は、以下の3点である。
1、価値でなく、価値観でかたること
2、一般的な既存の価値観だけでなく、独自の価値観をもつこと
3、独自の価値観は、孤立したものでなく、共有・接続・交換をすること
言い方をかえると、、、、交換とは、
ある効果からその対象(思考or 表現 or 制作物)を解釈して、等価(交換できる状態)であることを合意形成できるようにすることである。その結果、価値そのものでなく、価値観で語ると売買も交換に含まれる。
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