静寂の瞳 Sceneー2
追いつめられたような
ささくれた<意識>の流れ。
微かに饐えた匂いのする闇の奥底
一体の揺らめく影があった。
その姿はさながら
巨大な <翼持つ蟲>のよう。
また、<嘴をもたぬ鳥>のようで
もあった。
<それ>は、自らを<狩人>であ
ると認識していた。
その自覚が、ややもするとあやし
くなりかけてきているとも、感じ
はじめていた。
永き時を渡り
追い続けてきた<獲物>を、どう
やら見失ったらしいのだった。
そのことが、自らの<意識>を蝕
みはじめていることに<それ>は、