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負けないデザイン――最速最短で形にする! デザイン定跡【色彩編】

元任天堂のインハウスデザイナー、前田高志さんが「勝てるデザイン」という書籍で華々しくベストセラーを獲得した。

ぼくは凡人なので、そんな大それたタイトルは、noteにだって掲げられない。

だからタイトルは「負けないデザイン」だ。


センスよりもデザイン理論

グラフィックにせよWebにせよ、デザインには才能とセンスが必要――みなさんは、そんなふうに考えていないだろうか。

もちろん、才能とセンスが必要な局面もあるが、じつのところ、それほど多くの場面で必要なわけではない。

というのも、デザインはぶっちゃけ将棋と同じだからだ。

序盤については、定跡さえ覚えれば、名人と戦ってもそこそこ勝負になるのである。



デザインの歴史は長い。産業革命以後、技術と商業デザインは両輪の関係で進歩してきた。プロダクトデザインはいうに及ばず、パッケージや広告物の意匠は、中身である商品以上に重要だった。そして長い歴史のなかで、数々の先人たちの試行錯誤により、デザイン理論はほぼ完全に体系化されている。

デザインに流行り廃りはあるが、デザイン理論にはそれがない。

紀元前だろうが紀元後だろうが、林檎は木から落ちるようにできている。物理法則同様に、デザイン理論も普遍的である。

センスとか才能みたいなあやふやなものより、たしかに確固としてある理論のほうが、はるかに優るし有用なのはいうまでもない。デザインはあまりにも自由度が高い作業のため、途方に暮れがちだが、将棋が最善手を指すより悪手を指さないことに腐心すればおのずと勝率が上がるように、デザインもまた、まず理論を押さえてしまえば、勝てないまでも負けないデザインが可能なのである。

あとはそれを知っているかどうか? だけの話になる。

これから三回に分けて、きわめて実践的なデザインのコツについて簡単に講義しようと思う。もちろん、非デザイナーの方にも役立つ内容になるはずだ。営業や事務スタッフも、資料作成や企画書などで、デザイン技術が必要とされる局面はけっして少なくないのだから。

まず覚えるべき色彩理論

Web、グラフィック、動画。

あらゆるデザインについていえることだが、その配色は適当にとかセンスで決まるわけではない。

配色はすべて理論に沿って必然的に決められている。

使う色については、まず原色を避けて3色に抑える。これがすべての基本的な考え方だ。

無限にバリエーションのある色のなかで、3色に絞り込んで使えばいいとなったら、デザインがずっと単純なものに思えてこないだろうか? 

問題は3色の専有比率であるが、

ベースカラ―(60%)

アソートカラー(30%)

アクセントカラー(10%)

この配色比率に沿って使えば、まず大きく失敗はしないとされている。

たとえば、下の動画はYellow Houseで制作したモーショングラフィックス広告である。ご覧いただきたい。




船係留お見積ナビというWebサービスの広告だが、海・船をモチーフにしたデザイン物なので、ベースカラーについては海をイメージしてブルーに設定した。

アソートカラーは水色。こちらは、テーマカラーと同系色にすると馴染みやすい。

そしてアクセントカラーは、テーマカラーと対比効果を生み出す補色、イエローというわけである。

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色数を極力抑えたことで、成功しているかどうかはともかく、大きく失敗はしていないはずだ。

たとえばスーツの構成などは頭に浮かべやすいだろう。スーツ、シャツ、ネクタイがそれぞれベース、アソート、アクセントの3色で構成されているのがわかる。

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シンデレラ城のモデルとして知られるノイシュバンシュタイン城も、配色比率の黄金率に則っているのがわかるはずだ。

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すべての基本、といったのは誇張でもなんでもない。

グラフィック、Web、服やインテリア、建築物や街並みに至るまで、文字どおりすべてに当てはまるデザイン技法である。覚えておいて、損はない。

続く第二回では、デザインの基本四原則について説明する。


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