夢に近づいた日
大学受験に失敗した時、ほとんど諦めかけた夢がある。あの頃は頑張っても頑張っても結果が出なくて、「努力なんて意味無い」と不貞腐れてしまっていた。世を呪い、自分の誕生を憎んだ19歳の頃のわたし。だったら頑張るのを辞めてしまえばいいのに、わたしは我武者羅に生きることしか知らなかったが故に、泥の中をもがくようにして手足を必死に動かしていた。
あの頃のわたしへ。
わたしは今、大学4年生で、今学期の単位が取れたら卒業します。
あの時どうしても諦めきれなかった心理学を、この4年間思う存分学ぶことが出来ました。
新たな夢も出来ました。社会的養護に関わるお仕事に就くことです。
できるか不安だった卒業研究も、無事に書き終えました。素敵な先生のおかげで、心ゆくまで研究し、納得のいく答えが出せました。
そして、先生から、「大学院に進学して、研究してみたらどうか」と言って貰えました。
もしかしたら、今後、あんなになりたかった研究者になれるかもしれません。
思う存分、興味のあることを追求し、研究に没頭したい。アドラーのような哲学者になって、人間に対しての理解を深めたい。あの頃遥かに遠ざかった夢に、気づけば近づいてました。
それは、どんな結果になっても、不貞腐れても、心のどこかで自分を信じて、頑張ってきたわたしがいたからだよ。
あの頃全てを投げ出さなくてよかった。死ななくてよかった。本当に生きててよかった。
生まれてきたことが憎くて仕方なかったけれど、今は自分の存在も可愛いもんだよ。
優しくて愛情深いおばあちゃん、色んな経験を共にしてくれる叔母さんと叔父さん、ガキンチョみたいな遊びにいつまでも付き合ってくれるマブ、家族のように輪に入れてくれる友達、どんな時も見守ってくれる上司。
他にもたくさんの人のおかげで、わたしは今日も生きてるよ。
これまでも、今も、わたしってば結構愛されて、みんなに大事にされて生きてるよ。
あの頃は、1番大事にして欲しかった人に無下にされていたから、傷だらけだったけれど。
傷つけてくる人が遠くにいる今は、カサブタも綺麗に剥がれて、愛情たぷたぷでつやつやな心になったよ。
今のわたしは、自分にも人にも優しくなったよ。
だから、大丈夫。わたしなら大丈夫。あの頃頑張ってくれてありがとうね。どうにか生きててくれてありがとうね。
傷だらけでも必死に生きてくれたおかげで、悲しくて苦しい記憶が薄れていくくらい、今は幸せで温かい環境にいるよ。
漫画「メダリスト」のなかで、大好きな言葉がある。
主人公のいのりさんが目指してた金メダルを取れなかった時。今まで誰にも期待されなかった経験からか、「4位でも、みんなから期待される選手になれたからよかった」って言うシーンがあるの。
その時、つかさ先生が真っ直ぐな目でこう言うの。
誰にも期待されなくても、大きな夢を掲げて、目指していい。そして、誰かに評価されたものだけで、わたしはできてない。
わたしはずっと知っている。いのりさんが1人で教科書を読みながらリンクに上がっていたことも、わたしが1人で参考書に向き合って自分と戦っていたことも。
人が認めてくれる部分の裏には、多くの葛藤ともがき続けた跡があることを知っている。
だから、わたしの価値はわたしがいちばんわかってるし、誰に評価されてもされなくても、その価値は揺るがないものだって知っている。
それは、みんなもそう。自分の価値は自分が決めていい。誰がなんと言おうと、あなたはあなただから価値がある。
つかさ先生は本当に素敵な人だなって思うし、尊敬している大人のひとりです。
メダリスト、みなさんもぜひ読んでください。この言葉の良さは、漫画で読んだ方がより心に響く。
過去のわたしが救われて、今のわたしが報われてよかったねって泣いちゃうような日でした。
何度も何度も、過去の自分を抱き締めに行きたいと思ったことがあるんだけれど、今日は思いっきり夢の中で抱きしめてあげようと思います。
そして、これからは、今にも泣き出しそうな若者たちにそっと寄り添っていきたいなと思うのです。
大丈夫、あなたの頑張りは、ちゃんと未来の自分に繋がるからね。無駄なことなんてひとつもなくて、あなたの存在がどんなに尊いものか、実感する日が来るからね。
誰にも認められなかった19歳の頃のわたしも、認められ始めた今のわたしも、なんの価値も変わらない。ずっとずっと、大事な大事なわたしだからね。
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