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刺激の受け取り方にも違いがあります

よこはま発達相談室の佐々木です。いつも記事をお読みいただき、また「スキ」「フォロー」「シェア」してくださっている皆様、ありがとうございます。シリーズで書かせて頂いている"ASDの方の認知特性"について、前回は”ASDの方のモチベーション”について記事を書かせていただきました。今回は「ASDの方の感覚」について書かせて頂きます。このシリーズは今回が最終回になります。宜しければ、最後までお付き合い頂ければ幸いです(なお、過去のシリーズは文末にリンクを貼っておきますのでご関心あればご一読ください)。

感覚の違いって特性の一つ?

イギリスの児童精神科医であるローナ・ウイング先生と臨床心理学者のジュディス・グールド先生が大規模な疫学調査の結果を踏まえて提唱した概念が”スペクトラム”概念になります。ウイング先生たちは、いわゆる”三つ組”と言われる基本特性(社会性、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーション)に加え、感覚的な偏りについても当時から触れられていました。その後、2013年に発刊された精神障害の診断と統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders Fifth Edition: 以下DSM-5)においてもスペクトラム概念が採用され(厳密に言えばウイング先生たちの概念とは若干違いがありますが、ここでは詳細は省きます)、診断基準の一つの項目として今回取り上げる「感覚の偏り(敏感さや鈍感さ)」が含められました。つまり、感覚の違いもASDの方々の特性の一つとして持ちやすいということです。具体的には、聴覚、視覚、味覚、臭覚、触覚、痛覚、体内感覚(これは例えば、尿意を感じにくいなど)などあらゆる感覚領域で鈍感さや敏感さが生じるようです。その他、具体例はよこはま発達クリニックのホームページに紹介しておりますので、もし宜しければそちらをご確認ください。

そして、我々はこの「感覚の偏り」についても非常に重要なものであると位置付けて捉えています

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