見出し画像

うそつき

3億年ぶりくらいに嫉妬をした。

EnvyじゃなくてJealousって感じの方。あの心臓バクバクで一瞬サッと血の気が引いてあとからモヤモヤメラメラしてくる感覚が久しぶりすぎてものすごく戸惑った。

そういうの全く聞きたくないからもうこれから一切話さないで、とは言ったものの、あれ?これってもしかして私が突き放した形になってる?離れていっちゃうパターン?って考えるとどうすればいいのか分からない。

とりあえず寝ようと思っても眠れなくてずっと考え続けた。考えても答えは出ないし、問題を解決するには一時的な安心感を与えられられるか、自分に絶対的な自信をつけるかのどちらか二択。だけど深夜1時過ぎにひとりで部屋にいる私にはそのどちらも出来ずにいて、結局冷静じゃない頭のままAC/DCのHighway to Hellを流し、気が付いたらいつもよりラグジュアリーなホテルのエステを予約していた。

私は落ち込んだり行き詰まったりすると必ず、お前がひれ伏すぐらい綺麗になってやると闘争心が湧いて半ばヤケになってネイルサロンやらエステやらスパやらその他美容施設の予約を取りまくるのだ。

ダメージから生まれた負のエネルギーを全て美容に注ぎ込んで、取り憑かれたように美容施設をまわる姿は本当に何かの妖怪みたいだと思う。人の生気を吸い取って生きるサキュバス的な何か。

でも負のエネルギーで生まれた美しさなんて不健康なんじゃないかとか、見た目でつなぎ止めておくものなんて脆いって思う時もあるけど、そうなると健康な美しさって何?中身の魅力は「魅力」として受け入れられているのに外見も魅力はなんだか不純なものとして扱われてない?とか考えてしまう。

どうして動機は純粋でものじゃないといけないのかな。それだけが美しさだとは思えない。

私の体の美容施設自動予約システムは綺麗になることってよりも自信をつけることが目的。何かスキルを身に付けるより、外見を整えて武装する方が手っ取り早く自分のご機嫌を取ることが自信に繋がることを私は知ってる。

このまま負のエネルギーを体に溜め込んでおくと人に優しくできなくなる。私は誰かれ構わず傷付けるモンスターにはなりたくない。


自分は美しいと自信を持って言える人がきっと一番美しいし、強いし、怖い。

ビリー・アイリッシュの「Bad guy」の歌詞に出てくる、

You said she's scared of me? 
I mean, I don't see what she sees but maybe it's 'cause I'm wearing your cologne.

私のこと怖がってるの?なんでそう思うのかは分からないけどたぶん私があなたの香水つけるからじゃない?なんてのを平気でやってのけるのもその手のタイプだと思うし。良い意味でも、悪い意味でも、人も自分もコントロールできちゃう。

自信がないと相手が何処かへ行ってしまうかもって不安に勝手に押し潰されて自爆するし、好きな気持ちなんてのは相手より劣っていた方が断然いいって気持ちが生まれる。

好きになったら負け、恋に落ちたら負け。っていう気持ちだって出てきちゃう。こう思ってるうちはどっちみち勝負に出ても絶対負けるし、その時って片思いっていうか、自分と相手の「好き」に差があることに気付いてるだけでさ。

溢れる気持ちを伝えたら相手に優位に立たれる、なんてそんな駆け引きはホント、いらない。溢れ出ちゃう気持ちを伝えるのが愛じゃないの?

気持ちに蓋をするなんてそれこそ健康的じゃない。溢れ出た気持ちを受け止めてくれない人なんて、お猪口ぐらいの器しかないから私とは釣り合わない。

……っていう気持ちで本当は常にいたい。

だけどやっぱり好きな人には嫌われたくないし、可能性を自ら無くすようなことなんてしたくない。

でもそれでダメになる人って結局遅かれ早かれダメになるはずだから早めに断ち切ったほうがいいのかもね。

好きなものには「好き」って言える強さと嫌われる覚悟がなきゃ、欲しいものは絶対に手に入らない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?