見出し画像

照明 能「菊慈童 遊舞之楽」 狂言「金津地蔵」

11月3日(水)、【芸どころ名古屋舞台】の 照明能「菊慈童 遊舞之楽」、狂言「金津地蔵」を観劇しました。

まずは、トラディショナルな騙し騙されドタバタ喜劇の狂言「金津地蔵」。

狂言「金津地蔵」

彫刻したことなんて一度もない彫り師(詐欺師だね~)が息子に地蔵のふりをさせ、まんまと息子の地蔵を買わせてしまうと…生き仏❓のドタバタ喜劇。

続いて、照明能「菊慈童 遊舞之楽」。
三国志の魏の文帝曹丕の御代に現れた美少年は実は七百歳以上、なぜ歳を取らない❓不思議な菊の花に囲まれた不思議な少年の、カラフルで優美な、コロナ禍も吹っ飛びそうな奇跡の舞。

能「菊慈童 遊舞之楽」1

照明がお能の幻想を倍以上にする。正面席後ろ12台ほど、横正面席後ろに2台のゼラ(色)付のライト、正面には1台だけがゼラなしピンスポットライト。壁一面の多色のホリゾントライト映える舞台と幕の間の橋がかり。
ピンスポとホリとが相まって光の舞台を舞うシテは疫病流行る現世を超える世界への橋渡しのよう。

能「菊慈童 遊舞之楽」2

LEDキャンドル能、ろうそく能、と続いたけど、演劇的な効果は照明能、この手法が一番わかりやすい感じです。
最近コロナ禍を意識した番組(演目)多いなぁって思っていましたが、考えてみれば人類史=疫病史で、芸能もそういう疫病の多い世界と向き合い、現代まで続いたわけで、まさに今の今日の菊慈童は今の人々の願いの舞でした。

レポート:久保田将之



この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?