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本の棚 #96 『1%の努力』
『1%の努力』
ひろゆき
サボる才能はあるか?
そんな問いから本書は始まる。YouTubeでひろゆき氏のチャンネルを見ることはあるが、そもそもの生き方のスタンスがおもしろい。
まず、「働かなくてもいい」ということをよく言う。表面的にその言葉だけを聞いて反発する人も多いが、人の話はよく聞かなければならない。その裏にある理論までしっかりと理解してから意見を言いたいものだ。
最初の問いも、タイトルに対しても「それはどういう意味だ?」という理解しようとする姿勢をもつことで自分の視野を広げていきたい。
ひろゆき氏は本書の目的を
死ぬまでの「幸せの総量」を増やすため
としている。人生において幸福とは人それぞれだが、その総量が増えるのは困るいう人は少ないだろうし、この本を読まなくていいことになる。
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「99%の努力と1%のひらめき」の誤解
エジソンの名言として世の中に知られているこのフレーズだが、多くの人が「才能よりも努力が大事だ」という意味で使っていると思う。
しかし、実際の意味は…
「1%のひらめきがなければ99%の努力はムダになる」という現実的なものだそうだ。ひらめき、アイデアありきなのだ。
努力がそれ単体で褒められることはどうかとは思う。やはり結果があるからこそ、あとづけ的に「やっぱり努力が大切だ」となる。「努力のおかげでこの結果が出て、今がある」といえるのは社会から評価されている今があるからではないか。
またえてして努力でなんとかしようとする人は、「やり方」を変えない、とも書かれている。
これには全く同感で、さらに努力でなんとかできてしまったその上司の部下は、努力でなんとかできてしまう前提で仕事をすすめることを強いられることが多い…
これはかなりしんどい状況だ。上司として部下に自分と同じ苦悩を味わえと言っているのと似ている。しかし本来は自分が苦しんだことをクリアにしてあげて、部下には次のステップに早々に進んでもらうほうが組織としてもいいだろう。
(どうせまた新たな課題にぶつかるけど)
スケジュールを埋めるな、余白を作れ
「この壺は満杯か?」の話はご存知だろうか。かなり有名らしいのだが、ぼくは知らなかったので素直に感動した。
知らない方は、うちやまゆうきさんの記事を読むといい。
「自分にとっての『大きな岩』はなんだろう?」
ここが明確になっていないまま進む人生は、知らぬ間に水が溜まっていく壺のようなものだ。
『7つの習慣』でいう「最優先事項を優先する」がこれにあたると思う。ぼくが最も好きな章だ。
「この人とは『前提』が違うんじゃないか?」
人間関係で悩む、特に社会人になりたてのいま時期は何かとそんな相談を受けることも多い。
そんなときに考えてほしいのは「前提条件」の違いだ。会社、組織にはいろんな人がいる。そしてみんな違う価値観をもっている。それは育ってきた環境という前提条件がそれぞれ異なるから変えようがない。
だから意見や考えが違うときには「なんでだろう」と思い悩むのではなく、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と1度受け入れる。
受け入れずに瞬時に反発すると「頑固」というなんとなく嫌なレッテルを貼られる。「自分をもっている、芯がある」という捉え方もできるが、まずは前提条件の違いがあることを考えて一旦受け入れてみる。
逆にめちゃくちゃ気の合う人がいたとしたら、それは幸運とは言い難いかもしれない。その人からはおそらくあまり学ぶことがない。
前提が違うからこそ、たくさんの情報が得られると思っている。年齢が違うことは生きている時代が違うということだし、得意分野が違うことも相手からいろんなことを吸収するチャンスだ。
「どこにいるか」自分のポジション
本音が言える、言ってはいけないことが言える
競争のいらないところに張る
これもYouTubeチャンネルでよく話されていることだと思う。ポジションを意識しないままただがむしゃらに働くだけでは、おそらくサラリーマンとして難しくなっていくと肌感覚ではあるが考えている。
サッカーでいうところの「ボールを持っていないときの動き」が感覚的には近いかもしれない。オフェンスにしろディフェンスにしろ、「あっ、ここだな」というポジションがとれる人は重宝されると思う。それは得点に対する嗅覚が強くなくてはならないことが前提で、オフェンスなら相手ディフェンスの裏をかいてスペースに走り込む、そこにパスが通れば得点確率は高い。ディフェンスなら相手フォワードが思い描く得点パターンを想定して、ここのパスは通さない、みたいに考えるんだと思う。(サッカーは詳しくない)
どちらも自分の輝けるポジションを常に意識して行動している、という点は共通だ。
ビジネスでも同じことが言えるだろうし、サラリーマンとして組織の中でどのポジションに飛び込むかは自分で意図的に動く必要がありそうだ。
番外編
モノを手に入れるということは、その後のメンテナンスを引き受けるというのとだ
この文は全く太字でもなく、強調されていないと言われればそうなんだが、ぼくはなるほどなと思った。
というのも「日本人には特にこのメンテナンスという感覚が乏しい」という現実を知っているから。
家、車、家具など所有しているものの中で、メンテナンスをちゃんとしていますというものはどれくらいあるだろうか?
おそらくそんなに自信をもってイエスを言える人はいないと考えている。それなら所有しなくていいじゃないか、借りて、修繕してもらって、きれいな状態で使えるほうが現代の多くの日本人スタイルにはあっているのではないだろうか。
所有することに価値を見出すのはそろそら飽きているはずだ。所有するならメンテナンスの方法とその楽しみ方を知ろうよ、と言いたい。
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