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本の棚 #125 『すいません、ほぼ日の経営』

『すいません、ほぼ日の経営』
聞き手:川島蓉子
語り手:糸井重里

もともとフリーのコピーライターであった

糸井重里さんは

実はほとんど組織に身を置いたことがない。

それでも「株式会社ほぼ日」を上場させ

100人以上の社員を率いる。

ほぼ日の経営の姿とは?

新しい会社の「在り方」に近づける

そんな感覚の一冊。

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たぶん人は、「映画を見たい」というよりも、「いい時間」を過ごしたいんです。

いい時間とは、積み重なればいい人生。

なんでもない一言が、ぼくにはなぜか響いた。

いい時間を過ごしたいということが

ぼくらの根底にはあるかもなと。

そのための手段を商売を通して

世の中に提供している。

モノで叶ういい時間もあれば

体験で叶ういい時間もあって

いい時間のつくり方がいくつあってもいい。

つまならない時間ではなく

いい時間がたくさんあるほうが

なんかいいもんな。


伝家の宝刀「誠実」と「貢献」

誠実は、姿勢であり

弱くても、貧しくても、不勉強でも、

誠実であることはできるという。

貢献は、よろこびである。

それは人に対しても自分に対しても。

また貢献することで、

人は新しい機会を得ることができる。

仕事の報酬は「仕事」と聞いたことがある。

新しい機会とは新しい仕事か。

貢献という成果をあげることで

次はさらに大きな貢献を期待される。

それにこたえているうちに

成長していくのが人なのだろう。

けれども、それでも誠実さは

貢献よりももっと大切なのだと

糸井さんは言う。

誠実さなき貢献は、誤った方向にいくと

とんでもないしっぺがえしをくらう。

日々、手をかけて田んぼを耕し続けると、さいごに人が育つんです。

育てた農作物でみんなに喜んでもらう

それを、何年も繰り返すことで

信頼を得られる。

それを積み重ねていることで

最後に育つのは「人」なのだ。

でも始まりは、コツコツと田んぼを耕すような

地道な作業だということを忘れてはいけない。

マリオのキノコみたいに

あんなに一瞬で大きくならないよ。


生き生きと働くとか楽しそうに仕事をしているとか、そういうところで勝負する会社にしていきたい

「スペック」や「情熱」の競争には

ほころびが出たり、波があったり…

糸井さんはそこでの勝負は避けている。

社員が、削られていくのではなく

のびのび成長していくようなスタイルで

成果を出していく。

うまくいかないこともあるかもしれない、

けれどもトップがそう考えている、

それに呼応するように

社員は新たなアイデアを生み出し

行動し続けていくだろう。


ぼくの中にはいつも、さぼろうとするじぶんがもうひとりいます。

えーっ!

糸井さんの中にもいるのか。

そう考えると誰の中にもいるんだろうな。

それを自覚して、自分を律する人と

しないままに時間を過ごしてしまう人、

その差ってなんなんだろうか。

どこが分岐点になるんだろう。

さぼるほうが重力が強いから

すぐに引き戻されそうになるけれど

それでもさぼらないように耐えて耐えて、

酸素が薄くて苦しい山の上を

人は目指していく。

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#推薦図書 #経営 #ほぼ日 #組織

#マネジメント #糸井重里 #川島蓉子

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