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本の棚 #165 『生きる場所を、もう一度選ぶー移住した23人の選択ー』

どう生きるか、とは

どんな選択をするか、とも言える。

それくらい人生は選択の連続であるが

連続しすぎて、麻痺してしまうのだ。

ついには自分が選択していることすら忘れて

ただただ立ち尽くすのみ。

この本に出てくる23人はそうじゃない、

いや、そうだったんだけど

何かをきっかけに「選択する」ということに

自覚を持ち、主体的に進む道を選んだ。

人生のどの地点にいても、この本は

読む価値があるように思う。

いつだって人生は、これからだ。

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ヘッドフォンはやめました

音楽を聴くためのヘッドフォンと

外と遮断された自分だけの世界を保つための

ヘッドフォン。

どちらも同じヘッドフォン。

田舎では知らない小学生が挨拶をしてくれる。

だからヘッドフォンやめました、とのこと。

人と人とのつながり、人と自然のつながり、

歩くとそこらへんにたくさんの価値がある。

それを「聴く」ことを楽しむほうがいい。

手づくりのこだわりと、便利さを分けて使いたい

買うよりつくるほうが課程まで楽しめて豊か

そんな感性を大切にしたい。

おもちゃを買うよりつくってみる。

自転車を修理に出すより、自分で修理してみる。

そんな非効率なことをするのが実は好きで

これは生涯変わらない性質なんだと思う。

仕事でそれをやってたらダメだと言われるかもしれないが

自分の時間でやる分には誰からも文句は言われない。

家族もぼくが自転車の修理をして

何回も失敗しているのを見ても

特に何も言ってこない。

それでいい、それがいい。

都会が嫌で脱出したのに、都会のように放っておいてくれないかと願うのは、たぶん邪道なのねしょうね。

人と人との結びつきの濃度が

都会に比べると田舎は高い。

となりのおばちゃんは勝手に家にあがってくるし、

早朝に玄関の前にイカやカニをおいていく人もいる(たぶん漁の帰り)

コミュニティも一度入り込んだら

強烈な粘着性をもっている。

思いのほかのんびりできないかもしれない。

もちろんその中でも独りが好きな人はいる。

どう関わるかも自分次第だろう。


悩みではなく課題にせよ

悩みを悩みのまま抱え込んで

人生の歩みの足かせにするのではなく

悩み=課題と捉えて

困難なゲームをクリアしていくのだ。

最初からの最後まで敵がスライム、

みたいなドラクエ(スラクエ?)なんて

1mmもおもしろくない。

ドラゴンが出てきたり、魔王が出てきたり

そんな強敵、課題が現れたときに

乗り越えてやろうと思える力は皆を救う。

時間の使い方の裁量を引き取ったら、景色が変わりました。

自然が近くにあるとか

人の雰囲気が違うとか

そういうこともあるだろうけど

「時間」に対する価値観や感覚が

一番大きな差なんじゃないか。

どっちがいいとか、優れているとか

そういうことではなく

どっちが合っているかということを

どこかのタイミングで

少なくない人々が考えるのだろう。

そのきっかけにもなり、

背中をそっと押すような

そんな本に出会えたことに感謝する。

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