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本の棚 #135 『諦めの価値』

『諦めの価値』
森博嗣

久しぶりの森博嗣さん。

世の中の人は、どこかで挫折を味わう。

年齢を重ねたときに、夢が叶わないと

諦めることになる。

そのときに、どう自分と向き合うのか

つまりどのように諦めるか。

そんな編集者からの問いに答えた本書。

「諦める」とはどういうことなのか。

ネガティブワードとして受け入れられがちだが

果たしてそれでいいのだろうか。

「積極的な諦め」のような思考法が

あるとすれば、それは多くの人を

救う1つの解になりえる。

人生を諦めたくない、という人は

ここで読み進めるのを

諦めることをおすすめする。

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なにかを成し遂げた人は、たいてい「諦めずに頑張った」と語るけれど、実は、目的を達成するために、数々のものを諦めている。

「諦める」という言葉には2つのパターンがある

1つは「目的を諦める」

これが世にいうところの夢を諦める系。

なかなか大きな決断であり

これに対してはネガティブイメージをもっても

ある意味仕方がないかもしれない。

安西先生が言ってた

「諦めたらそこで試合終了ですよ」は

勝利という目的を諦めたらあかんよ、と

三井寿に伝えたのだ。

もう一つは「目的へ向かう方法を諦める」

目的に向かうルートを諦める、とも言える。

このパターンにおいての諦めることは、

別に悪いことでもなんでもない。

単なる判断の結果である。

しかし、諦めたらダメだとシンプルに

鵜呑み状態に陥っていると

間違ったルートだとうすうす気づきながらも

引くに引けなくなって進んでしまい

大きな失敗へとつながってしまう。

この2つ目の諦めについては

常に「この道がいいのか」ということを

考えることが大切だ。

本当に重要なものは、具体的な「バッグ」ではなく、自分の「満足」という抽象的な目的

夢や目的といったものは

最終的には感情的な、抽象的なものにつながる。

だから、具体的な〇〇は変えてもいい。

ブランドもののバッグでなくてもいい。

自分の満足という抽象的な目的を達成できれば

そこに至るルートは自分で考えて変えたらいいのだ。

そう言われると「諦め」に対して

少し気軽に考えることができないだろうか。

まわりからの目を気にしすぎて

「諦め」をネガティブに捉えてしまうと

なんだかどうしようもない人生が

待っていそうな…

「諦め」には善悪も正解も間違いもない、けれども判断は避けられない。そして「自分で考えること」だけは、諦めてはいけない。

森博嗣さんが唯一諦めちゃいけないこととして

「自分で考えること」をあげている。

他人に考えもらい、判断してもらい

のらりくらりと生きていると

どちらにしろ、どこかのタイミングで

自分で決めなければならないときが

やってくる。

だから自分で考えようよ、誰かに言われたから諦めるとか

そんな生き方は生きづらい。

期待するから諦めなければならない

そもそも期待をしてしまうから

諦めるという事態に陥ってしまう。

他人に期待するから

社会に期待するから

自分の可能性に期待するから

その裏切りにやられてしまう、とのことだ。

ん〜ごもっともだと言いたいけれど

期待するから、裏切られるから、

人としての感情的な動きがあって、

嬉しさも悲しさも悔しさも怒りも

いろいろ経験できることも

生きることの楽しさのような気もしている。

諦めるところはスパッと諦めて

それでも自分とか家族とかの満足に向かって

いろいろなルートをいったりきたりする。

計画どおりにいかないだろうけど

30代になって

自分はこのままでいいのかというもやもや

を感じることもある。(たまに)

そんなときに過去に抱いた夢を思い出すけれど

その路線にはしっかり乗っかってると

自分では思っていて

今やっていることが楽しいと感じる。

現状が楽しくなかったり、不満があるから

夢を諦めかけている自分に

ストレスを感じる人も多いのかもしれない。

「これでいいのだ」とあるアニメのオジサンが

自信満々に言っていた。

そうだ、これでいいのだ!

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