本の棚 #239 『思考の穴』
わかっていても判断を誤ることはある。
人は誰しもが完璧ではない。
そもそも完璧な正解などない。
思考の穴とはなんなのか、その穴が分かると
どんな景色が待っているのか。
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人は自分をわりと高く見積もりがちだ。
そういうバイアスがかかるものだと
思っておいたほうが賢明だ。
自分は平均より上だけどさらに努力します
ならなんの問題もない。
自分は平均、もしくは平均以上だから
まぁこれくらいでいいか、というのが多い。
蓋を開けてみると事実は異なり
平均以下と平均以上は二極化していく。
これもバイアスの話で
見たら聞いたらこれは簡単だと思いこんでしまう。
実際は見ても聞いてもできない人が多い。
仕事においてこれは致命的で
知っていることとできることは異なる。
知っているけどできないことに対しては
少し説明を求めるだけで、人は謙虚になる。
もう少し詳しく説明してもらえますか?
と聞くとその人ができるかできないかは
ある程度分かる。
認知バイアスについての本かと思うくらいに
丁寧に説明されている。
「こうだ」と思ったらその裏付けを
探しに行くわけだから
これはそうだよね、て感じだけど…
「反証」を出すことで予防できる、
というのが大切なポイントだ。
この場合は適用できないよね?と問いが
仮説の確からしさのレベルを上げてくれる。
これはほんとにそう。
行動していない人が行動している人を
揶揄する心理はここにある。
しなかったことをちゃんと記録しておくと
したことだけの振り返りよりも
質が高くなるし、次の打ち手になる。
どんなレンズを通して世の中を見ているか。
カラフルなレンズなら
何が起きても楽しくいけそうだし
暗いレンズ(サングラス)なら
明るい世界もくすんで見える。
大切なことは今自分がどんなレンズを通して
世の中を、社会を、会社を、仲間を、家族を
見ているのか、ということを認知すること。
要するに思考の穴というより
思考を歪ませる原因となるバイアスについて
書かれているわけだが
この認知バイアスは消すことはできない。
どう認知して付き合っていくのか。
バイアスに囚われずに
時にはバイアスをうまく使い
穴だらけの思考の質を上げていくのか
そんな結論だ。
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