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【本】「アート思考とデザイン思考―子どもの脳の成長とAI時代の未来」

子どもがいない私が、
なぜに、「子どもの脳の育て方」を読むのか?
実は以前黒川伊保子さんと仕事をしたことがあり、
男脳・女脳のお話や世代ギャップのお話に大変共感を覚えたからでした。
黒川さんのことだから絶対に子どもの話だけではないはず!
そう思ってこの本を手に取ったのです。

著名な脳科学コメンテーターであり、
人工知能研究者、感性アナリストでもある黒川伊保子さんの著書
「子どもの脳の育て方ーAI時代を生き抜く力」
やはり、子どもの話をしながらも
AI時代において世代ギャップや
男女のコミュニケーションを埋めるための
会話やアプローチに焦点を当てた内容でした。

特に印象深かったのは、
人間の脳には
「気づきを起こす回路」=「気づきと発想力の回路」
「問題点を見つける回路」=「問題解決型回路」
があるという考え方。
私たちの脳内にある、この二つの回路というのは、同時に働かず、
一方が著しく活性化すると、
もう一つの回路が委縮してしまう関係にあるのだそう。

20世紀は、問題解決型回路が増大した脳が必要だったけれど、
21世紀には、気付きと発想力の回路が大事とのこと。

気づきと発想力の回路
「そういえば、あれ、やっておかなきゃ」とか
「あれもやっておこう」など「するべきこと」に気付きながら
タスクを片付ける回路。
家事的や子育ての多重タスクは、このセンスがないと出来ないそう。
そして気付きの回路は、その対象、例えば家族だったり、家だったり、職場など、に愛着があるからこそ気付くともおっしゃっています。
「あの人元気ないけど、何かあったのかな」
「あれ、何だかわからないけど、何か気になる」
それは対象物に愛着があるからこそ気付くこと。
本を読んでいて、
私はこれって「アート思考」なんじゃないかなと感じました。

もう一つの回路、問題点解決型回路は、
文字のごとく「あれが間違っている」や「ここが弱点」など
問題から解決方法を考える回路。
結果やゴールに強くこだわると、この回路が起動しやすい
そう。
私はこれって言ってみれば「デザイン思考」なのではと感じました。

この本を通して未来のリーダーシップは
アートとデザインの融合によって生まれる
のではないかという期待感にさらに確信をもちました。
愛着を持ち、
気づきと問題解決のバランスを取りながら、
我々は未来の課題に立ち向かっていくべきです。
アート思考とデザイン思考が交錯する未来に、
心躍る期待が広がっています

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