<第1章:その6>お墓はいちばんのパワースポット
私も有名なお寺で座禅を組んだり瞑想したことがあります。座禅や瞑想も体系化されていますから、自分の心の浄化という点で効力があります。
ただ、お墓参りの場合には、気軽に、すぐに行くことができますし、先祖や身近な故人と対話ができます。
お墓参りというと、年配の方がするものというイメージを抱きがちですが、むしろ必要なのは20代から40代の人たちです。それについては、次の第2章で具体的な事例を紹介しながら考えていきます。
若い世代が積極的にお墓参りをしていくことによって、自分が何者かが理解できますし、人生を生きる知恵や勇気が得られるはずです。
特にお墓参りをおすすめしたいのは、いまの人生で何かマイナスの方向に落ち込んでいる方々です。たとえば自信喪失とか対人関係で悩んでいるとか、家庭内の問題で苦しんでいるとかいう方は、お墓と向き合うことで何らかのプラスの方向に転ずるヒントを得るはずです。
経営の問題も同様です。
私は会社を経営されている方で、うちはお墓がないとか、お墓参りに行ったことがないなどという人には、まずお目にかかったことがありません。大きなストレスを抱えたり、最前線で戦っているので、心のもやもやを浄化する場所としてのお墓参りの位置は定着しています。
事実、私の経験でも、お墓参りをきちんとしていれば、仮にどんな結果が出ようとも悔いというものはありません。自分はやりきった、あとは天命にゆだねる、という納得感があります。
私は先祖の力は、闇夜の月と同じだと考えています。きちんとお墓参りをして、ゆだね終わったら、あとはもうおのずと先祖が正しい道を教えてくれるのです。もし失敗したときには、先祖の指し示す道に行かなかった、間違いの道なのです。この道ではないよと、逆に教えてくれているわけです。
その確信を得るためにも、きちんとお墓参りをして先祖供養しなくてはならないと思います。
お墓参りをして、「行かなければよかった」などと言う人は、いたためしがありません。必ず、すっきりした気分で帰ってきます。
決まった時期に、できれば家族でお参りして近ごろの出来事を報告する。手を合わせて、故人と対話をしていれば、必ずふだん見えなかったものが見えてきます。
元気はつらつに生きる方法のひとつとして、ぜひ、お墓参りを習慣にしてもらいたいと思います。
<「第1章」完。第2章につづく>
<前回まで>
・はじめに
・序章
母が伝えたかったこと
母との別れ
崩れていく家
止むことのない弟への暴力
「お母さんに会いたい!」
自衛隊に入ろう
父の店が倒産
無償ではじめたお墓そうじ
お墓は愛する故人そのもの
・第1章
墓碑は命の有限を教えてくれる
死ぬな、生きて帰ってこい
どこでも戦える自分になれる
お墓の前で心を浄化する
祖父との対話で立ち直る
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