マガジンのカバー画像

XENO公国

144
xenoカードの世界観を冒険ファンタジーの私小説にしてみました。
運営しているクリエイター

#xeno公国

XENO公国 No.141

XENO公国 No.141

0141〜ゾルの願いひょっこり出てきたのはガリガリにやせた老人だった。
"なにっ!あなたまさかここの王様のヒトなの?"
マナカは聞いた。
"そうだ。だがもうジル亡き今となっては闘うことはできんよ。もう終わったんじゃ"
聞くとゾル自体はモルガン王国の貴族であったが現皇帝からは、うとまがられていて一介の貴族であったが鉱山に派遣されてからはジルと出会い、人造ゼクノライトを発見してからは、勝手に他国に人造

もっとみる
XENO公国 No.140

XENO公国 No.140

0140〜玉座ジルがやられてしまい、ゾルの居場所は玉座の裏の倉庫に追いやられていた。玉座には誰もいない状態たった。
そうとも知らずマナカたちが玉座にたどり着いたときはもぬけの殻に驚いていた。
"だれもいないね"
マヒルは言った"
"気をつけて!ベックが気配を感じてるみたい"
マナカはささやいた。
確かにベックはゾルの気配を感じているかのようにマナカの懐から外をうかがっているようにみえた。
"ベック

もっとみる
XENO公国 No.139

XENO公国 No.139

0139〜行方"お父さーん。お母さーん"
マナカはゼクノライトから生き返った人々から両親を探した。
"おやっ、カナイさんのところのマナカちゃんじゃないの。あんたが助けてくれたのかい?"
同じ村の人たちだけじゃない中で、声をかけてくれたのはマレーサだった。彼女は両親と一緒に連れ去られたメンバーの一人で、村にいた頃にはよくマコトをかわいがってくれた。
"おばさん!お父さんとお母さんを探しているの。どこ

もっとみる
XENO公国 No.138

XENO公国 No.138

0138〜ベックの秘密"ベック。あなたこの石たちを元の人間に戻すことができる?"
マナカはベックに問いかけた。がベックはキョロキョロとマナカを見つめているだけだった。
"まぁ、分かるはずないっか"
しばらくするとベックはマナカから離れて人造ゼクノライトの石の方へ飛んでいった。
するとベックは冷気を石に向かって吐き始めた。
"何をしようというの?元に戻せるの?''
マナカが言った。
"あっ!もしかし

もっとみる
XENO公国 No.137

XENO公国 No.137

0137〜人造ゼクノライトジルが破裂した後には青い液体とキラキラした石が転がっていた。
その中からマヒルは白い石を取り、手の中で小さな渦巻きを作ることでその石を粉末状にした。その粉末をマナカに振りかけたのだ。
するとマナカに付いていた膜のようなモノがじわじわと剥がれてきた。
"お姉ちゃん。大丈夫?"
"あ、うん。ありがとう。この娘がいなかったらダメだったかも"
マナカは懐からベックを出して丸くなっ

もっとみる
XENO公国 No.136

XENO公国 No.136

0136〜対ジル戦"マヒル!全力でいくわよ!ベック!行って!"
マナカは賢者を使い兵士の渾身の一撃をジルに向かって放った。
マヒルは風を呼び、刃のように放った。
ベックは見守っていた。
しかし攻撃は全て当たっているものの感触がない。むしろ吸収されているようだった。
"くっくっく、その程度か。効かないなぁ。どれだけのゼクノライトを呑み込んだかわからん。我が威力思い知るがいい!"
ジルはさらに姿を変え

もっとみる
XENO公国 No.135

XENO公国 No.135

0135〜研究所新しく仲間入りした白竜のベックはマナカの懐がお似合いだ。マナカもまんざらではなかった。この闘いで身につけたのは、ベックの氷属攻撃、マナカはゼブライカから移し取った雪属性の攻撃、そしてマヒルは風属性の攻撃だった。
一方、採掘場内ではゼブライカの断末魔が響き渡り研究所にいたジルはその敗北を知った。
"ほしい。なんとしてもその検体を調べ尽くし我がモノにしてやる!"
ジルはそう言って保管庫

もっとみる
XENO公国 No.134

XENO公国 No.134

0134〜白竜遣いとの闘い"マナカ!"
マヒルはマナカに近づいた。するとマナカは凍ってしまったかのように動かない。
"次はお前だよ!"
ゼブライカはマヒルに向かって冷気を放った。
マヒルは上空に舞い上がり、その冷気を避けたが攻撃はさらに激しさを増した。マヒルは必死に飛び回り、徐々にその逃げ回る範囲を狭めてゆく。
マヒルとゼブライカの闘いの中、白竜のベックはマナカに寄り添うように近づくと吸い寄せられ

もっとみる
XENO公国 No.133

XENO公国 No.133

0133〜白竜との闘い"これ全部氷ってことなの?このパワースゴいわね"
マナカは見惚れてしまっていた。しかし次の瞬間襲ってきたのは吹雪だった。
"うわっ!このままじゃ、凍らされるどころか彼方まで飛ばされてしまうよ"
マヒルは吹雪の届かない上空に逃げた。
"このままじゃ、ラチがあかないわね"
マナカは英雄の杖を使って風の通り道を探した。
"あれだわ!"
マナカは白い竜が細やかに震えながらその身体につ

もっとみる
XENO公国 No.132

XENO公国 No.132

0132〜鉱山にて"ふふっ、ジル!進捗状況はどうなっておる?"
"ははっ!ゾル閣下、個体差があるものの上物種については当たりはずれがあるようですな"
"ではまた補充を願うとするか"
"どうやら老若男女で決まるものではなく、個体のカードの資質が上物種を生み出せるかにかかっているところまではつかんでおりますが"
"ふむ、ただ人間を連れてくれば良いのではなく、そこから育てねばならんのか?めんどくさいのう

もっとみる
XENO公国 No.131

XENO公国 No.131

0131〜鉱山にてマナカとマヒルは地下通路から西へ出て、鉱山に向かっていた。
"飛んでいく?"
マヒルが聞いた。
"ここら辺りは隠れるところがないわ。どんな状態か偵察して方がいいと思うの。歩いていきましょ"
"お父さん、お母さん大丈夫かな?"
マヒルが聞いた。
"そうね。心配だわ。それより不思議だと思わない?鉱山で何をさせられているのかしら?"
確かにマナカが思うのも不思議はない。もはや何百という

もっとみる
XENO公国 No.130

XENO公国 No.130

0130〜執政気がついたらマコトはベッドの上にいた。
"マコト、マコト!"
サキはマコトに呼びかけていた。
"こ、ここは?一体"
"町外れのバーよ。アレッポくんよ。かくまってくれているわ"
"なにがあったか、話してくれないか?"
サキは皇帝のこと告げずに竜に成りきっているマコトをヤギリたちによって救われたこと。そして西国の将軍がマコトを裏切ろうとしていることだけを伝えた。
"ヤギリたちに止められた

もっとみる
XENO公国 No.129

XENO公国 No.129

0129〜記憶を操れマコトは苦しみ悶えていた。皇帝が敗れてしまったことによる呪い一種で、いづれ竜になり他国を撃ち滅ぼす生物兵器としてマコトを呪縛していたのであった。
そうとも知らずにヤギリたちは闘うことになった。
ヤギリがマコトへの結界を解いた!
マコトの手の爪がサキを襲う。
"ああっ!"
サキの腕をかすめていった。軽症ではあったものの、赤く腫れ上がってしまった。
"マコドーっ!こっちだぞーっ!"

もっとみる
XENO公国 No.128

XENO公国 No.128

0128〜記憶を操れヒカルとサキが地下通路に入ると、なにやらどこからか叫び声が聞こえてきた。
"な、なんだ?"
"どうやら下の方から響いてくるようですね。なんでしょうか?"
声はどうやら地下牢から響いてくるようだった。
"ぐおおーぐおおー"
"どうするんだ!ヤギリ?"
ミジェラはヤギリに言った。
"とりあえず今はこの状態で置いとくしかないなぁ。ボクはそもそも相手を倒すタイプじゃないんだ"
マコトが

もっとみる