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XENO公国

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xenoカードの世界観を冒険ファンタジーの私小説にしてみました。
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2020年6月の記事一覧

XENO公国 No.108

XENO公国 No.108

0108〜故郷の闘い最初に気づいたのはヤギリだった。
"あれっ?家の中に誰かいるぞ"
ヤギリは目が見えなくなった分、死神による効果の影響で空間探知力が備わった。それによっているの周りの兵士たちより家の中の人間の能力が高いことに気づいたのだ。
"このまま兵士たちを固めることもできるけど、騒ぎを起こして別の場所に行ってもらった方がいいかな''
ヤギリは姿を現し兵士たちの方へ向かうと何食わぬ顔で兵士に聞

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XENO公国 No.107

XENO公国 No.107

0107〜故郷ワカがスッと消えたことで三人は飛翼のカードを見つめた。
"コレって何人まで移動できるのかな?"
"それよりも第七の祠って言ってたけど、コレで世界中どこでも行けるんだよね"
"これを正確に使うためには地図が必要だわ。変なとこに飛ばされたら、ここに来た時間ももったいないわよ"
"そうだね。このカードは切り札として取っておいて今は城を目指してゆこう"
"その前に私たちの家を見ておきたいの。

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XENO公国 No.106

XENO公国 No.106

0106〜飛翼のカード三人は鬼山に着いた。
"初めての旅でここにきたのよね。あの時はお父さんとお母さんを連れ戻したい一心で来たけど、今となったらなんだか懐かしいわ。あ、あれっ!あの建物に鬼が住んでいたのよ"
"なんだか様子が変だね。誰もいないはずなのに気配がするよ"
マヒルは飛翼の杖を使って空からも探してみた。
"あっ!"
マヒルが言うと、何かが建物から逃げ出した。
しかしマヒルは上から見ているの

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XENO公国 No.105

XENO公国 No.105

0105〜三神雄マヒルの飛行術は永久に飛べるわけではない。
体力がなくなれば、飛翼の杖に飛ぶ力を伝えられなくなり落ちてしまう。マヒルは体力がない分身が軽かったので一人では遠くまでゆけるものの、ヤギリとマナカを抱えた状態ではひと山越えるのが精一杯だった。
つまりカードが上位になりながらも、いまだ三人は北山の洞窟にいた。
"そうか、北山の祠に行ったのか。これで北の国アシェッタが流れくるようになるぞ!"

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XENO公国 No.104

XENO公国 No.104

0104〜五英傑"なるほどダルクが選んだだけのことはあるね。いい顔つきをしているよ。名前はなんというんだい?"
マコトは言った。
"はい。私はタケシです。選ばれて光栄であります"
"ナギサといいます。マコト卿のご高名は良く存じております"
"コイツはヤモリです。声を発せられないのか話はしないようです"
ダルクがヤモリを紹介した。
"あ、あのコジロウといいます。ボクがどうして選ばれたのか、よく分から

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XENO公国 No.103

XENO公国 No.103

0103〜五英傑ダルクは兵士になろうと決めていた。元来声が大きく小規模の地区会長レベルで仕切っていたこともあった。城にお呼びがかかった時も連行されずに自ら城に赴いたことがマコトの目に止まり今の兵士長に抜擢されたのだ。
"キミはなぜ自分の意思でここにやってきたのだ?鉱山での苦行は街中のウワサになっていると思うがどうしてだ?"
"私は兵士になりたいのです!"
"ボクは元々兵士だったよ。今のスピードを手

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XENO公国 No.102

XENO公国 No.102

0102〜五英傑ナギサは末っ子だった分、ある程度は自由がきいていたのかもしれない。剣の修行にとらわれることなく、自分の力で相手を屈服させる方法を模索できた。その結果が身が軽いことと合気道に邁進させていた。
"ナギサよ。皇帝からカードが授けられるぞ!何を望みだ?"
ダルクは言った。
私が女である以上、乙女を選ぶに決まってるじゃない!それで、何の使命があるのかしら?"
ナギサはぶっきらぼうに言った。

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XENO公国 No.101

XENO公国 No.101

0101〜五英傑えい、ヤーとばかり退屈な剣さばきが行われている中で一人の兵士は剣を構えずに立ち尽くしていた。
"なんだ?お前は闘う気があるのか!"
"剣で闘うことが目的じゃないです!どうぞかかってきて下さい"
女兵士は言った。
"なにを!"
数人の兵士が彼女に襲いかかった途端、彼女は跳躍し兵士をひっくり返した。
"まず一人"
彼女の名前はナギサといった。
別の場所では剣を無造作に振り回している兵士

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XENO公国 No.100

XENO公国 No.100

0100〜五英傑"大貴族様のお目見えだ!一同、ひかえよ!"
兵士隊の隊長ダルクが怒鳴った。
兵士たちは隊列を組んで高台に現すマコトに向かって一礼している。
"兵士たちよ!日々の務めご苦労だ。諸君がこの城内から城下町全域を警護することによって、この国の平和が保たれているのだ!まもなくこの国は未曾有の闘いの場になることになる。その時の諸君一人一人の覚悟が問われるのだ。しっかり精を出して職務に取り組むよ

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XENO公国 No.99

XENO公国 No.99

0099〜サキの願い"そなたの望みはなんだ?マコト卿よ"
"はい。西の国オーダイルを支配下に治めて陛下の支配力をXENO公国に轟かせることにございます"
"フッフッフ。そなたも変わった者よのう。余と交わった際には両親と家族が暮らせればよいと意気込んできたのが昨日のようじゃ"
"いえ、陛下の深い配慮も知らず自分だけの事だけで精一杯だっただけのこと。御用がお済みでしたら、まだやることがありますので失礼

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XENO公国 No.98

XENO公国 No.98

0098〜変身ヒカルは三の橋に着いた。今までいた門番はいなくなり自由に行き来できるようになっていた。
"ふう、アレッサたちはどこかな。ミジェラとかでっかいから見つかりやすいと思ったんだけどいないな"
辺りを見まわしたがミジェラの姿がない。
"おい、ヒカル。どうしたんだ?"
突然ミジェラの声がした。
"えっ?どこ?"
"おおっ、ゴメン。後ろだよ"
振り向くと見知らぬ男女がいた。
"変身の効果を使って

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XENO公国 No.97

XENO公国 No.97

0097〜残された少年たちアレッポとヒカルはバーの中にいた。
"なんだよ!留守番って。ボクたちだってやれることがあるはずだよ。アレッサ姉さんなんか大貴族様に会いに行ったんだよ!ボクだって行きたいよ。そうだろヒカル"
"でも、アレッサの闘い見たろ。あのミジェラを翻弄してやっつけてんだそ!どんな技使ったらあんなんなるんだよ!弟のお前になにができるんだよ?"
"まぁ、見てなよ。夜な夜な姉さんが地下に入っ

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XENO公国 No.96

XENO公国 No.96

0096〜ミジェラと乙女"アレッサのアネゴ、これから爺さんに会いにいくからついて来ておくれ"
ミジェラは言った。
"ええっ?アネゴじゃヤだよ。アレッサでいいわよ"
"それじゃあ、おでの気がおさまらねぇよ。なんたってチカラで敵わなかったんだ。親分"
"だから、親分も嫌。う〜ん、そうね。姫さまとかそういうのにして!"
"わかったぞ。姫さん"
"う〜ん、まぁいいっか"
こんなやりとりをしながら二人は精霊

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XENO公国 No.95

XENO公国 No.95

0095〜ミジェラと乙女"おじさん!ちょっとまってて"
ヒカルは町外れの小さなバーに入っていった。
看板には占いも兼ねているようだった?
しばらくするとヒカルは男の子と一緒に出てきてミジェラを見上げた。
"わぁ、おっきいなぁ"
"だろ。この人が助けてくれたんだよ"
"お姉ちゃーん。言ってた人来たよ"
女の人が出てきた。なるほど風貌は美しくカードの占い師の面影があった。
"こんにちは"
"お、おでは

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