見出し画像

XENO公国 No.97

0097〜残された少年たち

アレッポとヒカルはバーの中にいた。
"なんだよ!留守番って。ボクたちだってやれることがあるはずだよ。アレッサ姉さんなんか大貴族様に会いに行ったんだよ!ボクだって行きたいよ。そうだろヒカル"
"でも、アレッサの闘い見たろ。あのミジェラを翻弄してやっつけてんだそ!どんな技使ったらあんなんなるんだよ!弟のお前になにができるんだよ?"
"まぁ、見てなよ。夜な夜な姉さんが地下に入っていったんだ。こっちだよ"
ヒカルはアレッポについてゆくと、バーカウンターの下にカラクリがあって床の一部が開けられた。
"おおっ!スゲ〜"
"こっちだよ"
アレッポは床の下の階段を降りていった。
床下3メートルほど降りたところに部屋があり、そこに様々なゼクノライトが飾ってあったのだ。
"これ何だと思う?" アレッポは言った。
"石っぽいな" そう言ってヒカルは石を持つと、
"きれいな石だね" とつぶやいた。
"これを試しに自分のカードに当ててみたんだよ。そうしてできたのがコレさ"
アレッポがヒカルに見せたのは貴族のカードだった。
"こ、コレって、貴族様のカードじゃないか!"
"そうだよ。ボクのカードはもともと少年だったんだよ。それがね、この銀色の石を当てたらこうなったのさ。スゴいだろ!"
"えっ、ボクのカードも貴族にならないかな?"
"そうだね。二人の貴族があれば闘えるもんね"
アレッポはそう言うと銀のゼクノライトをヒカルに渡した。
"どれっ、・・・あ、あれ?変わらないよ"
ヒカルのカードは変わらず少年のままだった。
"ホントだ。ボクのカードで変えてしまったからもうダメなのかな?じゃあココから好きな石を選んでよ!"
"分かった。どれにしようかな"
見ると一際目についた透明の石に手を伸ばしていた。
"あ、あれ?こんな石あったかな?"
先ほどまでには気づかなかったが透明なゼクノライトをヒカルは見つけた。手に取ると少しヒンヤリとしていてなめらかだった。
ためしに自分の少年のカードを当てると声がした気がした。
"この石をマコトに渡すのです!"
"な、なんだって?アレッポ聞こえたか?"
"えっ?なにが?"
"この石をマコトに渡せって聞こえたけど、一体なんなんだ?"
"ちょっと貸してみて"
アレッポが透明のゼクノライトを手にしたが、何も声は聞こえなかった。
"ふうん。つまりこの石を大貴族様に届ければいいんだな"
ヒカルが言った。
"じゃあ、行ってみないか?城に"
アレッポは誘ってみた。
"お前はここで留守番だよ。アレッサさんも言ってたろ。帰るところが必要なんだ!"
"分かったよ。気をつけてな。コレやるよ"
ヒカルはアレッポから貴族のカードをもらった。
"じゃあ、コレを大貴族様に渡してくるわ"
こうして、ミジェラとアレッサから少し遅れてヒカルは旅立っていった。

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!