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XENO公国 No.106

0106〜飛翼のカード

三人は鬼山に着いた。
"初めての旅でここにきたのよね。あの時はお父さんとお母さんを連れ戻したい一心で来たけど、今となったらなんだか懐かしいわ。あ、あれっ!あの建物に鬼が住んでいたのよ"
"なんだか様子が変だね。誰もいないはずなのに気配がするよ"
マヒルは飛翼の杖を使って空からも探してみた。
"あっ!"
マヒルが言うと、何かが建物から逃げ出した。
しかしマヒルは上から見ているので空を旋回してからの急降下でソレを捕まえた。
"離せ!離しておくれよ!"
"えっ!キミは鬼なの?"
後からマナカとヤギリがマヒルのところに来ると、確かに鬼だった。そして男の子っぽかった。
"恐がることないわ。なにしているの?"
"お、オレ北の国から来た鬼族だ。ここに住んでいた二人の男を探しにきたんだ"
"えっ?もういないよ。死んでしまったから"
"な、なんだって!"
"あなた、あの鬼の男たちとどういう関係なのよ!"
"あんなに強かったデンとダンがやられたのか!まさかお前たちが殺したんじゃないだろうな!"
"そうだよ。ボクたちがやったよ。もらったカードでね。でもあの鬼たちにボクたちの両親をさらわれたんだ!今だって憎い"
"いや、オレはあの二人を倒すためにここまでやっと来たんだ。正直ほっとしたよ"
"ねぇ、あの二人の鬼はなんだったのよ!"
"ああ、そうだね。アイツらは人さらいを生業としている強盗だよ。オレの両親も北の国の城に連れて行かれてる。でもやっつけたとなれば、もうこっちはいいや。また北へ帰るよ"
"キミ一人で竜の祠を通って来たのかい?"
"まさか、あの竜は倒せない。コイツを使うのさ"
その小鬼が持っていたのは飛翼のカードだった。
"祠から祠への移動だったらコレでできるのさ"
"へぇ〜。小鬼くんそれってどうやって作るの?"
ヤギリが聞いた。
"オレはワカだ。このカードだったらあげるよ。アイツらを倒してくれたからね。このカード自体だったらまだあるから大丈夫。じゃあ、もうここに用事はないから帰る。じゃあな"
そう言うと、ワカは飛翼のカードを天にかざした。
"アシェッタ第七の祠へ!"
するとワカは姿を消した。

#XENO公国

西野亮廣さんのモノマネみたいに夢が広がってゆけばいいなと信じてやってゆくよ!