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北欧の博物館でのノンストレスレビュー体験

こんにちは。福岡のデザイナー、吉岡ヤスです。

僕が学生時代フィンランド、ヘルシンキで出会ったUXデザインについて書こうと思います。

企画展やイベントの運営者の方、レビューやフィードバックのもらい方で困っている方に読んでいただければと思います。

僕が"素敵なUXデザイン"に出会ったのは、ヘルシンキで多くの雑貨屋さんや美術館・博物館を回った中の1つであるデザイン博物館です。

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まず、デザイン博物館の入場チケットが他とは違いました。

僕はよく美術館・博物館に行きますが、チケットはほとんどの場合、紙のチケットです。

展示会毎、部屋が変わる度に、財布やポケットからチケットを取り出してスタッフに提示するのがいつものパターンです。

一方、デザイン博物館では紙の入場チケットは渡されず、扇型のシールを服に貼り付けて入場する仕様になっていました。

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これなら、財布に入れてもう一度出したり、どこにしまったかわからなくなったりしないなぁ。と感心しながら入場。

弱点があるとすれば、シールを服に貼りたくない人がいる場合や、フワッフワの毛だらけの素材とかでシールがすぐに剥がれてしまう場合等が考えられます。
そういう場合には、首から下げれるチケットや腕につけるブレスレットタイプの入場チケットでもいいかもしれません。

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博物館内はスムーズに流れるような誘導がされており、
逆走する等、よほどのことがないと迷わないだろうな。というような導線が引かれていました。

そして博物館を出る時に僕が最も感動したデザインが現れました。

それがこちら↓

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レビューの壁です。

入場シールを壁に貼って、博物館の4段階評価ができるような工夫がされており、博物館の素敵なゴールになっていました。

このレビューの壁って一石三鳥なんです!!

・シールを捨てるゴミ箱がいらない
・企画展毎のレビューをごく自然に受け取ることができる
・楽しい

言語がわからなくても、この顔文字さえあればレビューだと感じ取ることができます。

実際にレビューの壁を用意するときには、あらかじめシールを何枚か貼っておいたほうがいいと思います。
前述した首掛け型のチケットだとこの仕組みは適応できなさそう...
→ユーザーがチケットを持って帰ってしまうため。

ブレスレット型のチケットだと同じような体験はデザインできそう。
→ブレスレットを外して捨てるゴミ箱にレビューの顔を貼っておく等

このノンストレスでレビューを受け取れる仕組みは、いいUXデザインの一例だと思います。

少なくとも僕が日本で様々な博物館・美術館の展覧会に行ったときには、出会ったことがないです。
そもそもチケットやレビューの部分にあまり重きをおいていない展覧会が多いような気がします。

※最近、六本木の森美術館にレビュー入力用のipadがおいてありました。
皆さん無視して帰ってしまっていましたが...。

展示物そのものをきれいに見せるのはもちろんですが、
その他のユーザー体験に目を向け、今までの"当たり前"を壊していく力がデザインにはあると思います。

今回のシールチケットの体験では、展示というものをより客観的に捉え、ユーザー体験をデザインしている背景が感じ取れて、非常に良い経験になりました。

デザインの力でより精度の高いレビューをノンストレスで受け取れる仕組みや、無意識にそれを引き出すようなことができれば、あらゆる場面で応用が効くと思います。

WEBサービスでも応用が効かないか、ぐるぐる頭を回しています。

noteは、ファン?ユーザー?を巻き込んで、レビューがTwitterやnote上で飛びかう空気を作っていて、すごいなといつも思います。

ユーザーに寄り添い、最速でより良いUXを届ける。
そんな優しいデザインができるデザイナーになろうと思います。

【おまけ】
デザイン博物館の展示物やショップに置いてあるグッズ、プロダクトはとても素敵なものばかりで、感激しました。

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また、館内のマップもおしゃれでかわいい。

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フォントも建物のアイコンもかわいい。
この木の木目をそのままマップに使ってしまうところもいいですね。

海に船を浮かばせたり、潜水艦?やアザラシの頭が顔を出しているところなんかは遊び心があって素敵です!

ピクトグラムもとても洗練された印象で博物館に馴染んでいました。

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以上です。

ご意見、ご感想等コメントいただければ幸いです!

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最後までお読みいただきありがとうございます。サポートしていただければ、福岡でのデザイナーコミュニティの形成やデザインの勉強に使い、noteにアウトプットしようと思います!