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早くも自立を促進へ

足元中国経済は、不動産バブルの整理?に加えて、ゼロコロナ対策により、上海や北京など過酷なロックダウン・それに伴う経済減速が見られている。

その影響は物流にも大きく表れており、サプライチェーンの崩壊・インフレ助長という流れへ進んでいることにも

中国・上海市の都市封鎖(ロックダウン)が1カ月を超え、海上コンテナ物流の正常化が一段と遠のいている。上海の沖合では入港できず、待機中の船舶が一時最大で約120隻に及び、通常の約2倍まで増えた。今後、都市封鎖が解除されると、滞留していた貨物が一気に動き出し各地の港湾で混雑が予想される。上海港は世界の港湾別コンテナ取扱量で首位で、東京港の9倍以上の規模を誇る。コンテナ船業界の関係者によると、上海で3月末から続く都市封鎖の影響で、4月20日時点で上海港の沖合で待機する船は約120隻と、10日間で約2割増加した。…さらに都市封鎖解除後の混乱も想定される。操業の遅れを取り戻そうと、メーカー各社が一斉に挽回生産すれば、荷動きは急増する。

日経電子版

そんな中、中国政府は早くも資金の貸し付け先から回収を促し、貸付先の早期自立を促している模様。実体はそんなにきれいな事ではないでしょうが、既に資金を介在した、中国とその他の国々の綱引きが大きく動き始めた模様。

スリランカ政府は4月中旬、国際通貨基金(IMF)に緊急融資を要請した。外貨の資金繰りに苦しむ同国はすでに対外債務の支払いを一時停止すると表明しており、1948年に独立して以来初めて事実上の債務不履行(デフォルト)に陥っている。その一因として、中国が貸し出しに慎重な姿勢に転じたことが指摘されている。…中国とスリランカといえば「債務の罠(わな)」という言葉を思い浮かべる人も多かろう。スリランカ政府が中国マネーに頼って建設した南部のハンバントタ港をめぐる経緯である。…そんな中国が今回はスリランカ向け融資に慎重な構えを見せているのはなぜか。理由はいろいろと取り沙汰されている。…スリランカに限らず、中国が対外融資全般を絞り込みつつある、との見方も強い。

日経電子版

中国政府は急速に進む高齢化社会に向けて、既に国民個人での私的年金制度を策定するとも報じられている。中国国家として、人口動態も含めて、高齢者を支え切れずに、自分自身で金融面を養ってください、というアメリカに近いスタイルへ移行しているとも取れるだろう。

サラリーマンらが強制加入する公的年金は、事業主と従業員が一定の拠出額を出す。一方の私的年金は個人だけで積み立てる。商業銀行などで口座を開設し、銀行の理財商品や年金保険、公的ファンドに投資できる。公的年金の受け取り年齢に達した段階で、私的年金も受け取れる。一括で受給するか月々に分けるかは一度決めたら変えられない。死亡後は財産として相続できる。…2021年の1人当たり可処分所得は3万5128元だった。年1万2000元の上限額まで積み立てる人は都市部の富裕層など一部に限られそうだ。政府は経済や年金の状況に応じて上限額を調整する。中国の年金制度は、公的年金に過度に依存してきた。都市部で働く会社員や公務員が強制加入するものと、都市部の非就業者や農民が任意で入るものと2種類ある。計10億人をカバーしている。

日経電子版

『自立』というと、良い意味で取られるかもしれないが、もう一方では中国という国家が、14億を含めた人々を支えきれなくなっているようにも見える。故に他国に貸付していた資金を回収や負担となる年金を公的から私的にシフトするなど、不動産バブル崩壊やゼロコロナ対策による、体制の現状維持コストを、中国の市民が払うようになっている、とも捉えられる。

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