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忍耐と時、この二人の戦士ほど強いものはないのだよ

“忍耐と時、この二人の戦士ほど強いものはないのだよ”

これは、トルストイの『戦争と平和』に出てくるクトゥーゾフ将軍の言葉です。

1812年、大陸封鎖令に従わないロシアに対して、フランス皇帝ナポレオン1世は64万人の大軍を率いて敵地に攻め入ります。一方、連戦連敗でひたすら退却を続けるクトゥーゾフ将軍は、ついにモスクワを放棄してまたも退却。しかも、その愛する街に自ら火を放って・・・。

このあとのロシアによるドラマチックな大逆転と大勝利、そこから得られる躍動感については、文庫本6巻からなる大作に譲ることとします。

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で世の中が途方もなく揺れ動くこととなり、また本校もその例にもれず、荒波の中の航海を余儀なくされました。新年度開始直後の臨時休業やさまざまな学校行事の延期と中止はもちろん、PTA諸行事も中止、縮小または変則的な実施とせざるを得ませんでした。

しかし、その一方で、オンラインを活用した新しい授業への挑戦や連絡体制の確立など、予想しなかった副産物も生まれてきています。

中でも、新しいスタイルの文化祭では、生徒が主体性を発揮し、タブレットを活用した斬新なアトラクションを企画するなど、各クラスによる創意工夫あるさまざまな取組がみられ、保護者のみなさまからも「例年になく子どもたちが生き生きしている」という声をいただくことができました。

PTA行事においても、進路講演会のオンデマンド配信が実現し、講演に参加できなかった方々にもご覧いただくことができました。

これまでは当たり前だと考え、疑うことなく行ってきた取組が、コロナ禍という荒波の中で見直され、アップデートされてゆく。まさに、歴史が動く只中に、私たちは居合わせています。

今、本校では「ポストコロナの授業デザイン」と銘打ち、さらなる学校の魅力化と教育活動の充実を図ろうとしています。

“忍耐と時”を味方にし、歴史が動く只中だからこその清明らしいしかけづくりを、今後も進めて参ります。

末筆ながら、1年間、PTA活動にご尽力を賜りましたPTA本部役員、各委員のみなさまに心よりお礼申し上げますとともに、保護者のみなさまのご健勝を祈念いたします。

京都府立清明高等学校PTA会報『想』Vol.13 より


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