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起業・開業する前に知っておきたいデザインの準備⑤ 最終回

それでもまだブランディングなんてウチにはまだまだ・・・。と思っておられる方。

もっとも分かりやすいブランディングの事例をお伝えします。

あなたのお店は営業時間を決めていますか?店休日は?
あなたのお店でなくとも、贔屓にしているお店や取引先など、営業日や営業時間が決まっていますよね?

もっと言うと、街に昔からある喫茶店でもいいです。営業時間が決まっていますよね?

これ、実はブランディングの一つなんです。

はぁ?と思われるかも知れませんが、「あの喫茶店は火曜日以外のAM7:00〜PM5:00まで必ず開いている」。

これはお客さまに対する約束なんです。

何気なく毎日決まった時間に開店して閉店する。でも絶対に木曜日のPM3:00には開いているという約束。安心感。誰かにとっては毎週その時間に決まって行く店かも知れません。つまりはブランディングとは、

顧客に対する約束

もっと言うと、

全てのステークホルダーに対する約束

なんですね。
この軸がブレるとどうなるか。いつ開いているか分からないお店って行きにくい=購入しにくいですよね?

分かりやすい事例で言うと、吉野家のブランドステートメントはご存知でしょうか?サイトなどで正式には記されていませんが、誰もが聞いたことのあるこれではないでしょうか。

吉野家はどんな苦境にあってもこれを守り抜いています。もし、高級路線に舵を切って一杯2,000円の牛丼にして店舗もラグジュアリーになったらどうなるでしょうか?言わずもがなです。

一時期、マクドナルドが高級・上質路線に走ったことがありますが見事に失敗。そこに異物混入事件が追い打ちをかけて瀕死の状態になりましたが、元の路線に戻して見事復活しています。企業の利益(大切ですが)を優先して「お客さまに対する約束」を反故にした結果だと思います。

このようにブランドや経営の軸を定めて守り抜くというのはとても大切な事です。そしてそれをCIやVIという目に見えるカタチにして伝えなければなりません。

ブランディングやマーケティングはとても奥が深くて語りだせばキリがないものですし、人によって解釈も違ったりします。一度定めてしまえばOKというものでもありません。

特にお店があなた一人ではなく数人、数十人と増えた時に明文化されたブランドステートメントやCI/VIが有ると無いとではお店の成長は随分と違うものになります。

安価な費用できるものではありませんが、それでお店はどれだけ儲ける事ができるでしょう?どれだけ利益が増えるでしょう?

営業時間を決めるのに何もデザイン事務所やブランディングの会社へオーダーする事はないと思いますが、一度しっかりと考えてみてはいかがですか?

簡単ですが「起業・開業する前に知っておきたいデザインの準備」シリーズはこれで終わりにしたいと思います。


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