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イノベーションの開発プロセス ステップ4 提供物の実装から5 市場展開まで〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

第18章 新しい市場提供物の開発の5回目です。

イノベーション開発プロセスについての記事はこちらです。

ステップ1 アイデアの創出はこちら
ステップ2 コンセプト開発はこちら
ステップ3 ビジネスモデル設計はこちら

今回は、ステップ4 提供物の実装、そして、ステップ5  市場展開です。

提供物の実装

いよいよコンセプトを現実化させるための最終準備が提供物の実装です。
具体的には、中核資源の開発市場提供物の開発の2つを行います。

中核資源の開発
ビジネスモデルを実現するための資源の確保を行います。
経営資源といえば、ヒト、モノ、カネです。
必要な技術をもった従業員、供給と販売のチャネル、設備、資本アクセスなどの準備をします。
その際に、重要なのは、資源を獲得するのか、アウトソーシングするのかの選択ををすることです。
アウトソーシングもさまざまな形態で行われていますので、リスクを考慮入れて他社の協力を得るオプションを検討するのが良いでしょう。

市場提供物の開発

試作品から実際に市場に流通させる製品へ作り上げていきます。
市場展開する際にはテストマーケティングを行います。
市場に投入した際に修正が必要になることに備えて、市場全体を代表するような地域を選んで先に反応を見るのです。
日本では、静岡県が人口統計的にも日本市場全体を表していて、市場規模も大きすぎずコストも適切、ということでテスト市場によく利用されると聞いたことがあります。
グローバル企業では、消費財メーカーは韓国の消費者の要求が厳しいが公平という理由でよくテストに利用されるそうです。

市場展開

いよいよ商業化に至ります。市場展開もいきなりターゲット市場全体で開始せずに徐々に広げていく選択的市場展開を取るケースがあります。
オンライン販売ではすぐに全国をターゲットにできますが、店舗販売は流通チャネルが届く範囲から始めていくという選択もあると思います。
もっとも買ってくれそうなターゲット顧客に最初に届くように努めることに努力すべきです。

まとめ

市場へ展開するためのステップ4、ステップ5にまとめて言えることは、じっくりと徐々に拡大させて行くことです。
大企業ですでに活用できる経営資源が豊富にあり市場への知見も豊富というケースは例外です。そういった企業は革新的な製品をいきなり投入して市場全体のインパクトを見ながら改善、修正を加えていくことが可能です。
それ以外の企業にとっては段階的なステップを踏むことになります。その際にはエリアの選択や初期段階でどこまでの範囲にするのか、など頭を悩ますと思います。
いづれにしろ、市場展開はチャレンジングでリスクを伴います。できるだけ有意義なテストマーケティングを積み重ねて展開していくことになるでしょう。

イノベーション開発については今回で最終です。次回から第19章顧客ロイヤルティに入ります。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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