イノベーションの開発プロセス ステップ1 アイデアの創出~マーケティングマネジメント第16版を読む
第18章 新しい市場提供物の開発の2回目です。
前回はイノベーション開発プロセスについてでした(記事はこちら)。
今回から各ステップの詳細に入ります。ステップ1はアイデアの創出です。
イノベーティブな商品の開発はまずアイデアを生み出すところから始まります。アイデアを生み出すアプローチにはトップダウン型とボトムアップ型があります。
トップダウン型アイデア創出
トップダウン型とは、市場主導型ともいい、市場ニーズを起点としたアイデアの創出を指します。
まだ、満たされていないニーズを見つけ出して競合他社よりも優れた提供物を市場に提供することを目指します。
ボトムアップ型アイデア創出
まずタネがあってそれに未充足のニーズを当てはめていくのがボトムアップ型です。
スリーエムのポストイットは、最初、粘着力の強いノリを開発した際の失敗作から生まれたそうです。発明のタネから始まるボトムアップ型のアイデア創出はいかに市場のニーズとマッチングさせるかが重要でしょう。気づかなければ大ヒットが生まれることはないですから。
トップダウン型、ボトムアップ型のどちらがいいのか?
理想としては、”トップダウン型のほうがアイデア創出の点では望ましいと言える”と言われています。
でも、ポストイットのようにボトムアップ型でも多くのイノベーションが起きているのも事実です。
良い肥えた土地があって、そこの気候にあった植物のタネを植えるのと、良いタネがあって、そのタネを育てるのに適した土地を探し耕して植えること。どっちが理想的というのはないように思います。
どちらも生み出すという点では知力と労力が必要ですし、どちらのアプローチも必要だと思います。
アイデア創出と検証のための市場調査
アイデアを生み出し検証するために市場調査を行うことが有効です。手段としては以下のような手段があります。
顧客の観察:オンライントとオフラインの行動観察
顧客へのインタビュー:本当に何が欲しいかを消費者は知らないことが多い
従業員へのインタビュー:部門の壁にとらわす誰でもアイデアを出せる環境
専門家へのインタビュー:自社の枠を飛び出したオープンイノベーション
競合分析:顧客は他社の製品のどこが好きでどこが嫌いなのかを分析
クラウドソーシング:外部の人間に新製品開発プロセスに関与してもらう
それぞれの手法には長所と短所があり、上記のアプローチをいくつか組み合わせて実施することがおすすめです。
まとめ
アイデア創出の2つのアプローチと検証のための市場調査の手段について説明しました。社内でネガティブな反応にあってアイデアが却下されてしまうことがあります。アイデアはなんでも実行すれば良いというものではないですし取捨選択は必要です。だからこそ、市場ニーズに対応できるのかと、企業に利益をもたらすのか(実行可能性)の見極めが重要になってきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?