「リキッド消費」を顧客(ファン)獲得の入り口と捉えよう
リキッド消費とは、物質的な所有ではなく、一時的な利用や体験に重きを置く消費スタイルのことをいいます。
たとえば、シェアリングやサブスクリプションなどの利用権のようなアクセスベースのビジネスモデルがあげられます。
経験価値に重きを置いたコト消費や環境問題への意識の高まりとも強いつながりがあります。
リキッド消費についてはこちらにまとめています。
リキッド消費は、タイパを重視するZ世代の消費スタイルとされています。
一方で、Z世代を中心にして「推し活」も特徴的な消費スタイルとされます。
推し活は、ファンになって「推し」対象に関連する商品やイベントなどにたくさんのお金や時間を費やすことです。
次から次へとブランドを遷移するリキッド消費と推し活は対極にあるようにも見えます。しかし、この2つの消費スタイルは表裏一体にあると考えます。
「本当に好きなものに囲まれていたい。そして、応援もしたい。」
これが「推し活」型の思考様式です。そして、これを逆にして読むとこうなります。
「どっちでもいいのはモノとして持っていなっくてもいい。必要な時だけ使いたい。」
クルマを例に考えてみましょう。少し前の常識なら一般家庭において自家用車は中流家庭をアピールする上での必要資産のようなものでした。
ところが、最近では駅前や自宅近くなどいろんなところにカーシェアリングがあり維持費のかかる自家用車なんて無駄と考える人が増えています。
かといって、このような思考の人たちがすべてにおいて「持たない」ことを志向していると考えるのはいささか短絡的かもしれません。
自分が好きなもの(いわゆる”推し”のもの)はたくさん持っていたいと思います。
最近は少しブームが冷めたようですが、スニーカーが幅広い世代でコレクションアイテムになっていたことからも、好きなものに対する収集、所有は人間の本質的欲求と言っても過言ではないでしょう。
そう考えると「リキッド消費」は、商品と顧客の最初の接点の一つに過ぎないということになります。
商品やサービスをいきなり購入するのではなく利用し経験してもらう(他のブランドも経験する)。そして、本当に良いと確信してもらい好きになってもらった上で所有してもらう。
「リキッド消費」という顧客接点を有効活用が将来の自社ブランドのファン育成の鍵となるかもしれませんね。
自社のマーケティング活動にリキッド消費の要素を組み込んでみませんか?
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