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韓国コスメのシェア獲得にみるSNSマーケティングの効果

日本経済新聞(6月25日付)「値札の経済学」の記事では、韓国コスメが日本市場で成功を収めている背景が取り上げられています。私の家族のZ世代を見て感じるのは、彼らの価値観で私たちの世代と異なる点がこの韓国コスメによく表れています。若い世代は品質を重視しないわけではありませんが、日本の品質への信奉がそれほど強くありません。そして、SNSを通してインフルエンサーの影響を受けやすくなっています。これが、韓国コスメがSNSやインフルエンサーマーケティングを活用して成功を収める要因となっています。以下に、記事の内容をまとめつつ、マーケティングにおける主なポイントを挙げたいと思います。

韓国コスメの台頭

韓国の化粧品ブランドが日本市場で存在感を高めています。2024年5月の日経POSランキングでは、国内ブランドが主に占める中で、ティルティルミシャといった韓国ブランドが上位にランクインしています。これらのブランドは多くが同じ工場で生産されておりスケールメリットを獲得しています。つまり、低コストで安定的な品質の製品を生産することができています。

インフルエンサーマーケティングの影響

韓国コスメの成功の一因は、SNSを介したインフルエンサーマーケティングの巧みな活用です。美容系ユーチューバーやインフルエンサーが韓国コスメを紹介することで、若年層の消費者に強い影響を与えています。SNSで話題となった製品は、短期間で売り上げが急増する傾向があります。

Z世代の消費行動

Z世代は、SNSでの情報収集を日常的に行い、自分が信頼するインフルエンサーが推薦する商品を購入する傾向があります。従来、日本では有名人のテレビCMによるイメージ作りに大きなコストをかけてプロモーションを行ってきましたが、Z世代にはこのような手法が効果を持たなくなっています。ミシャジャパンの社長は、「消費者は(ブランドや商品が)本当に好きで紹介しているインフルエンサーを信頼する」と述べており、テレビCMの世界ではないリアルな影響力の高さを認識しています。

日本メーカーの対抗戦略

韓国コスメの進出により、日本市場のファンデーションの平均価格は5年前に比べて1割下落しています。この状況下で、日本メーカーも対抗策を講じています。例えば、資生堂は美容液とファンデーションを組み合わせた「ファンデ美容液」を提案し、単価を上げる戦略を採っています。

まとめ

韓国コスメが日本市場で成功を収めた要因は、SNSを介したインフルエンサーマーケティングにあると言えます。SNSの威力が市場の壁を突き破ったと言えるでしょう。このマーケティング手法は、化粧品業界だけでなく、他の業界にも実現されています。特に若年層へのアプローチ方法や価格競争の中での差別化戦略は、今後のマーケティング活動において重要な役割を果たすことでしょう。

今後も、韓国コスメの動向やSNSマーケティングの効果について注目していきたいと思います。

#日経COMEMO #NIKKEI

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