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オニツカタイガー飛躍のマーケティング戦略について

アシックスの業績が好調で、2期連続で最高益を達成しました。特に注目すべきは、高価格帯のブランド戦略が功を奏し、日常使いの「スポーツスタイル」や「オニツカタイガー」がインバウンド需要を取り込みました。日本での売上は前年比2倍の162億円に達し、グローバルではQ2で438億円(前年同期比55%増)を記録。当該カテゴリーの利益率は38%と、高収益ブランドへと成長しています。

ハーバードビジネスレビュー8月号に掲載されたオニツカタイガーのカンパニー長、庄田亮二氏のインタビューでは、その成功要因が3つにまとめられています。「アシックスブランドからの独立」、「卸販売からの脱却」、「Z世代・ミレニアル世代をターゲットにしたマーケティング」です。

アシックスブランドからの独立

アシックスといえば、高機能のスポーツシューズというイメージが強い中、オニツカタイガーはファッション性を重視したブランドです。しかし、かつてはアシックスのサブブランドとして認識され、2009年ごろには売上が低迷していました。庄田氏は、オニツカタイガーをアシックスブランドから独立させ、創業者の志に立ち返ってブランドを再解釈し、その世界観を表現する戦略を採りました。まず、ブランドに関わる社員はオニツカタイガーの靴を履くことを徹底するなど、意識改革を行い、次の成功要因につながるアシックスの販売チャネルに頼らない独立性を確立しました。

卸販売からの脱却

庄田氏は、アシックスの既存の販路を使用せず、D2C(消費者直接取引)への転換を図りました。従来の販売店からの抵抗を受けつつも、表参道に旗艦店をオープン。ブランドの価値観に共感し、定価で購入する顧客をターゲットにすることで、現在では売上の9割をブランドストアで達成し、高利益を確保しています。

Z世代、ミレニアル世代をターゲットに設定

オニツカタイガーは、ビンテージブランドとして、Z世代やミレニアル世代をターゲットに設定しました。若者に支持されないブランドには未来がないという考えのもと、オニツカタイガーの世界観と価値を感じてもらうためのコミュニケーション戦略を展開しています。具体的には、デジタル疲れの若い世代に店舗での五感を刺激する(店舗で独自に調合した香りを提供するなど)、インフルエンサーマーケティングやSNS、オウンドメディアでの発信に力を入れています。

まとめ

私もオニツカタイガーは好きなブランドです。でも、最近はあまり履く機会がありませんでした。この記事を読んで、久々に履いてみたくなったので次回直営店に行ってみようと思います。日本発のブランドとして、オニツカタイガーの成功を応援しながら、今後のマーケティング戦略にも引き続き注目していきたいと思います。

参考文献:


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