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2020年10月のベストトラックス

10月のベストトラックスを振り返ってみます。アルバム単位ではなく「トラック」。曲単位のベストです。先月度は15曲。北アフリカ~北欧~ロシア~ペルシャ~アメリカ~...と世界中をめぐる音楽の旅をどうぞ。

各曲の解説とアルバムレビューへのリンクです。

1.Gnawa Beat (from Bab L'Bluz / Nayda!)

盆踊り的な感じもする楽器のメロディで始まる
ペンタトニックの反復、祭囃子のようなリズム
自然体なボーカルが入ってくる
女声のメインボーカルとコーラスが交互に合いの手のように
この辺りの攻勢も祭囃子に近い
ギターが単音の盆踊り的リフを奏でる
ところどころテンポアップしてトレモロ的なリフになる
ギターのリズムが変わり、ボーカルが合唱に
不思議な感じだが心地よい
グナワとあるが、どこだろう、アフリカかオセアニアか、ちょっと忘れた
ただ、中央アジアとは違う音楽ながらどこか懐かしい、日本のルーツミュージックに通じている
★★★★☆


2.How's the Heart? (from Nightwish / HUMAN. :II: NATURE.)

ケルティックなメロディでスタート、バグパイプがリフを奏でてバンドが支える
そこからドラム、ベース、キーボードとボーカルに
ゆがみがない中でテンションが効いたボーカルヴァースが展開する
初聴でも覚えやすいサビへ
サビからリフへ、バグパイプメロディー
ABBAのような美しいヴァースへ、女声
コーラスを経てヴァースへ、ハーモニーとギターの刻みが入り緊迫感が増す
メロディが良い
男声も入り重層的なハーモニーで終わり
★★★★☆


3.Small Toy Soldier (from Arida Vortex / Riders of Steel)

メロディアスなギターリフに琴のような古楽器っぽいメロディが乗る
ボーカルが入ってくる、クリアで力強いボーカル
正統派パワーメタル感、ギターは刻み
ブリッジでは掛け声が入る、プロダクションはいまいちだが曲構成はよくできている
コーラスではやや民族的なバッキング、中央アジアの影響を感じる
ヴァースはミドルテンポでじわじわ来る
ブリッジからBPM同じながらドラムの手数が倍になる
ボーカルの発声や歌いまわし、声質はうまい、適度にゆがんでいて心地よいが吐き捨てではない
サビが独独の味わいがある
ギターソロは少しクラシカル、ツインギターのようだ
バッキングは刻み、パワーメタル的
そこからギターリフパートへ、ドラムも手数が多い
そこからサビへ、この曲は良い
九宝あたりのモンゴル的なメロディの影響をサビだけは感じる
★★★★☆


4.Mask (from Finntroll / VREDESVÄVD)

間髪入れずに次の曲、これも早め
バイキングリズムで高速、進軍だろうか
ここまで速い曲が続くと笑ってしまう
テンションがずっと下がらない、かといって曲ごとに表情は違う
似たようなメロディなのに不思議だ
これもバイキング的なメロディが出てくる
その後、新鮮味のある少しうねるような、オリエンタルまではいかないがねじれたメロディが出る
元のモチーフに戻り、キーボードが緊迫感のあるメロディを奏でる
再びボーカルが入り、リズムパターンが変化する
少しひっかかりのあるリズムのパートを抜けて開放感あるメロディと共に疾走パートへ
くるくる回るような循環メロディで終わり
★★★★☆


5.Precious Cup (from Mahsa Vahdat / Enlighten the Night)

ピアノが前面に出て、ピアノとボーカル
微かに弦楽器がドローン音を奏でる、バイオリンのように弓で弾くタイプの楽器のようだ
上昇していく、飛翔していくようなボーカルメロディ
残響音の深い、大きなものをたたいたような音が入る、大型の銅鑼だろうか
シンバルのような鐘の音が入る、手持ちの鉄製打楽器、鳴り物だろう
微かになっていた弦楽器が前面に出てくる
★★★★☆


6.Motorheadin' (from Raven / Metal City)

疾走、Overkill早送り版みたいなテンションの高さ
これは速くしたモーターヘッドだな
ゴチャゴチャバタバタしているがコーラスもカッコいい
あまり言葉がいらないタイプの音楽
速い、汚い、カッコいい
テンポは一定でずっと疾走していて、シンバルも適度に入っている
ギターベースは刻み、コーラスでコード展開
ドラムの手数多いなぁ
気持ちよく疾走して駆け抜ける
目新しさはないのだけれど陽気さと徹底した感じが突き抜けている
★★★★★


7.Scattering The Ashes (from Trivium / What The Dead Men Say)

入りからしてギターがメロディアス、後半になるにつれてどんどん煽情的なメロディーが出てくる
後半盛り上がるタイプのアルバムか
テンションが高くメロディーもメロウで美しい、欧州的
ベース、ドラムとボーカルだけでヴァースを少し流し、ギターが戻ってくる
ドラマ性がある、ベースだけになった部分は歌メロが際立ちポップさがある
アップテンポでギターはメロディアス
ドラムがさまざまなパターンをたたく
間奏で一休み
ボーカルに高音ハーモニー、そこからギターソロ
ツインリードで美しいメロディ
ヴァースが煽情的、コーラスもバッキングのギターがメロデス的
ルーツを感じるがどこのルーツだろう、カントリーか
★★★★★


8.On The Hook (from Lamb of God / Lamb of God)

スラッシュマナーの疾走曲、ジャーマンスラッシュ的な突進力
ギターリフとボーカルが絡み合う
スクリームがちょっと違う、スラッシュっぽい甲高いスクリームが入る
時々緩急をつけながらも基本は疾走し続ける
コーラスも男臭い叫び声で吐き捨て型のユニゾンコーラス
ところどころで曲が停止してはリフから再び疾走へ
サビで甲高いスクリームが入る、スラッシュオマージュなのだろうか
さっきの疾走曲と違いコーラスでハーモニー感はない、ハードコア由来のボーカルを感じさせる
ドラムの連打も今までの曲と変わらず大量にあるが音の粒が軽め
間奏はマシンガンリズムではヘヴィさが増す、ベースとのユニゾンが関係している
ベースも同じリズムで刻むとヘヴィに
どこか空間的な、コード感があるコーラスへ、デヴィンタウンゼント的というか
音圧も手数も多いのだが、和音感が強くアンビエント的な感じ
コーラスが終わり地響きのような間欠マシンガンリズムで終曲
★★★★☆


9.A Meditation upon Death (from Nonexist / Like The Fealess Hunter)

スラッシーなツービートでの疾走パートからスタート
ボーカルは吐き捨て型、アジテーション型
高速ハードコア、オールドスクールな感じがある
ブリッジでは北欧メロデス的なギターリフ、完璧にそっち系
ベース音、高音で反復音、展開したルートのベース音、反復音、という繰り返し
再びブラストパートへ
アジる感じが心地よい
疾走パートはカオス一歩手前ながら、整理されたパートはかなり美しい、このギャップが魅力か
テクニカルな展開を経て再びメロディックなギターリフのパートへ、テンポもチェンジする
けっこう強引な展開だが繋ぎはそれほど違和感なく、緩急として聞ける
一度上がりきってブレイク、無音を挟んでギターソロへ
ベタっとしすぎず、カラッとしながらもきちんとメロディパートもある
ところどころに出てくるハードロック的というか、マイケルシェンカー的なパートのカッコよさが映える
一歩間違えば混沌の疾走パートとの美醜の対比が効いている
★★★★☆


10.The Death of Me (from Harem Scarem / Change the World)

ちょっとグランジーなギターリフからスタート、ただ、ドラムとベースは歯切れ良い
ボーカルはテンションがかかったメロディだが不協和音感はない、クリーンで心地よい
コーラスは一瞬アカペラになりボーカルメロディが前面に出た後バンドイン
この緩急のつけ方はうまい、ボーカルのうまさ、声の魅力が出てくる
ブリッジからコーラスが耳に残る
明るく陽性なのだがマイナーの使い方が上手い、煽情的
ギターソロはがらっと雰囲気を変えて、音階は西欧的ながらオリエンタルな印象を持つ下から上がっていくメロディ
ツインリードで絡み、通常のソロへ
空気が変わったところで再びコーラス、声が入ってくる
再びコーラスへ
ギターリフは音の組み合わせ方に少しプログレ感がある
★★★★★


11.Windows (from Lionheart / The Reality of Miracles)

明るめのギターリフとリードギターのメロディからボーカルイン
こちらも楽し気に歌っている、ちょっと明るい歌の方がボーカルの魅力が活きる気がする
明るいサビ、産業ロックにしては陰りがあるが
ツインリードのメロディでリフというか短い間奏、気持ちいい
再びヴァースへ、ところどころベースがボーカルにユニゾンしたり、さりげない遊びが上手い
底抜けに明るめなサビへ、LAみたいな明るさではなく、北欧的というか欧州らしさはある
再びツインリードの短めの間奏からのギターソロ~ツインリード
ツインリードが楽しそう、笑顔な感じがする
ナイトレンジャーとかもこんな感じだったかもしれない
再び気が付けばサビへ、この曲はボーカルがイキイキしている
ツインリードでしっかり決めて終わり
★★★★☆


12.Don't Go Outside (from Poppy / I Disagree)

アコギのアルペジオから
そこにボーカルが入ってくる
やや不穏なギターのコード進行、メタルバラード的、アナイアレイターのフェニックスライジングとか
リズムが入ってくる、リズムは打ち込み色が強く何かをたたきつける機械的・金属的な音でけっこう刻みが細かい
コード進行は不穏なままで進む、面白いメロディーセンスだ
ややヘヴィなギターが入ってくるが、コード進行がRush的、アレックスライフソンのようなフレーズが入る
そこから曲が展開、別のメロディが入る、同じフレーズを繰り返す
Everything Will Be Okay、と言っているようだ
延々と繰り返す、そこから再びRush的なパートへ、というかRushオマージュかこれは
Farewell To Kingsとかあの頃のRushっぽい
ギターソロはけっこう弾き倒している
2曲目のI Disagreeのメロディが出てくる
コーラスが重なる、ポリフォニー、複数のメロディが展開していく
すべての歌メロが着地して大団円、遠くにケルティックなバグパイプの音が聞こえる
チーン、という鐘の音で終曲、死んだのか
★★★★☆


13.God and the Policeman (from The Flaming Lips / American Head)

ゲスト参加した歌、タイトルからして警官の黒人銃殺の歌だろうか
神と警察官があなたを見ている
車が止まるSE、何かの話し声
美しい和音だがどこか不安な響きのあるコード進行
ピアノと男声、女声で入れ替わる歌
ハミング
踊るベースがところどころで入る
交互に男女が歌い続ける
和音が安定していく、開放感のある和音でコーラスが終了
★★★★☆


14.Kung-Fu Chevre (from Igorrr / Spirituality and Distortion)

女性と男性ボーカルの混声アカペラからスタート
中央アジア~東欧のメロディ、東欧の色が強いか
ポルカ的なメロディへ、アコーディオンとバイオリン(フィドル)の演奏に
同じスピードで超高速ベース(たぶん打ち込み)が入る
そこに再び混声ボーカルが入り、高速ポルカが入って今度はスパイ映画、サーフインスト的なギターが
そこにオリエンタルなメロディが
そのままオリエンタルな男性ボーカル
そしてラップからの掛け声コーラス
凄い展開が早い、ポルカに一瞬なったかと思ったらメタルブラスト
ヤギの鳴き声から再びヘヴィポルカ、掛け声
ポルカというかコサックダンス?
そしてヘヴィパート、絶叫
ポルカリズムに女性ボーカル、女性のメロディは東欧的か
女性が西欧~東欧で、男声が東欧~中央アジアのメロディを歌うことが多いのだろうか
伝統音楽的なアコーディオンの音からレッチリ的な跳ねるベースのパートへ
そのままあかんべーしたような痙攣的なユニゾンで終曲
★★★★★


15.WE ARE CHAOS (from Marilyn Manson / WE ARE CHAOS)

アコギにベースと四つ打ちリズム
そこに中音域のボーカルが乗る、アリスクーパー的でもある
比較的オーソドックスなコード進行で開放感のあるメロディ
ロジャーウォーターズ的かもしれない
歌詞はなかなかダークな感じ、聞き取れる範囲だとサビは「私たちは病気、私たちは混沌」と言っている
アコギの質感といい、Animalsとか、ロジャーウォーターズ色が強いかも
歌メロはもっとメロディアス、ポップなフックがある
ダークな歌詞のわりに開放感がある、メジャーで、カノン進行のような王道のコード進行
これは魅力的な曲
ちょっとジギーのころのボウイ感もあるかも
★★★★☆


TIDALプレイリストはこちら、一部youtubeにない曲もあるのでこちらが完全版。

それでは良いミュージックライフを。

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