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夏にオススメ! 邦楽2023 Summer Playlist 20(78min)

世界で一番熱い(盛り上がっている)非英語圏音楽シーン=J-POP(Rock)。今日から8月、夏ですね。夏気分が盛り上がる邦楽2023のプレイリストを作ってみました。全て夏をテーマにした曲。

今回、選んでみて気づいたのですが意外と夏を歌った曲って少ないんですよね。季節感をはっきり書かない曲が多い。内面を歌ったり、場面が出てきても季節が明示されていない曲が多いです。そうした中で「夏」や「夏の日」を明確に描いたもの、歌詞に「夏」とか「夏の季語」が出てくるものを選びました。そうした「夏」をどのようにサウンドで描くのか。なんとなく「夏」のサウンドイメージもつかめるような気がします。

選んだのは基本的に2023年リリース。リリース時期は夏とは限りません。アルバム収録曲は2021年、2022年にシングルとしてリリースされたものも含みますが、アルバムとしてリリースされたのは2023年のものを選びました(くるりとか)。これが「2023年邦楽の夏の音」。多分、年ごとのトレンドもあると思います。1年ではあまり変わらないけれど、3年違うとけっこう違う。

BGMとしての心地よさと歌心を重視した20曲1時間18分、これからの夏のお供にどうぞ!

盆ギリ恋歌/サザンオールスターズ

サザン復活、45周年ですね。サザン名義だと「愛はスローにちょっとづつ(2019)」以来、4年ぶりのシングル。アルバムだと前作「葡萄」が2015だからもう10年近くリリースしていないんですね。来年10年ぶりのアルバムが出るか。やっぱり桑田ソロに比べるとグルーヴが強い。ベースとドラムの存在感があります。ワンマンか、各バンドメンバーが発言権があるのかの差。さて、復活作はちょっとエロチックで「サザンのイメージ」をメタ化したような「マンピーのG☆SPOT」系の曲。ただ、こうした盆踊りメタファー、歌謡曲メタファーの曲をシングルで出すのは久しぶり。坂本冬美への楽曲提供はじめ、昭和歌謡に傾倒気味の2010年代以降桑田佳祐の現在形というところか。曲も「サザン印」はしっかり押しつつポップスとしての揮発性、即効性も高めでやっぱりサザンは「バンドなんだなぁ」と再確認。

みどころはMV、思いっきり性行為を連想させるメタファーが多々出てきているし、女性に見える男性が胸をはだけるという攻めた内容。これを70近い人たちがやるから生々しいエロスよりどこか普遍性を持つというか。性エネルギーは大切な生命力ですからね。これをYouTubeで堂々と載せてしまうのは流石。以前サザンの記事を書いたとき、ボディスペシャルのシングルジャケット載せたら18禁扱いになったんですよね。この辺りの「ちょっと攻めた感」は相変わらず。

Shangri-Ra/GEZAN

「2023年の夏のトレンド」と言いつつあまりトレンドと関係ない曲。コーラス隊とのコラボでGEZAN印のオリジナルサウンドを手に入れた手ごたえからか、最新アルバム「あのち」の流れを汲んだ、コーラスと歌メロが絡み合う祝祭的な曲。夏っぽい。ハードコアを通過した高速盆踊りというか。「J-POPにおける盆踊りへの接近」は米津幻師のパプリカなどに顕著でしたがその流れか。ちょっとトレンドから外れたので「今あえて」的な感じなのでしょう。

今年こそギャル~初夏 ver.~/花冷え。

個人的に2023年の夏で一番印象に残りそうな曲。メタルコアガールズバンド、花冷え。の夏全開シングル。メンバーの小芝居がちょっと固いのがほほえましい。あと、ロケの日曇ってたのね。こういう「メタルコアサウンド+日本のプール」だとHer Name In Bloodの「BAKEMONO」を思い出しますが、こちらはきちんと「夏のギャル」を女の子が歌った看板に偽りなしの曲。テンポチェンジ、グロウル、J-POP的歌メロ、夏らしいちょっととろけたシンセのリフ、昼から夜までMV内でシーンが展開しますが曲構成も多種多様なアイデアがこれでもかと詰め込まれた曲。夏だぜ。

マーメイド/水曜日のカンパネラ

第二の黄金期、ふたたび武道館に返り咲く水カンの夏曲。レゲエっぽいサウンド、ちょっとリバーブのかかり方がプールを連想しますね。室内プールは壁に反響するじゃないですか。ちょっとドリーミーなボーカルへのリバーブのかけかたはこのユニットの特色ですがこの曲はそれが夏っぽさをさらに演出しています。「水しぶき」の歌詞と共にスプラッシュのような爽やかな音が出るし。音と歌詞もあっている。途中から声がちょっとワイルドに変わり夏のフェスの風景に。海から山へ行ったのか、あるいは海沿いのフェス(サマソニとか)か。軽やかなジャングルビートが爽快。

美しい鰭/スピッツ

スピッツも息が長いですね。ミスチルと同じくらいの存在感になってきた気がします。作曲センスも上がっているし、完全に自分たちのサウンドを確立した印象。むしろ、20代とカラオケに行くと一番歌われる90年代のバンドかも。タイトルの漢字は「ヒレ」。

SHHH!/クレイジーケンバンド

こちらも多年活動しているけれど創作意欲が衰えないCKB。毎年何かしらリリースしています。さすがにアルバムは2年に1回とかブランクも空いてきたけれど。コンスタントにアルバムを出すってすごいなぁ。まぁ、日本の場合ライブの本数が(USのアーティストに比べると)少ないですからね。USツアーするだけで広いので。ライブが少ない分、録音物を生み出すのでしょう。2023年モードのCKBはより洗練を進めたような、ちょっと粘っこい夏らしい曲。暑さを感じます。

さて、ここから下はApple Musicで「夏の歌」を探して見つけた曲。どちらかと言えばロック色が強いものが多いです。

今回選ぶにあたりヒットチャートに入っている曲、最新プレイリストに入っている曲を300曲ぐらい聞いたのですが、いわゆる「ポップス」において思ったよりボカロ文脈の影響が強い。具体的には

超ハイトーン(男女問わず)
言葉数が多く早口、一昔前だと「歌詞に適さない」とされたであろう歌詞も多い
 (言葉数が多いから多少無理な響きや語呂でもねじこめる)
ヴァースの繰り返しが少ない、コーラスは反復されるがヴァースが展開していくような曲が多い(上記の「夏冷え。」はその構成)

あたり。出始めの頃は「人間には再現できない(歌いきれない)」ようなものがボカロ曲の特徴でしたが、そうした曲を口ずさんだ世代が歌手として大成してきたのでしょう。「歌い手」文化の影響なのか。めちゃくちゃ技巧的というか特徴があります。面白い。

同時に、いわゆるロックシーンだと「ぼっちざろっく」で描かれたような「オーソドックスなバンドサウンド」がしっかり息づいているのも面白い。こちらは従来通りの曲構成が見られます。

サマータイム・マジック/ナオト・インティライミ

爽やかでいいですね。曲構成も凝っていて今どきのポップス。

向日葵/Ado

やっぱりAdoは声に個性がある。米津とAdoはちょっと荒れた声の使い方が本当にうまい。

ブルー・サマータイム・ブルース/ズーカラデル

ここから4曲は「若手ロックバンド」の夏曲。

サマーデイドリーム/Saucy Dog

青梅/クリープハイプ

夏日狂想/クレナズム

夏の亡霊 feat. KIRINJI/富田ラボ

職人芸。

夏枯れ/ずっと真夜中でいいのに。

「ずとまよ」と略すとのこと。ズッ友みたいな感じか。ボカロの影響を感じるアーティスト。

Blizzard/Mrs. GREEN APPLE

夏の定番曲「青と夏」があるようですが今年の曲ではないのでこちらを。

SUMMER MEGA MIX/ぜったくん

ライムスターをフューチャリングしています。ライムスターも今年新譜出していますね。「夏の曲」がなかったので入れませんでしたがゴキゲンなアルバム。

赤い花火/back  number

バックナンバー、今めちゃくちゃ人気なんですね。こちらも夏の定番曲は「高嶺の花子さん(2013)」があるようですが今年の曲ということでこちらを。

江の島エスカー(2023 Ver.)/ASIAN KUNG-FU GENERATION

アジカンの江ノ電をテーマにしたアルバムから。2023年再録バージョン。

八月は僕の名前/くるり

2022年リリースの曲ですが、EPに収録されたのが今年ということで。

サイダー/Bray me

夏休みの終わりの曲。でも爽やか。


以上、20曲でした。パーティー、恋、海、哀愁。夏の始まりから終わりまで選んでみたつもりです。普段より爽やか指数高め(当社比)ですがやっぱりマイナー調のメロディを好んでしまうのは性か。Have a nice summer days!!

それでは良いミュージックライフを。


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