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入門編.初めてメタル音楽を聞く人におススメしたい10曲

メタル(ヘヴィ・メタル)と聞いて、どんなイメージがあるでしょうか。この間、メタルを知らない人と話していて気付いたのですが、その人のメタルのイメージは「すごくうるさくて、メロディーがなく、どれを聞いても同じに聞こえるノイズのような怖い音楽」というイメージでした。でも、私のメタルのイメージは「メロディアスで起伏が激しくて演奏が上手い音楽」です。「メロディーがなく」と「メロディアスで」の間にはだいぶ差があります。確かに一部極端なバンドはいますが、意外とメタル全体についてこういう印象を持っている方もいるのかもしれません。

誤解によって音楽の扉を一つ素通りしてしまうのは勿体ないので、今回は入門編として10曲選んでみました。幅広い国、サブジャンル選んでみましたので、1曲気に入らなくても次々と聞いてもらえればどれか気に入るかもしれません。「ある程度メタルは知っていて、いろいろなメタルに触れてみたい」という方もどうぞ。

各曲の紹介です。

BEAST IN BLACK / Blind And Frozen

(Finland / 2017)

1曲目はフィンランドの誇る美麗メロディックパワーメタルBIB(Beast In Black)。90年代日本メタラーが一度は通ったメロスピを進化させています。個人的には「メタル入門曲」と言うとこういう美しい歌メロのパワーメタル。アニメの主題歌を激しくした感じ、かも。

キーワード:美メロ、パワーメタル、男声ハイトーンボーカル、ディスコ

UNLEASH THE ARCHERS / SoulBound

(Canada / 2020)

2曲目も同系統で。女声ボーカルでさらに高音域へ。カナダ出身のUNLEASH THE ARCHERSの新作ABYSSよりSoulBoundです。ハイテンションな声と楽器パートの掛け合いが織りなす高揚感、これぞメタル。

キーワード:メロスピ、多重コーラス、女声ハイトーンボーカル、ドラマティック

Myrath / Believer

(Tunisia / 2016) 

続いては同系統のメロディック・パワーメタルながら中東色があるチュニジアのMyrath。歌心あって節回しが気持ち良い。リフとボーカルラインで多重に積み重ねられる中東音階を含んだメロディーとコーラスが高揚感を生み出すドラマティックな名曲です。最初の中東的なリフの後、なぞるようなコーラスが入ってくるところが開放感があり快感です。

キーワード:メロディアス、パワーメタル、オリエンタル、ドラマ仕立て

BODY COUNT / Bum-Rush

(US / 2020)

雰囲気をがらりと変えて、ラップメタルの大御所BODY COUNT。問答無用でかっこいいリズムと説得力。シリアスなメッセージと映像もかっこいい。体が動きだす強靭なリズムです。

キーワード:ラップメタル、社会問題、ドラマ仕立て

Takatak / The Whale

(Pakistan / 2020) 

続いてはプログ・メタル、ジェント系。メタルはロックの進化系なのでロックンロール、エイトビートが基調なのですがプログメタルやジェントは別のリズム体系を持っています。ましてこのTakatakはパキスタンのバンドなので、ルーツの音楽体系も全く別。メタルの音像や手法は取り入れつつもリズム感覚が異なり、新鮮な感性が堪能できる曲です。

キーワード:ジェント、超絶技巧、ポストロック、プログレ

DEVIN TOWNSEND / Spirits Will Collide

(Canada / 2019)

鬼才DEVIN TOWNSEND。この人の声帯はどうなっているんでしょうね。繊細な声から怒号まで自由自在で説得力が凄い。またこの曲はメタル音楽のドラマティックな要素の一つ、クワイヤ(聖歌隊)的な重厚なコーラスが堪能できます。デヴィンの超絶ボーカルとクワイヤの絡み合いが感涙モノ。この曲を聞けばいつでもどこでもいきなり大団円。

キーワード:クワイヤ、SF的世界観、とにかく壮大、超絶ボーカル

Nobuna / Rocketship

(Thai / 2019)

パキスタンに続いてアジアの若手メタルを。タイのNobunaの2019年の曲です。J-POPでもこういう系統のバンドがいますね。アジアならではの親近感がありつつこの曲はさまざまな要素がうまく絡み合っていてフレッシュでかっこいい。最近のJ-アイドルポップのような展開の早い曲です。ちなみにこのバンド、AKBの恋するフォーチュンクッキーのメタルカバーなんかもやっています。

キーワード:J-POP、プログレなアイドル曲、アジア、クロスオーバー

AMARANTHE / Viral

(Sweden / 2019)

再びメロディックパワーメタルへ回帰。スウェーデンのAMARANTHE。女声ボーカルにメタル色が薄く、歌メロのポップ色はより強めです。コロナでライブができない状況からバンド復活へのストーリーをうまくメタルバンド的に表現した映像ストーリーも胸熱。

キーワード:今どきのポップ、女声ボーカル、コロナからの復活

Ozzy Osbourne / Straight to Hell

(UK / 2020)

メタルのゴッドファーザー、Ozzy Osbourneの最新作からStraight to Hellをお届けしましょう。デビュー時のBlack Sabbathを彷彿させるドゥームな曲展開ながら2020年の時代性を取り込んだ曲。メタルの歴史とOzzyの歴史は同じ長さとも言えます。

キーワード:ドゥーム、ブラックサバス、ドラマティック

Bloodywood / Yaad

(India / 2020)

ラストはインド伝統音楽、ボリウッド音楽とメタルを融合しつつある新進気鋭のバンドBloodywood。じっくりと盛り上がる壮大なメタルバラードです。

キーワード:インド伝統音楽、フォークメタル、壮大

以上、いかがだったでしょうか。気に入ったアーティストがいたらアーティスト名で検索して他にも聞いてみてください。YouTubeやストリーミングサービスなら関連曲が表示されるので、普段と違う1曲から新しい扉が開きます。

それでは良いミュージックライフを。

より激烈なメタルを集めた続編を書きました。

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【追記】この10曲は、どちらかと言えば「メタルに興味を持った人がさまざまなメタルに触れるリスト」で、本当にメタル初心者向けではないことに気が付きました。なぜなら、メタラー(私)が選んでいるから。本当に「初めてメタルを聴く(聴かせたい)」方はこちらの記事をどうぞ。「非メタラーが気に入ってくれた曲リスト」です。






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