見出し画像

起業から9ヶ月を経て考えたこと。

Twitterには投稿しましたが、3月から渋谷区の松濤に事務所兼自宅を構えました。

シングメディアの若手ディレクター鈴木くん

なのでこのオフィスで寝て起きて仕事して寝てを繰り返してるわけですが、先日からオフィスの目の前のビルが工事しだしまして、うるせーなーと思ってたら、その数日後にオフィスそのものの改修工事が始まって、毎日朝8時に信じられない爆音で気持ちよく起こされる日々です。どうも安枝です。ちなみにこの工事は9月まで続くそうです。

さて、2021年の9月に起業してから、文字通り「あっ」と言っていたら9ヶ月が経っていました。
たったの9ヶ月ですが、ビジネスパーソンとして、経営者として、人間としての意識に大きな違いが出てきたので、そのメモとしてここに記載します。

プレイヤーと経営者の決定的な違い。

僕こと安枝新介は、前職では、社長も副社長もいて、僕以外にも何人もプロデューサーがいる中の、1人のプレイヤーとして存在していました。
その時は、会社に対して「もっとこうしたらいいのに」「こうしたらうまくいくのでは?」なんてことを考えたり、良かれと思って声を上げたりしながら仕事してたわけですが、それは「1人のプレイヤー」としての視点でしかなく、エクレア株式会社の代表取締役として、本当の意味で「リスク」を抱えた今になって考えると、それは全くもって不誠実で、責任感のない、適当な発言だったなあと痛感しました。

経営者には「この会社が生きるか、死ぬか」という判断軸が常に存在します。
一方プレイヤーは「自分にとって居心地がいいか」「自分の売上が増えるか」が、基本の判断軸になってるため、目先のことでしかその出来事に対して評価できないわけです。
例えば、社用車を買うという判断ひとつにしても、プレイヤーは「この車種は俺がやってる案件だとあんまり役に立たなそうだな〜」とか思ってるだけですが(人によりますけどね)
経営者というのは、数期先の成長率のことや、税金のことや、リセールバリューのことや、社員1人1人のモチベに至るまで、様々なリスクとメリットを考え尽くしてから判断してるわけで、その根本には前述した通り
「この会社が生きるか、死ぬか」というのが常につきまとうわけです。
なぜ、そんなに考え尽くすのか、答えは簡単。
死んだら、全部自分の責任だから、です。

つまり、ビジネスパーソンとしてのキャリアそのものが会社に反映されてるか否か、という点で、プレイヤーは、経営者ほど、会社のことを自分ゴト化できないわけなんですよね。でもこれは仕方ない。だってそうゆう構造なんだもん。

みたいな、すっげー当たり前のことですが、それを痛感したときに「あ、俺って会社経営してんだな」と思ったのでした。

「受注する」と「生み出す」の違い。

プレイヤーのやるべきことは「ノルマを達成する」ことです。
なので、会社のビジネスモデルに則って、それに準じた顧客層にアプローチしたり、先輩から顧客を引き継いだり、そうしていく中で自分の「成績」をつくって、評価を獲得してお給料をもらう。
しかし経営者(特に創業者)には、成績なんてものは存在しません。
自社の事業を、ビジネスモデルとして成立させて、毎月のキャッシュフローのためにお金を回していかなければいけません。
農業に例えたら、プレイヤーは既にある水路から、自分の田んぼにどの程度水を入れたらいいかを計算して実行していればお給料がもらえますが、
経営者はまず最初に、水路そのものを作って、プレイヤー1人1人に、適切な田んぼを充てがわなければならないわけです。
僕の場合、職種としては前職から変わりませんし、変わらず一緒に仕事してくれる方もいるので周りから見たらやってることそんな変わってないように見えると思いますが、
船が変わった以上、パーパスや強みも変わってるため、また1から新しい水路を作るような感覚でした。
そして、会社は「成長しない=死」であり、その根本的な成長を画策して実行するのは、紛れもなく経営者の仕事なんだな、と。

キャッシュフロー、マジやばい。(語彙)

プレイヤーはお金を生み出す、経営者はお金を回す。
とはよく言ったものですが、実は生み出すことよりも、回すことの方が、心にとっては圧倒的に負荷のかかることでした。
いついつまでにいくら入る、これは今月請求出さないとやばい。
みたいなのは、冗談抜きで、毎秒考えます。
朝の4時くらいに「え、やばくね?」とか思って起き上がるのが続いたりする時期もあります。
(あのビルゲイツでさえ、シェアの80%を取る前夜まで、経営の心配ばっかりしてたっていうのは有名な話)
ここのヒリヒリする感覚は、本当に経験してみて初めて分かったなあ、と。
でも、この経験はめちゃくちゃ僕自身を強くしてるな、とも感じます。

自分の船を持つ、ということ。

もちろんそんな胃がキリキリするような話だけじゃなく、
エクレア株式会社という屋号を掲げて船を漕ぎ出したことは、プレイヤー時代の5億倍くらいはワクワクするんだなあというのも痛感しました。
もちろん、プレイヤー時代の、会社のことも金のことも大して気にせず、自分が出した企画を実現するために夢中になってる瞬間もかけがえのない経験でした。
現場が終わってオフィスに戻れば、今日の現場のあれこれを話し合える仲間たちもいましたし、評価してくれる上司もいました。
でも、やっぱり自分の船は居心地がいい。
自分の倫理観や価値観や生き方の全てを、会社にガッツリかぶせた上で、
どこに行って、どんな事業をして、誰と仕事のあとのビールを飲み交わすのか、その全てが自分の判断に委ねられてるわけです。

経営者が、一番「愚直」

経営は、リーン的にとにかく実践して、トライアンドエラーを繰り返していくことでしか大きくなれません。
大きく飛躍すると、インフラが追いつかず、成長痛でダメになってしまうので、小さく着実に、でも虎視眈々と誰よりも遠くを見てやっていくしかないんだな、と。
どの分野においても段階飛ばしでの「革新」なんてものは存在しない、そのことに気付けたことでようやく「革新」へのスタートを切れた気がしています。

まとめ

決してこれは、プレイヤーより経営者の方が優れてる、なんてことを言いたいわけではなく、性質として全然違うんやなあ、ということを、この9ヶ月で思いました、という話でした。同じ組織の中でも、経営者より優れてるプレイヤーなんて山ほどいます。
ただ、今組織に属していて、頑張ってんのに報われないとか、ノルマきついーとか思ってる方がいたとしたら、一度フラットになって、経営者はどんな目線で考えてるのか?そこに対して1人のプレイヤーとしてどう答えるのが正解か?というのを、一度考えてみて頂けると、経営者とも距離がぐっと縮まって、会社のことをもっと好きになれるのでは?と思ったのでした。

さてさて、あと3ヶ月でエクレアも1歳になるわけですが、
今まで以上に貪欲に、吸って吸って泥水吸って、大輪の花咲かす、蓮!
というテンションでいければと思いますので、
今後ともエクレア株式会社をよろしくお願い致します。

オフィスに最初に置いた植栽。どんどん増やす予定。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?