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「けもなれ」をオススメしたい

ベトナムに来て、早くも3週間が経った。幸いなことに、生活を送れなくなるほどの問題はない。強いて言うなら、バイクに轢かれる危険性と、食べ物でお腹を壊す危険性が日本の2~3倍高いくらいであろうか。ただ、生活には支障はないのだけどテレビがないことはとても困る。いや、正確に言ったらテレビはあるのだけど、映るものがベトナムの番組のため言葉がわからず何も面白くない。そんなこともあろうかと、Fire TV stickを日本から持ち込んだのに、いざテレビに繋げて映画を見ようとすると「この地域からは閲覧できません」と言うエラーメッセージが表示されるのだ。オーマイゴッド。そんな地域差別が存在していいのだろうか、ジェフベゾス先生。他の動画サービスを使ってみようとしても、AbemaTV、TVer、GAYO、どれもエラーになる。ちょっと皆さんベトナムに厳しすぎませんか?

ただ、幸いなことに仕事用のPCだったら、会社のVPNと接続できるので、日本の動画が見れるのである。本当は仕事用のPCなのに、動画閲覧用として使ってしまうのは、ちょっと罪意識を感じるが、家帰っても暇だから、仕方ない。きっと社長も許してくれるだろうと、お家でTVerを見ている。

はてさて、そんな僕の1週間の癒しは、水10ドラマ「獣になれない私たち」、通称「けもなれ」を鑑賞することだ。とは言え、リアルタイムでは見れないので、いつも木曜日にTVverで時間差鑑賞をしている。巷では低視聴率と叩かれているが、今クール、いや今年1面白いドラマと言っても過言ではないと思っている。何と言ってもキャストが最高。ガッキー、松田龍平、田中圭、菊地凛子、黒木華。みんないい味出してます。そして、脚本は逃げ恥の野木亜紀子と、そりゃあ、面白い訳ですねと言う感じ。

このドラマは、毎回毎回、同感の嵐なのである。ガッキーは人にNoと言えない、本音を言えない優しく真面目な性格故に、仕事では、会社のありとあらゆる雑用を頼まれ、恋愛では彼氏である田中圭に思っていることを素直にぶつけられず、公私共に悶々とした生活を送っている。そのほかの登場人物たちもそれぞれ、人には言えない弱いところがあって、それを自分では自覚しているのに、他人にも自分にも甘くなってしまうところが、また面白い。きっと世の中の日本人はこのドラマを悶々と眺めつつ、「そうだよな、そうなっちゃうよな」と共感してしまうのではないだろうか。

特に先週は胸が痛くなった。心を無にして、誰にも何を言われるでもなく、働くガッキー。毎日、作り笑いをして過ごすガッキー、辛すぎた。心を鬼にして環境を変えようとするが、もはや変えようとすることすら疲れて、どうにでもなれの状態。あるよね、そういう時。あー、画面越しのガッキーに駆け寄って、ぎゅっと抱きしめて、「いいよ、無理しなくて」と優しい声をかけてあげたい。そんな妄想を抱いてしまう。

自分も、人に本音を言えない性格上、他人の雑務を引き受けてしまったり、恋愛でも言いたいことが言えなくて悶々しがちで、毎回「けもなれ」を見ながら、ガッキーに同情し、田中圭に同情し、松田龍平に同情しと、まるで自分の為に作られているドラマなのではないのかと錯覚してしまうほど。どうか「けもなれ」の登場人物全員が、幸せになれますように、そしてガッキーの素敵な笑顔が1回でも多く見れますようにと、そう願わざるを得ない、そんなドラマ。オススメなので、ぜひ見てください。

ペンネーム 「妄想では、ガッキーの彼氏です」より

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