yasuaki yamano

東京藝術大学大学院 / 得意料理はだし巻き卵です。

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東京藝術大学大学院 / 得意料理はだし巻き卵です。

最近の記事

探している人。

12月の頭に、自分たちの一つ上の修士2年の作品講評会があって、教授、助手、修士1年と、大学院の学科みんな勢揃いで2日がかりで全員の作品を見た。これが1年後に自分の身に降りかかってくるのか。 その中で好きな作品が一つあった。34歳のFさん。 これ、5年くらい前にオーストラリアの西の方で知らないおじさんから貰ったポストカードのデザインを木版にして、それを大きな紙にプリントして干している状態。すごい平たく言うと、巨大なハンコと、それが押印されたペーパーみたいな感じ。 どうやら

    • 32歳の抜け感と秋の海を愛でる。

      昨日の夜は久しぶりにクーラーなしでぐっすり寝れた。今日は朝7時半ぐらいに起きて窓を開けたら突然に秋がやってきた感じで、ひんやりと涼しい。なんか急やな。まだ真夏みたいな熱気の中汗だくで先週までランニングしてたのに。そんな流れで、なんか書こうかなと思う。 このあいだの三連休は久しぶりに隠岐へ帰り、海士と西ノ島で過ごした。だいたい半分くらいは仕事のような感じで色んなところを案内して回り、その道中やら船の乗り場で色んな顔に出くわしては挨拶する。僕も自然と島のモードというかリズムにな

      • 小豆島でタクシーに乗ったら。

        この夏は小豆島の福武ハウスというところに缶詰めで制作をした。毎日朝にフィールドワークしては、それぞれ夕方には1本プランを出して、そこに作品の一枚絵なり模型なりを添えるというもの。 うっかり32歳になって大学院でアートやら藝術をやろうなんて思ったものの、僕は絵が下手くそで、なかなかに苦労した。今回10人ぐらい一緒に滞在したけど、みんな本当に描ける、すぐに形にできる、そういう造形的な瞬発力がある。 まあ最終的には伝わるビジュアルやイメージにどうやって落としていけるか、というこ

        • 椅子をつくるときの難所は。

          大学院の授業がない月曜日、午前だけしか授業のない火曜日とか木曜日に、椅子のつづきを進める。まず椅子のパーツを切り出していくために、木材造形工房の機械も本格的に使っていくことに。 なんか本当に細かいところまでミリ単位で整えていくのは、自分のあまり得意とするところではないけど、木工を専門としてやっていく人にとっては、これが当たり前なんだろう。それが美しさをつくるんでしょうか。あと、これもし機械使えなかったらどうやるかなあ、というのも少し想像してみたりする。 ひとまず椅子の足の

        探している人。

          椅子をつくりはじめるところ。

          ぼちぼち新しい生活のリズムも出てきたところで、まず何かつくってみようと5月の真ん中ぐらいに思いはじめて、ひとまず木材をやりたかったのと、日常使いできるものをと思って、ちょっと背の高いカウンターチェアをつくってみて、大学院のスタジオで使う案がゆるやかに浮上。自主制作。 え、でも何からはじめたらいいんだろうと思いながら、いくつかパラパラと本をめくってみたり、それとなくネットで情報を拾ってみたりして、ひとまずつくりたい椅子の大まかなイメージと、そこに出ていた図面のようなものをプリ

          椅子をつくりはじめるところ。

          ちょっと歩いて、それから描いてみて。

          たまには利根川の近くを散策してみようと思い立って、東京藝大前の少し前のバス停で降りてみる。 それで、なんとなく写真を撮ってみたりする。 こういう即席のベンチとか机とかは、いいなあと思う。なんとなく、そこに人の気配が感じられる。 ゴールデンウィーク明けにはDrawingの授業があった。白い壁のスタジオに立ち並ぶ木の枝たち。この木を筆にして墨で描いていく。 "Don't use them, but draw with them" みたいなことをレクチャーで言われた。こ

          ちょっと歩いて、それから描いてみて。

          いつもリズムを探している。

          4月、新生活がはじまって3週間ほど。少しずつリズムみたいなものができてくる。 朝は7:04JR舞浜駅発の電車に乗る。そしたら乗り換えは1回で済む。しばらく居候ている実家から駅まで20分ほど歩くのが日課。 新松戸駅で15分くらい乗り換えの時間があるので、大体はそこでコーヒーを飲む。そして新松戸から取手駅、さらにバスで取手駅から東京藝術大学まで。8時45分ぐらいに二息目をつく。たぶんタバコってこういう時に吸いたくなるんだろうな。 それから電車やバスの中で少し周りはザワザワし

          いつもリズムを探している。

          相棒ではなく伴侶を探して。

          今週は火曜日にオランダからやって来たスーザンとビアンカというアーティストによる集中講義とワークショップがあった。 " How to come home in more than human world" そんなテーマではじまって、みんなで身体を動かしてみたり、ゆっくりとキャンパスの近くの森を無言で歩いてみたり、ちょっと立ち止まってみたりする。そんな日に限って少し肌寒くて小雨がパラついたりする。 " Then let's try to find a companion s

          相棒ではなく伴侶を探して。

          新しいデスク。新しい眺め。

          昨日から大学院の授業がはじまった。午前中から色々とガイダンスのような時間があって、午後には自分のデスクの場所を決める時間があった。みんなで4階のスタジオと呼ばれる大きな部屋に行って、それぞれに好きな場所を選ぶ。 まあ好きな場所と言っても、すでにM2の先輩が使っている場所もあって、そんなに候補の物件は多くない。そして何というかデスクというよりは、とりあえず木の板に足をつけた簡易的な作業場のような感じ。 まず先頭でスタジオに入った人たちが窓側に流れ込んでいって、僕はちょうど入

          新しいデスク。新しい眺め。

          32歳の春。この小さな景色を忘れない。

          この春、5年間暮らした隠岐を離れて東京へ戻り、4月から東京藝術大学大学院の美術研究科へ進学する。ここにたどりつくまでの経緯なんかは、またどこかでゆっくりと書きたいなと思うけれど、あわただしく3月は過ぎ去っていき、たくさんの人と別れの挨拶をしては手を握った。 ああ、この人とはもっと深く関わることができたかもしれないなあ、と思うこともあれば、いやあ本当によくやったよなあ、と5年間の日々を振り返りながら大切な人たちと一緒にお酒を飲んだ夜もあった。 そして3月28日フェリーに乗っ

          32歳の春。この小さな景色を忘れない。

          見送る気持ちに想いを馳せる。

          東京から島根県の離島に移住して4年目になった。島の高校を卒業していく子たち、何かの挫折を感じた人たち、新しい仕事に挑戦していく人たち、気付けばたくさんの人が島から旅立っていくのを、手を振って見送り、そして新しく島にやってくる人を迎えてきた。 先週母国スリランカに帰っていく17歳の留学生の女の子を見送った時は、ちょうどフェリーが出航するタイミングで曇り空から太陽の光が差し込んできて、スッと風が吹き抜けたもんだから、テープがいい具合に風になびいて、なんともエモーショナルな気持ち

          見送る気持ちに想いを馳せる。

          朝の7時45分に、少し熱めのコーヒーを。

          ふーっと、一息ついてコーヒーを飲む時間が好きだ。 と言っても、僕の家には別にコーヒーの豆を挽くミルがあるわけではないし、ささやかなこだわりとしては丸山珈琲のオンラインストアで浅煎りの粉を定期購入しているくらいのもので、グアテマラの豆を熱心に取り寄せたり、週末にときどきコーヒースタンドをやったりする友人たちに比べれば、僕は「まあコーヒー好きかな」のレベルだ。 ただ一つだけ、どうにもこだわってしまうことがある。それはコーヒーを飲むタイミングのことだ。毎日飲むコーヒー、それをい

          朝の7時45分に、少し熱めのコーヒーを。

          たとえ話のうまい人たち

          ゴールデンウィークに入る前に、職場のチームでのロングミーティングあったのだが、そのときチームリーダーのOさんからこんな発言があった。 僕らの今のチーム状況って、サッカーで例えると、前で攻めるフォワードと、後ろのディフェンスの間に距離がある状態なんじゃないかな。これ実際のサッカーの試合では、空いた中盤のスペースで敵にボール回されるから、よくないんだよね。あくまでセオリーだけど、フォワードが前に攻めるときは、ディフェンスも連動して前に出る方がいいし、逆も然り。 たしかに、そう

          たとえ話のうまい人たち