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漫才協会改革について考えてみた。3~怒涛の課題列挙編~

漫才協会について深掘っていきたい。

というのは、最近塙会長がテレビにYouTubeに今までにもまして漫才協会のために活躍している。それを応援していきたい。

その中で漫才協会の課題についてたくさん述べている。
あくまでショーとしておっしゃっていることなので、話半分として伺う必要がある。その他会員も発言をしているし、それらをまとめながら進めていきたい。

とはいっても、課題を列挙して非難をするわけではない。
課題を列挙して、次回以降で分析や改善策を提示させていただき、叶うならば実行に移って改革されるといいなー。漫才協会が東京お笑いのコアとなり盛り上がるといいなと夢想している。

さて、課題はどのくらいあるのだろう。
まずはテレビやYouTube、書籍などメディアで言及されている課題だ。
これは公言していることだからまとめても問題はないだろう。

次に想定できる課題だ。
一般的に組織ではこういう問題が起きがちという問題や明らかな話題をまとめた。

最後に本質的な課題。
これは本質的で深いそもそもなことだから改善しにくく、逆に言えばそこさえ改善すればあとはバタバタと改善されていくだろう。

これらの課題を解決しない限り改善はあり得ないと考えるので想定した。


課題は多くあると考える。
改善、改革が簡単なものとそうでもないものがある。
それでは進めよう。

いってらっしゃい。

メディアで公言された課題列挙

大物芸人、人気芸人、チャンピオンが抱いた不安

公言というと大ごとなようだが、塙会長はじめお笑い芸人の皆は面白おかしくこれらの課題を笑って語っていた。ショーであるので、アメトーークでもお笑い向上委員会でも、しくじり先生でも「ネタ」として漫才協会の様々な課題は語られた。

しかし、様子が異なるメディアがあった。
東京お笑いの大御所タカさんこと、とんねるず石橋貴明氏のYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」での出来事だ。敏腕演出家のマッコイ斉藤氏と共に運営されており登録者165万人の人気チャンネルだ。

塙会長が「トップに聞く」という新コーナーに呼ばれた。
漫才協会会長としてであり、初回ゲストとして豪華なホテルの一室でタカさんが塙会長にインタビューをしていく。

いつもの塙会長流の語り口で様々な漫才協会の笑い話や課題は話された。
後にも出てくるが、師匠の皆さんのバイト生活の話しになると聞かされた時のタカさんの顔。

半分笑ってはいるが、その奥に東京お笑いの将来を憂えている真面目なタカさんのもの言いたげな顔が伺い知れた。インタビューが終わり、タカさんとマッコイ氏の二人だけになった時に、マッコイ氏が一言。
「大丈夫かなーって思いました」
全くの同感である。いくらショーアップされているとは言え、ほっておけない何かを漫才協会は発している。タカさんは東京お笑いを盛り上げたいし、塙会長を応援しているのだ。タカさんはもちろん、塙会長のYouTubeチャンネルにもコラボ出演したし、塙会長のXによると一緒に野球に行ったりしたようだ。そこで何を話したのだろう。大変興味がある。

次にアメトーークでも忘れられない場面が二つある。
「漫才協会芸人」が開かれた。漫才協会に加盟するナイツ、ねづっち、U字工事、ハマカーン、錦鯉、カミナリが出演していた。
司会は蛍ちゃん、ゲストはスピードワゴンの二人であった。

スピードワゴンといえば、東京お笑いの雄であり、昔からテレビで大活躍。2023年度のTHE SECONDでは決勝に残り漫才の実力を示し、後輩たちからコンビ双方が慕われる実力者である。小沢氏は、昨今ではコント赤信号のリーダー渡辺正行氏とともに多くの東京芸人を輩出したラママ新人コント大会を開催している。渡辺リーダーが引退を仄めかしており、小沢氏は後を継ぎ東京お笑いの新人輩出のリーダーの役割を担うのではなかろうか。
その東京お笑いを象徴するスピードワゴンの二人が番組内で漫才協会に対して言っていた言葉「全く魅力を感じない」。これがすべてではなかろうか。

そして番組内で錦鯉が言う。今年は一度も漫才協会の舞台に出演したことがないと。
漫才協会著の「ザ・漫才協会ファンブック」によれば、漫才協会初のM-1王者である。

協会としては栄えある事態であるはずだ。しかしM-1グランプリで優勝した後はほぼ漫才協会の舞台にあがっていないのだ。それでも、錦鯉の渡辺氏はアメトーークの中で塙会長と土屋常任理事に対してこう言った。「2,000万円浮いている」はずだ。「中から変えてやろう」と思うと。変えるべき何かを感じているのだ。

漫才協会の会員が堂々と疑念を抱き、東京芸人の代表格が疑問を抱く状態になってしまっていることに危機感を抱かなければならない。

塙宣之氏が漫才協会会長として就任されてまだ幾月だ。
SNSやWebでの広報活動を積極的に行っている。そして1回目でも伝えたように今までナイツの二人は理事として様々な漫才協会改革を行ってきた。

そして会長になった今、引き続き広報活動を積極的に行い、師匠方々の魅力を発信し、若手の教育を進めるのだろう。

それでは、それと並行して何を課題と感じればいいか。
すでに漫才協会の理事にはわかり切っていることではあろうが列挙して参りたい。
本日は課題列挙編、解決編は次回以降とする。

前提 : 東京の常設お笑い劇場は浅草東洋館しかないのだけど。

東京は日本の首都である。驚くべき事実だが、それにも関わらずお笑いの常設舞台が浅草東洋館しかないのだ。

いや、嘘を言った。
常設の舞台はたくさんある。関東中に東洋館以外に5つもある。
ルミネtheよしもと、よしもと∞ホール、神保町よしもと漫才劇場、よしもと幕張イオンモール劇場、大宮ラグーンよしもと劇場。
そう、5個もある。吉本興業所属芸人専用の劇場が。

それに対して、吉本芸人以外(吉本用語の「他事務所芸人」)用の常設劇場は浅草東洋館のみであるのだ。

塙会長は著書「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」で述べているが、東京芸人には常設の劇場がないため、M-1などの賞レースの場面において吉本芸人に比して練習量が足りていない弱みがある。舞台数が圧倒的に足りていない。そのためネタを回せていない。

東京芸人達は人気になっても口々に言う。そういういつでも立てる舞台があればなと。
芸人たるもの、テレビでいかに人気者であっても、直接の反応を得られる舞台に立つということは何物にも代えられない魅力であるようなのだ。

その唯一無二の貴重な舞台、浅草東洋館での漫才協会の興業には「魅力が全くなく」「今年になって一度も東洋館の舞台に上がっていない」という状態らしい。つまり漫才協会に入りたくない!

それはなぜなのだろう。。。

師匠方でさえ、お笑いで食えていない。

塙会長が面白おかしくタカさんに話していた内容の中で唯一笑えなかったところがある。師匠の7割がお笑いだけ(舞台だけ)では食べられず、未だにバイトをしているという事だ。どこまで本気で信じていいかはわからない。しかしお笑いだけで食べられないということは半分以上本当ではないかと感じる。

師匠方々からこの状況に関する生の声が聞こえてくることはない。本当の状況はわからない。
タニマチ(ひいきにしてくれる客、または後援してくれる人、無償スポンサー)が付いている芸人さんもいると、しくじり先生では語られていた。

現在の浅草芸人の現状が分かる一冊の著書がある。マシンガンズ西堀亮著「芸人という病」である。

マシンガンズは2023年度THE SECONDにおいて準優勝しブレイクした。漫才協会にも最近入会したばかりだ。今ではビジュ全開でテレビに舞台に大活躍である。その西堀氏もちょっと前までは売れない芸人の代表格だった。土木工事のバイトをしてしのいでいた。
西堀氏の運営するYouTubeチャンネル「西堀ウォーカーチャンネル」では彼の仲間の太田プロ芸人の生々しい生き様が映し出される。例えば相方を不慮の事件で失なった元トップリードの和賀勇介氏が土木工事で得たとっぱらいを飲み食いだけで浪費するという姿が描かれる。一部で人気動画だ。視聴者としてはなんというか、それを見て安心するわけである。

それら太田プロの「売れない芸人」たちの生態を集めたのが「芸人という病」である。

その中で漫才協会芸人の新宿カウボーイ石沢勤氏も西堀氏のインタビューに答えている。
そこで語られている内容というのは
・芸人だけでは食べていけない。だからたまにバイトをしている。
・寄席(漫才協会の浅草東洋館の出番)はギャラが安い。全く食べていけない。楽しいから出ている。
・営業が入ってやっとまとまった金が入ってくる。
というものであった。そして衝撃のギャラが語られる。
なんと一舞台1,000円だというのである。1,000円である。東京都最低自給1,113円より安い。これは本当なのだろうか。にわかに信じがたい。

そこでWebで検索すると手妻師(手品師)藤山新太郎氏のブログが出てくる。
やはりそこで語られているのは1,000円ということだ。しかも師匠方まで一律同じというのだ。さらにコンビの場合は半分に割られるというのだ。500円なのか。。。

もう一つエビデンスを残すなら塙会長だ。
塙会長曰く、YouTubeやしくじり先生で語っていたが、給与は寄席の入場料を全員で割る「寄席割り」だという。
なーんだ。それなら結構あるじゃないか。満席の場合は220席×2,500円÷22人=25,000円である。十分食べていけるではないか。

が、こうも述べている。
ギャラは「浅草のコインパーキング代にも満たない」と。
浅草のコインパーキング代の最大料金を調査すると2,800円。。。
どうやら500円~2,800円というのがリアルな数字であるようだ。

なぜそんなに安いギャラなのに芸人達は皆浅草東洋館の舞台に立つのだろうか。
それが芸人の矜持であり、「芸人という病」だ。
芸人というアイデンティティだから出るのである。
舞台で食べられるようにしない限り、この課題からは逃れられそうもない。。。さあ、どうするか。

客層がご年配層中心である。

浅草東洋館は歴史ある建物である。萩本欽一やビートたけしなどの一流芸人を輩出した元フランス座。伝統ある舞台である。
※歴史に関してはこちらから。

その浅草東洋館には現在どのような客層が来ているのだろうか。
70代後半の男性客が中心である。常連のタニマチのような方も多いように見える。そこにちらほらと観光客や修学旅行の学生さん、カップル、女性客などがいる。それでも若いお客さんは増えてきたそうだ。
日本テレビ「笑点」の客層と言えばイメージしやすいだろうか。
それらのお客様が会場の大半である。

そして演者はというと、最近は師匠方がご引退やお亡くなりになっているらしく、想像以上に20代の若手漫才師なども多く舞台に上がる。
笑ってしまったのだが、ある時若手漫才師が、「滝沢ガレソか!」「進撃のJapanか!」と突っ込んでいた。Xで有名なインフルエンサーの名前だ。またある時、若手漫才師が「あの師匠が何言ってるかわかんなくて、老人はしょうがないですね」という師匠いじりのネタをしていた。ご年配のお客様はポカンとされていて、私はその状況含めて爆笑した。

どうやら漫才協会若手芸人の中には、状況含めてネタにしている人もいるようだ。面白かった。
本質は何かというと、若手芸人達やまだ漫才協会に入っていない芸人達は本当は若いお客様の前でネタをやりたいのだろうなということだ。

M-1やキングオブコント、R-1で結果を残したいだろうから、その本ネタをかけたところでネタの内容やスピードの影響で東洋館では笑いにならないときがある。すると、どうしても本番に近い客層の例えばK-PROライブや事務所ライブでネタを揉むという事になるのだろうと想像する。

それに対して、吉本興業の場合神保町や∞ホールに行けば、若い女の子ばかりだ。そりゃ若い芸人さんはそういうところでやりたいだろうなと思う。

もちろん常連や年配客は大事なお客さんだが、何か若いお客さんを増やす方法を考えてもいいような気がする。ねづっちはめちゃくちゃウケてますけどね。

そもそも人気者が出演しないと席が埋まらず売上が立たない。

ある日、東洋館4Fの売店にいたお兄さんに聞いてみた。
「集客人数って平均何人ぐらいなんですか?」
「うーん、平均50-60人ぐらいですね。」
「土日祝日とかにお客さんが多いんですか?」
「そういうわけでもないんですよね。ナイツさんとかおぼん・こぼん師匠とかU字工事さんとかが出る時は満席になるんですよ。結局客席が埋まるかは誰が出演するかで決まりますね。」

答えは出た。
集客力のある人に舞台に立ってもらう必要があるのだ。錦鯉が立てば満席になるだろう。

50人平均では220名の客席数に対して収容率25%だ。四分の一では商売にならないだろう。
チケットは一枚2,500円。それが50人。2,500円×50人で12万5千円。
それに22組の芸人さんが出る。一人当たり。。。必要経費を引くと。。。
なかなか厳しいかもしれない。
満席なら2,500円×220名。55万円だ。これならいけそうだ。

分かったことは2つ。
・人気者が出ないと客席を埋めるのは至難の業
・平均50名の集客ではかなり厳しそう
ということである。重い課題だ。

お茶くみという参入障壁がある。

私は師弟制度はとても美しいもので、落語会にはまだ残っているが、一つの芸を極める上における味のような役割だと思う。

もちろん今なら自分の落語を動画で見て修正したり、AIで分析したりそんな方法論も可能だろう。けれど、芸道という中でそれなりの美しさを理解して落語会に入る方は、師弟制度そのものも好んで道に入るのだろうと推測する。

片やお笑い芸人においては、NSCやJCA、ワタナベコメディスクールなど学校で学んでデビューするのが今や主流である。

あのダウンタウンがNSCの一期生であるということは大きく、今のNSCは年間700名ほどが入学し、お笑いの狭き道を進むのである。

立ち上げられた理由はお笑い芸人界にあった師弟制度に抵抗のある世代が出てきたためであり、芸人を大量に増やしたいという吉本興業の思いがあった。結果、お笑い芸人人口は大幅に増加した。もちろんダウンタウンという最強のロールモデルがいるおかげでもある。

そして漫才協会。新人は今もお茶くみや音響操作などを行う。
こちらの2022年の記事によると塙会長は芸歴の長い錦鯉に新人としてお茶くみをさせるのは忍びないという理由で、入会を断ろうと思ったらしい。

ラジオでのトークなので話半分に聞く内容だが、依然としてお茶くみ制度はあるようだ。若者の漫才師の方はもちろんそれをやっているのだろう。

先に申し上げたように師弟制度自体が悪いわけではない。それは一つの芸人としての味になるだろうし、いろいろと意味を見出すことはできる。
オール巨人師匠のように今でも師弟制度のメリットを説く芸人がいてしかるべきだと思う。NSCだけがすべてではない。

ただ、ここで考えなければいけないのは「お茶くみという制度自体が、漫才協会への参入(加入)障壁になってはいまいか。」という事である。
「師弟制度の名残である、たった一杯のお茶くみのせいで、そのイメージのせいで、逃している魚は多くいるのではないか。」
そのように感じるのである。

東洋館と売上を折半!

これも衝撃的な事実だ。なんと漫才協会興行の収益は東洋館を運営する東洋興業と折半(50%、50%)だというのだ。

アメトーークでの一場面だ。
錦鯉渡辺氏が売上想定から想像して「2,000万円は利益がでてるはずだ」「それを漫才協会は隠している」という発言をした。
そこで公認会計士のような土屋信之常任理事が答える。
「売上は東洋興業に半分もっていかれるから、そんなに残らない。厳しい」と。

Tverを見ていた私は思わず「えーっ」と声を出した。
売上の半分を東洋興業に支払うのーーー。えーーー。っと。

いろいろと東洋館関連の本を読むとヒントが。東洋興業会長松倉久幸氏の著書「浅草で、渥美清、由利徹、三波伸介、伊東四朗、東八郎、萩本欽一、ビートたけし…が歌った、踊った、泣いた、笑われた。」にあった。

東洋館では歴史的に過去から売上を興行主と折半する「歩興行」なるもので取り行っている時がある。主催が東洋館ではなく興行主にある場合だ。
ビートたけしの師匠である深見千三郎が座長だったときは歩興行で、東洋興業が経費を差し引いた半分を深見に渡し、それを踊り子や芸人達に分けていたそうである。

その慣習が残っているのであろう。しかし、伝統的だからと言っていいねとは言えない。
ただでさえ売上が少ないのである、さらに言うと営業努力をして増やしたとしても売上の半分が家賃で消えるのはとても痛い気がする。

東洋興業としては毎日運営スタッフがいる。多分4人程度が毎回固定。そして水道光熱費。固定資産税。各種リースやビルの保守管理費。古いビルなので計画修繕のための貯蓄。最後は浅草寺への家賃だろう(浅草六区は浅草寺の土地だそうだ、今もなのかは定かではないが)。出費はそれなりにかかる。

今の漫才協会の売上はギリギリである。そのため、東洋興業としてもギリギリの売上しか上がっていないだろう。

しかし、今後改革がうまくいったときにどうするか。
東洋興業と漫才協会で何らかの取り決めがそろそろ必要な時期に来ている気がする。
東洋興業と漫才協会でWin-Winになるための新しい枠組みを考えなければならない。

想定できる課題

なぜ4時間半も寄席をやるのだろう。

なんと東洋館での漫才協会の寄席は12:30-17:00まで行われる。
途中にもちろん休憩は何度かあるが基本ノンストップである。そこに22組の漫才師、コント師、漫談師などの「いろもの」が登場して様々な芸を披露する。一人10分程度の持ち時間がある。

見ごたえ十分である。4時間半でなんと一人2,500円。コスパ最強である。
東洋館は全て自由席。そして建物からの中途退出不可。なので集中して4時間半見なければいけない。

はっきりいうと4時間半全部集中して見れたことは私はない。私は最初からいるようにするが途中で飽きてしまうのが正直なところ。
お客さんたちは途中で入場してくるのがほとんど。芸人一人一人の芸を見るというよりは、この長い寄席という全体感を体験しに来ているという感じ。
70代以上の常連さんたちはというと、寝てる(ように見える)。

それに対して吉本興業の舞台を見に行くと対照的だ。
時間は平均1時間半。長くて二時間。名門の大阪のNGK、なんばグランド花月でも新喜劇を入れて2時間10分だ。舞台には千鳥やかまいたちなどの超人気芸人が出てくることもあるし、中田カウス師匠も出るし、まるむし商店師匠も出るのだ。
飽きさせない。
神保町よしもと漫才劇場でも、ヨネダ2000が出てきてお客さんを沸かせる。
一組一組の芸を短時間にしてテンポ良く集中して見るという意図が伝わってくるし、お客様も心なしか前のめりで見ているのである。

吉本は舞台を一日平均3回転、土日は4回転させている。チケット代は1,500円~4,500円と誰が出るかと曜日や時間帯により変えている。なので漫才協会の何倍も売上が立つ。

なぜ漫才協会の東洋館は4時間半の1回転なのだろう。
疑問だ。

事務局員さんのマンパワーが足りていないんではないだろうか。

次は完全な想像である。
漫才協会は一般社団法人である。塙会長はじめ、理事は皆、報酬をもらっていない。言うなればボランティアで漫才協会の経営を責任をもってやっているのである。

塙会長や理事たちにとっての報酬は東京の漫才をはじめとするお笑いが発展するという事なのだと思う。そういう崇高さで運営されている組織である。

その組織の中で唯一給与が発生する人たちがいる。
それが「事務局」と言われている人たちだ。いわゆる一般社団法人漫才協会の社員である。事務仕事をするのは事務局員の方たちになる。基本的には理事たちから指示された内容に基づき業務を行っているはずである。

私の想定だと、漫才協会の売上は相当少ない。すなわち使える経費が限られているわけで、人件費も限られてくる。予想であるが、漫才協会の事務局は事務局長入れて2-3人なのではないだろうか。多くて5人。多分そんなに雇えないはずである。

しかし行う業務はたくさんあるはずだ。各芸人達の出番の調整、営業の手配、補助金・助成金の申請、チラシ作り、HP更新、総会の資料作り、理事会の資料作り、総務・経理、グッズの制作手配等々、想像するだけでも手が回っていない可能性が高いと想定している。

それは何を意味するかというと、どの会社でも起きることである。
社長さんが社内改革をしたいときに人手が足りなくて結局現状維持で終わるという話である。
実はこの部分が改革のキーファクターだったりする。いろんな改革を行いたくても人がいなければ、手を動かす人がいなければ改革できない。

そこからだが、先立つ金がない、先立つ売り上げがない。
さあ、どうしようという重い課題である。

本質的な課題

財務的に厳しい。利益体質にしなければならない。

ここまで読んでいただいた方はお分かりだと思うが、漫才協会の財務状況は非常に厳しいと想定できる。いろいろなファクターが利益が出ないように出ないように構成されている。


あくまでメディアからの情報で作った仮の想定数値であるが添付する。改革後の数値見込も一緒に書いておく。
一切漫才協会の財務資料は見ていないので、いろいろな話からまとめた数値なので信ぴょう性は?なので参考程度にご覧いただきたい。

お金がないと、次に述べるVisionも達成できない。

Vision ~そもそもどこに向かうのか~

最後にVisionについてである。ビジョン。組織はこれを決めることが多い。どの方向に漫才協会を進めていきたいかである。

漫才協会のHPに目的と事業はこう書いてある。

【 目 的 】
漫才を中心とする演芸の普及向上、継承と振興を図り、もって我が国の文化の発展に寄与することを目的としております。

【 事 業 】
漫才の公演等の開催、漫才の人材の育成、漫才の広報、その他目的を達成するために必要な事業

「演芸を発展をさせて、国の文化を発展させる。そのための事業を行う。」
ということである。

漫才協会は現在興行のために文化庁から補助金をもらっている。
「文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体))」を「独立行政法人日本芸術文化振興会」を通して得ている。しっかり漫才協会のポスターやチラシに書かれている。

要は補助金をもらわなければ、興行が成り立っていないという事である。
一時期大阪でも話題になった「文楽」などの文化を国が守りましょうというのと同じくくりに入ってしまっているのである。

漫才協会は現状果たして、「演芸を通じて国の文化の発展をさせる事業」をできているのだろうか。今の事業というのは理事も芸人もほぼボランティアでやっている慈善事業である。営利事業にして自家発電で運営をし業界をリードする組織にならなければいけないのではないか。

逆に今と同じ寄席の舞台を守りたいので、補助金のお世話になるというのも考え方である。それならそれで良い。

でも塙会長の熱い動きを見ているとそうは思えない。
果敢にテレビ、YouTubeで漫才協会の事を話し、広報宣伝している。
身体を張りまくり、若手芸人のため、吹っ飛ばされているwww
爆笑です。是非ご覧ください。一台のカメラの限界。

そして、2024年春公開の映画「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」をなどの新しい試みは魅力的だ。

できることならば、漫才協会のVisionを巻きなおして、より現在の漫才協会が「演芸を通して国の文化を発展をさせる事業」をできるものになったら嬉しいなと感じてしまう。
東京で唯一の常設舞台浅草東洋館が連日お客様で満席になったらと夢想する。

個人的には「ボランティアで」お手伝いしたいぐらいである。

色々と課題を上げてきたが、次回から解決編
さて、漫才協会が元気になると東京お笑いが元気になり、国も元気になる。
大阪の吉本興業に対抗する東京の漫才協会という図式となれるような解決案が提示出来たらなと思う。

長い文章を読んでいただいた方ありがとうございました。

メリットを感じられる漫才協会に向けて!


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