連載小説《アンフィニ・ブラッド》第7話
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北影通りの路地裏に積まれた木箱の上に腰掛けて、久利生エリは溜め息をついた。時刻は午前零時。血まみれの白いノースリーブから伸びる細く白い腕や手もまた、赤黒い血に塗られていた。
エリが座る木箱の周りには、5人の死体が転がっている。スーツ姿のサラリーマン、ガラの悪そうな男、水商売の女、制服姿のふたりの男女。全員が身体を刃物でズタズタに切り裂かれ、肌の色も服の色も見えなくなるほど全身が真っ赤に染まり切っていた。
エリの身体に付着したその血は、もはや誰のもの