心療内科の待合室に図体の大きな鬼が座っていた。順番待ちをしているらしい。 しばらくすると看護士が声をかけた。 「オニさーん、オニさんこちら・・・お入りください」 鬼は大きな身体を折り曲げながら診察室に入っていった。 医者は驚きもせずに鬼を見上げて質問をした。 「どうしましたか？」 鬼は答えた。 「最近、どうも眠れなくて」 「何か心配事でも？」 「近頃、節分の日に豆をまく人がめっきり減ってきまして・・・」 「確かに」 「我々鬼の出番が無くなって、いつかリス
チャイムの音。 女「はーい」 廊下を歩き、玄関の扉を開ける音。 女「ひゃっ……」（息を飲む） 男「声を出すな。このナイフが見えるだろ。大人しくしろ」 女「はい。でも近づかないで」 男「あ？」 女「ソーシャルディスタンス」 男「ああ。……で、とりあえず服を着ろ。なんで全裸なんだ？」 女「だ、旦那さんだと思って……」 男「プレイか？そういうプレイを楽しんでいるのか？」 玄関の扉を閉める音。 服を着る音。 男「で、本題だ。金目の物を出せ」 女「金目の物……」 冷蔵庫を開
４Ｄのドキュメンタリー映画が話題になっている。 ４Ｄ映画とは３Ｄ映像に風や水滴、香りや振動などを感じさせる作品のことであるが、ドキュメンタリーに作り物の風や香りを付け加えることでドキュメンタリーではなくなるのでは？と疑問が頭に浮かぶ。が、好奇心が勝り友人と観に行くことにした。 内容は無いようと言いたくなるような代物で、路地裏や公園などに住み着いた野良猫を追った映像が中心の作品であった。 一緒に鑑賞した友人の感想は「とにかくつまらない。特に不快だったのが公園にいた子供が画
ホールスタッフが認知症を患った人達というレストランがある。そこは注文や配膳を間違えることが当たり前として存在する。優しく温かい心が無ければ客にはなれないのだ。 とある国の首相は、そのレストランの噂を耳にするなり「それは面白い」と、近く来訪するある国の大統領との晩餐会の会場にそこを選んだ。 とある国の首相は悪戯好きで、ある国の大統領は極度の短気で負けず嫌いでもある。 注文を間違える料理店にて、首相が大統領を歓迎する。 「大統領、今日は自由に注文が出来るお店での晩餐会になり
炎上広告代理店とは、ＳＮＳ等でわざと炎上させて注目を集める炎上商法とは違い、今まさに炎上しているＳＮＳ等を探し、そこに企業や商品の広告を書き込む作業を行う事で企業から広告料を頂く代理店のことである。 わかりやすく例えると、 「不倫は文化？」 「ゲスの極み」 「タヒね」 「『紅茶はともだち ○○クッキー』」 「ふざけるな」 「ワロタｗｗｗｗｗ」 「冗談は顔だけにしろ」 「『コーヒーは恋人 ○○クッキー』」 ……と、白熱している会話の中に広告を入れ込む。野次馬も含め多
●ジャンル フェイクドキュメンタリー風コメディ ●主な登場人物 アスカ・紅一点 イヤナギ・カメラマン ナガサワ・サークル部長 マツシタ・次作の監督目指す ミヤモト・マイペース ヨシオカ・ホラー好き。ゾンビ好き。 ●あらすじ 自主制作映画サークル『ＪＦＰ』の不定期定例会合に集まるメンバー。メイキング用に撮影をしている。次回作の発案会議を始めると１人が吊り橋をモチーフに作品を撮りたいと言う。なりゆきで急にロケハンへ出かけることになるが、そこで待ち受けていたものとは……。
◯とある公共施設のトイレ。 男が男子トイレに入る。 小便器で用を足していると「手洗励行」と書かれた紙切れが貼ってあるのに気がつく。 横の壁にも同じく「手洗励行」と書かれた紙が貼られている。もちろん洗面所にも。 男は難しい顔をしながらトイレを出て行く。 暗転。 しばらくして、また男がトイレに入る。今度は急いで駆け込む感じで、個室に入る。 用を足していると目の前の扉にまたしても「手洗励行」の紙が……。 水を流して個室から出て、洗面所で手を洗う。「手洗励行」を見つめる男。
ゲーム名『お部屋探し』（仮） お客と不動産屋に分かれて物件を探し紹介するゲーム。 プレイヤーの１人がお客になり物件カードをひく。カードには物件の情報（見取図など）が書かれていてお客は家賃以外の情報をみんなに説明する。（駅から徒歩何分とか何ＬＤＫとか） 他のプレイヤー（不動産屋）はその情報を元に白紙に見取図を描き家賃も予想する。 出来たら一斉に公開し、お客がカードに書かれた物件（見取図と家賃）に一番近いものを選び、描いたプレイヤーにカードを渡す。 何回かやってカードを一番多く
ゲーム名「スリープメーカー」 眠れない時に羊を数える入眠方法を間違い探しカードゲームにしました。 同じ羊の絵柄 １０５枚の羊カードに若干絵柄を変えたフェイク羊カード３枚を加えてシャッフルし裏返してテーブル中央の白い柵の横に置く。 １人がスリープメーカー（親）になり、よく混ぜた羊カードを１枚づつ表にして柵を越えた隣に置いていく。羊が柵を飛び越えている感じ。もちろん「ヒツジが１匹、ヒツジが２匹、」と声を出して数えながら。 他のプレイヤーはそれをじっと見つめ絵柄が違ったＦ羊カー
ゲーム名『ねるパー』 ねるとんパーティーをババ抜き風なカードゲームに。 人数は３人以上で。 カードを一人７枚持つ。（男女７人夏物語から７枚がいいのなかと発想） ４人だと２８枚。（人数によって全体の枚数が変わる） 中身はサクラカードが２２枚、男性３枚、女性３枚。（カップルが３組できる） シャッフルして一人に７枚配る。 親を決めて時計回りで進める。 親は誰か一人を指名して相手のカードを引く。次にその相手に親のカードを引かせる。 時計回りで親が交代し繰り返す。 カップルが１組でき
○ 空き地 空き地に一人佇むＡ。隣には人が入るくらい大きな段ボール箱が置いてある。 Ｂがゆっくり歩きながＡに近づいてくる。 Ｂ「よう！」 Ａ「遅いよ」 Ｂ「わりいわりい」 Ａ「ゆるす」 Ｂが段ボール箱に興味をもつ。 Ｂ「なにこれ？」 Ａ「なんだと思う？」 Ｂ「わかんねえよ」 Ａ「じゃあ三択ね」 Ｂ「全自動？」 Ａ「そう、汚れた服を入れて洗剤入れてボタンを押すだけ・・・って、オイ！」 Ｂ「わりいわりい」 Ａ「ゆるす」 Ｂ「で、なんなの？」 Ａ「だから三択クイズね」 Ｂ「
タケコ：オカマ ウメコ：オカマ チーン：子犬 ○ タケコの部屋 タケコとウメコが部屋でまったり。テーブルの周りをタケコの愛犬チーンが走り回る。ウメコが犬を捕まえる。 ウメコ「チン子カワイイねぇ。食べちゃいたい」 大きな口を開けて犬の頭を口に入れようとするウメコ。 タケコ「チン子を口にくわえるな。というか、チン子じゃないから。チーンだからね、名前」 ウメコ「チーンて変な名前だね～。チン子、チンチン」 チーンにチンチンをやらせるウメコ。 ウメコ「わぉ、チン子立った
男は絶望していた。辛いことが重なったのだ。会社からリストラされ、同棲していた彼女にも振られ、アパートからは追い出された。貯金はもうすぐ底を尽きそうだ。 自殺する勇気もなくトボトボと歩いていると、ある看板のコピーが目についた。 《あなたの苦い思い出を消去します》 男はおもわずその店に飛び込んだ。中には綺麗な女性の受付係がいた。 「本当に嫌な記憶を消せるのか？」 「本当です」 「いくらだ？」 「相談に応じます」 「これが全財産だ。これで消せるだけ消してくれ」
近未来。エコ社会も成熟し、人間の怒りを電気エネルギーに変換するシステムが開発された。これにより犯罪が減少するかと思われた。が、しかし怒りを鎮めることで犯罪が減ることにはならなかった。 結局そのシステムは、とある施設だけに設置されることとなった。 刑務所内にある一室。そこには電気椅子が置かれていた。そして今すぐにも死刑執行が始まろうとしていた。 一人の看守が資料に目を通すと、電気椅子に縛られた死刑囚に近づき、彼の耳元で囁いた。 すると突然、それまでおとなしくし
快挙を成し遂げた。 ◯◯宇宙科学研究所によると、小惑星探査機Ｈはイオンエンジンの実証試験を行いながら小惑星Ｉに到達し、その表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、一時は行方不明になりながらも、なんとか地球に無事帰還した。 早速、サンプル容器が収められたカプセルの内容物の調査が進められ、岩石質微粒子の大半が小惑星Ｉのものと判断された。 地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンは世界初である｡ ◯◯宇宙科学研究所。 「所長、大発見です」
スペースシャトルバスが観光を終えて火星を飛び立った。一息ついたところでガイドのアナウンスが入る。 「サターン観光をご利用頂き誠にありがとうございます。次は太陽系第三惑星の地球でございます」 このツアーの目玉である。客が質問をする。 「地球にはどのくらい滞在できるのかね？」 すぐに返事をせず、パイロットと小声で何やら話している。 「す、すみません。急で申し訳ありませんが、今回の地球滞在は中止となりました。地球は美しく青い惑星で有名でしたが、環境汚染が進んでいると
