シナリオ『ボックス・オブ・ザ・デッド』
○ 空き地
空き地に一人佇むA。隣には人が入るくらい大きな段ボール箱が置いてある。
Bがゆっくり歩きながAに近づいてくる。
B「よう!」
A「遅いよ」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
Bが段ボール箱に興味をもつ。
B「なにこれ?」
A「なんだと思う?」
B「わかんねえよ」
A「じゃあ三択ね」
B「全自動?」
A「そう、汚れた服を入れて洗剤入れてボタンを押すだけ・・・って、オイ!」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
B「で、なんなの?」
A「だから三択クイズね」
B「サンタクロース?」
A「そうそう、赤い衣装に白ヒゲつけて、♪真っ赤なお鼻の~トナカイさんは・・・って、オイ!」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
B「で、中身は?」
A「聞いて驚くなよ」
B「わぁ!」
Aを驚かすB。
A「びっくりした」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
B「で、なに? イライラすんだけど」
A「わるいわるい」
B「ゆるさねえよ」
A「ええ・・・」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
腕を組み考え込むB。
B「わかった。誕生日プレゼントだ」
A「そう、♪ハッピーバースデートゥユ~、ってオイ!」
B「あぁ?」
A「ゆ、ゆるす」
箱がガタガタと動く。
B「生き物?」
A「そう、なんでしょう?」
B「ゾンビ?」
A「せ、正解」
B「ええええ。マジで?」
驚きつつも興味本位で箱の中を覗こうと近づくB。箱を蹴ったりもする。
B「箱を剣で刺したら飛び出すかね?」
A「黒ひげ危機一発じゃないんだから。ところで、頼んだバット持ってきた?」
B「いや」
A「でしょうね。薄々わかっていたけど」
B「バットはなかったから代わりにこれ持ってきた」
背中から卓球のラケットを取り出すB。素振りをする。
A「それは卓球のラケットだよね?」
B「ピンポーン。卓球なだけに(笑)」
A「それじゃあ、ゾンビの頭は吹っ飛ばせないよぉ」
B「知らねえよ。ゾンビの頭を吹っ飛ばすなんて聞いてねえもん」
A「さっしてよ~」
B「わりいわりい」
A「ゆるす」
自転車に乗ったCが通りかかる。金属バットを抱えている。
C「よう、何しての2人で、ヨウ!」
B「おう、久しぶり。こいつがゾンビを捕まえてさ、ケンカして仲直りして、ナウ!」
A「お前はどこ行くの?」
C「おふくろからの電話で、寝たきりの爺さんが急に暴れだしたからバット持ってきてって意味わからないことを言ってるから、今向かう途中、ナウ!」
A「なるほど」
C「じゃあ、用が済んだら帰りに寄るよ、フューチャー!」
B「トゥギャザー!」
自転車で去っていくC。見送る2人。
A「あ、そういえば、ゾンビを捕まえる時に俺、噛まれたんだよね」
A、急にゾンビになりBに襲いかかる。
暗転。物を叩く衝撃音。
Bの声「卓球のラケットでも大丈夫!」
○ エンドクレジット
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