シナリオ『チーン・オブ・ザ・デッド』
タケコ:オカマ
ウメコ:オカマ
チーン:子犬
○ タケコの部屋
タケコとウメコが部屋でまったり。テーブルの周りをタケコの愛犬チーンが走り回る。ウメコが犬を捕まえる。
ウメコ「チン子カワイイねぇ。食べちゃいたい」
大きな口を開けて犬の頭を口に入れようとするウメコ。
タケコ「チン子を口にくわえるな。というか、チン子じゃないから。チーンだからね、名前」
ウメコ「チーンて変な名前だね~。チン子、チンチン」
チーンにチンチンをやらせるウメコ。
ウメコ「わぉ、チン子立ったねぇ」
タケコ「お前は欲求不満か!?」
下ネタ連発のウメコに呆れてチーンを奪い返すタケコ。
タケコ「チーンは私のものだから。大好き。死んでも離さない」
チーンを強く抱きしめるタケコ。強く抱きしめ過ぎて骨が折れる音がする。
タケコ「あっ!?」
ウメコ「えっ!?」
○アパート外
アパート外観。
リンの音「チ~ン」
○タケコの部屋
チーン即死。号泣するタケコ。慰めるウメコ。
しばらく落ち込んでから意を決してチーンを埋葬しようと思いたつ。
タケコ「チーンを拾った所に埋葬してあげたいの」
ウメコ「拾った所?」
タケコ「そう」
棺桶のかわりに鍋にチーンを入れるタケコ。
ウメコ「何で鍋なん?」
○ 家の外
車の後部座席にチーンを入れた鍋を運び込む。それを見た隣人が話し掛けてくる。
隣人「みんなで鍋パーティーですか?」
隣人を睨みつけるタケコとウメコ。あまりの形相にうろたえ早足で去る隣人。
○ 車の中
運転しているタケコ。助手席にウメコ。
ウメコ「何でチーンなんて変な名前つけたの?」
タケコ「変じゃないから。あれはたしか山に行った時に不法投棄で捨てられてた電子レンジの中から鳴き声がして、開けると中から……」
○ 不法投棄場(ウメコの妄想)
ゴミの山の中に電子レンジ。チーンと音がなると扉が開いて中から丸焼けの犬が出てくる。
○ 車の中
妄想を打ち消すように頭を振るウメコ。
タケコ「電子レンジの段ボールの中にいたのよ」
ウメコ「捨て犬だったんだね」
うなずくタケコ。
タケコ「犬を捨てる奴なんか糖尿病になって失明して片足失えばいい」
ウメコ「う、うん。犬を捨てる奴は酷いけど、別に糖尿病にならなくても……。というか、糖尿病ってひどくなると失明したり足を切断したりするんだね」
○ 麓の村
麓の村にある掲示板の前を車が通る。掲示板に「犬を探してます」のチラシ。アップにするとチーンだとわかる。
○ 車の中
ウメコ「しかし何でよりによってこんな山の中に来たのよ。あんたも不法投棄しようとしたんじゃないわよね?」
タケコ「違うわよ。あれはたしかタイで性転換手術して、必要なくなったナニを持って帰ってきて……」
ウメコ「ナニってチーン?」
タケコ「そこはチンコでしょ。そう、使い物にならないチンコを保管するにも冷凍庫の中に入れとくのもどうかと思って、埋葬しようと思いついたのよ」
ウメコ「今回と一緒だ。タケコ、埋葬好きだね」
タケコ「埋葬好きってどんな奴やねん」
タケコを指差すウメコ。
ウメコ「私はチンコを取る気ないけど、もし仮に取ったらチンコを焼いて食べちゃうかな」
タケコ「あんた焼きチンコ好きだもんね。特にパンに挟んでケチャップとマスタードかけたら絶品だね」
親指を立ててイイネポーズをするウメコ。
○ 道路
タケコが運転する車の前に村人が飛び出してきてひかれそうになる。急ブレーキで回避。
タケコ「危ねえな、コノヤロー。てめえなんかは糖尿病になって一生インシュリン注射を打ってろ」
ウメコ「糖尿病に恨みでもあるの?」
窓から首を出し悪態をついて走り去る車。呆然とする村人。
○ 山の麓
車から降りる二人。鍋を持って山の奥に入っていく。
○ 山の中
山林を歩く。しばらく歩くと少し開けたところにでる。
そこはすでに不法廃棄物が片付けられていてゴミはない。
タケコ「たしかこの辺。この辺にしよう。そういえばスコップ持ってきた?」
ウメコ「スコップなかったからコレ持ってきた」
卓球のラケットを出すウメコ。タケコ、ラケットを受け取りノリツッコミ。
タケコ「そうそう、卓球のラケットで素振りの練習……」
強烈なスマッシュの後、雄叫び。
タケコ「チョレイ!!って、なんでやねーん!」
全力でラケットを放り投げるタケコ。
空がキラリと光る。
仕方なく手で地面を掘る二人。すると死体の顔が出てくる。
タケコ「ぎゃああぁぁ」
ウメコ「ぎゃああぁぁ」
タケコ驚きウメコに飛びつきしがみつく。強く抱きしめるタケコ。苦しむウメコ。骨の折れる音。
ウメコ死す。暗転。
○ タイトル
『強く抱きしめて』
○車の中
ウメコがタケコの首を締めながら叫ぶ
「違うだろー!!」
○タイトル
『チーン・オブ・ザ・デッド』
リンの音「チ~ン」
完
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