メキシコ旅行記～異国の親族を訪ねて～ vol.1

はじめに

僕のおばあちゃんの妹である妙子おばさん（89歳）は、60年ほど前にアメリカ留学した際にフランス人と結婚しメキシコに移住したというファンタジックな経歴を持っている。40年前に一時帰国して以来日本には帰っていないので僕は一度も会ったことがなく、話にだけ聞く存在だった。

両親は時おり妙子おばさんの話をしてくれたので僕も存在はずっと知っていたわけだが、僕は海外に関心がなかったので異国にいる妙子おばさんのこともただ「遠い存在の親戚」程度に思っていた。

でも僕のお兄さんは違ったようで、「異国に親族がいるならぜひ会いたい！」と熱望して妙子おばさんや彼女の子どもたち、孫たちに強い関心を持ち、7年ほど前に単身で実際にメキシコまで会いに行った。

主に孫たちに会ったようだったが、年齢も僕ら兄弟のちょっと下くらいだったみたいで、すごく仲良くなってきたようだった。そんなお兄さんから「お前も絶対にメキシコのみんなに会うべきだ」と言われ、またお兄さんは40年振りにうちのお母さんと妙子さんを引き合わせたかったことから、お兄さんの完全アレンジメントによって今回のメキシコ旅行が実現となった。

旅立つ当日ですらそこまで乗り気ではなかった僕だが、結果的に言えば「めっちゃ良かった！お兄さん企画ありがとう！マジで！」と思っている。

どんな旅行だったのか、そこで何を思ったのかなど、何とかうまいことまとめながら書いていきたいと思う。

1-1 旅行の準備

先にも書いたが、僕は旅行に行くモチベーションが全然上がっていなかったので、事前準備は全然徹底せず、前日になってようやく準備を行った。

荷物が多くなるのは嫌なので、普段の持ち物に加えて、「着替え1日分・帽子・簡易スリッパ・流せるウェットティッシュ・流せるポケットティッシュ・タオル1枚・折り畳み傘・アイマスク・耳栓・ネックピロー」を持って行った程度だ。ほとんど百均で用意した。

それより問題はフライトが直行便で約14時間とアホほど長いことで、絶対にそこで退屈と闘わざるを得ないと思ったのでそこの対策はめちゃめちゃ考えた。僕は乗り物に酔いやすくて、PCや本などは読むことができないが、なぜかスマホだけは大丈夫という特徴がある。

飽き性な僕だから、スマホにどれだけのバリエーションのコンテンツを持たせられるかがネックだった。飛行機でWi-Fiが使えない可能性も考慮して、apple musicでお気に入りの曲を沢山ダウンロードし、YouTubeプレミアムに加入して色んな動画をダウンロードし（アマプラでもいくつかのアニメを）、google podcastでコテンラジオを2編くらいダウンロードした。あとオフラインでプレイできるゲームとしてドラクエ6も購入した。

そうして、普段のリュック＋ナップサック一つという軽量スタイルで準備は完了した。

1-2 メキシコシティ空港に着くまで

滞りなく飛行機に搭乗し、メキシコに向けて飛び立った。搭乗者は僕ら以外にほぼ日本人がいなかったのが驚きだった。

海外は大学時代に台湾とバリへ行っただけでフライトの経験がほぼないので、様々なことが新鮮だった。アイマスク・毛布・枕などが無料配布されることとか、食事の時間以外は基本機内は真っ暗なこととか、Wi-Fiを使うのにはそこそこ高いお金を払わなければいけないこととかとか。

ただ、とにかく参ったのが機内がバカ寒いこと。エアコンが効きすぎているのか、外気の影響なのか不明だがとにかく寒い。僕はTシャツしか持っていなかったしパンツも七分丈だった。お兄さんが薄手のパーカーを貸してくれたのだが、それがなければ風邪を引いていたと思う。お兄さんマジサンクス。

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実際の機内の過ごし方としては、用意していたもののうち最も役立ったのは音楽（主にjelly→）とコテンラジオとドラクエ6だった。マジでありがとう。それぞれ再課金したいくらいありがとう。

大誤算だったのはネックピローで、空気を入れていざ使ってみたらどこかに穴が開いていて数分でしぼんでしまった。事前の確認って大事だなと思った。

座りっぱなしで腰が気になるタイミングもあったが、支給された枕を背もたれとの間に挟むことでなんとかなった。

睡眠にはアイマスクが大いに役立って、「寝づらいところで使うとこんなに有効か！」とびっくりした。ただ頭のサイズが大きい僕にはゴムひもの締め付けがきつかったので、ビヨンビヨン引っ張りまくってなんとか痛くないようにした。

そんなこんなで意外と14時間のフライトもなんとかなって、特に大きなトラブルもなくメキシコシティ空港に到着し、僕たちのメキシコ体験は順調なスタートを切った。

（vol.2につづく）