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メキシコ旅行記 〜異国の親族を訪ねて〜 vol.2

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【前回までのあらすじ】
60年前にメキシコに移住した親族を訪ねて、家族でメキシコ旅行に行くことになった。14時間のフライトはなかなかしんどかったが、特に問題もなくメキシコシティ空港に到着した。

2-1 メキシコシティからクエルナバカに移動

メキシコシティ空港に着くと、出口でドライバーのホセさんがお出迎えしてくれた。

空港からクエルナバカまでは車で移動したわけだが、メキシコにはほっとんど信号機が存在しない。ようこれで事故が起きないなと驚いたが、道中ちょこちょこ事故による渋滞が発生したりしていた。

まぁ起こるには起こるというわけか(当然だが)。でも、信号機がなきゃないで気を遣い合うものなんだろうなぁと思った。実際今回の旅では親族が各地で車に乗せてくれたが、何も危ないことはなく、むしろ信号機を設置しないことで赤信号で無駄に待つことがなくスイスイと車は進んだ。

※ ※ ※

ハイウェイを降りて住宅街エリアに入ると、景色が一気に異国情緒あふれるものになった。石造りの建物、タコス屋さん、元気のない野犬など、実に面白い光景が続いた。

そしていよいよ妙子おばさんのお家に近づくと、路面が石造りのめちゃめちゃボコボコしたエリアに変わった。

どうやらここは高級住宅地エリアで、なぜかそういう路面で時速20kmの制限がかかっており、また24時間体制でエリアの出入り口にゲートが設置されてガードマンが出入りを管理していた。

ベンツがガッタンゴットンと激しく上下しながら徐行していると、左手に見える家の門が自動的に開き、そこに車が入っていった。

その先には明らかなる豪邸があった。

2-2 妙子おばさんの自宅に到着

ホセさんのエスコートで邸内に入ると、妙子おばさんとその息子さん・サンドロ夫妻(奥さんはマリーフランス)が笑顔で出迎えてくれた

お母さんと妙子おばさんは実に40年振りの再会ということで、とても感慨深そうに強くハグをしていた。そして僕も「はじめまして」と言っておばさんたちとハグをした。

ありがたいことに軽食の用意をしてくれていたので、僕らはすぐに食卓を囲んで歓談した。と言ってもサンドロ夫妻は当然日本語は話せず、すべて英語でのやり取りで、大学以降ろくに英語を使うことなどない僕は会話の節々に出てくる知ってる単語を拾うので精一杯だった。

その点、うちのお兄さんは海外駐在経験があるしその後も英会話レッスンを受けていたので、僕らのコミュニケーションをリードしてくれた。お母さんも日頃から日本語学校に通う外国人と交流があるので、ある程度追いつけているようだった。なぜかスピーキングは僕より下手だったが。

※ ※ ※

サンドロが「何かしたいことはあるか?」と聞くので、僕が「テキーラを飲みたい!」と言ったら、嬉しそうにして何種類かのお酒を持ってきてくれて、皆で飲み比べをすることになった。

どれも味わいが違って美味しかったが、僕とお母さんは特に「1800」というテキーラが気に入り、お兄さんは甘いリキュールの「アガベロ」(テキーラの原料で作られたお酒 ※日本未流通)を気に入ったようだった。

※ ※ ※

それもひと段落したところで、サンドロたちも僕らの旅の疲れを気遣ってくれて、ゆっくり休みなよと僕らが宿泊する部屋を案内してくれた。

廊下には画家だった妙子おばさんの旦那さんが描いた絵画が飾ってあって、とてもアーティスティックな雰囲気を醸成していた。

※ ※ ※

長距離移動と慣れない英語交流に疲れた僕は、「部屋でひと眠りでもするか」とベッドに横になったのだが、疲れ知らずのお母さんがサンドロや妙子おばさんたちに日本からのお土産を渡したいから手伝ってと言ってきて、それをサポートすることになった。

2-3 お母さんによる怒涛のプレゼントタイム

お母さんはコロナ直前に妙子おばさん宛に色々なお土産を用意して送ろうとしていたみたいだが、コロナが直撃したことでそれらを発送できずにいた。

それに加えてあれもあげたいこれもあげたいと贈答欲ばかりが膨らみ、今回贈り物として、「扇子10種類・かなり大きな和紙15パターン・やや大きな和紙15パターン・ポストカード30種類」を用意していた。

恐ろしいことに、お母さんはそれらをテーブルの上に全て開封して広げて置き、「この中から好きなものを好きなだけ選んで!」と張り切って喋っていた。日本語で

どうやらお母さんはテンションが高くなると英語で話すことを忘れてしまうらしい。何度も「お母さん、英語で言おうか」と促しても3秒くらいしか英語を喋らずすぐに日本語に戻り、それぞれがどんな意味のデザインなのかを日本語で熱弁していた。

サンドロたちも喜びながらも「どれも素敵で選べないなぁ」と言って迷っていたので、僕も「こちらである程度絞った方が相手も選びやすいよ」と助言したのだが、お母さんは「いいのいいの、自分で選んで欲しいの!」と全く自分のスタイルを曲げなかった。

結果的にプレゼントタイムは1時間以上に及んだ。サポートをした僕やお兄さんも疲れたが、サンドロたちも疲れたことだろう。お母さんは超満足気でホクホクだったが。

ちなみに、僕は僕でちょっとしたお土産を彼らにプレゼントした。僕が好きなブランドの手ぬぐいと、10種類くらいの駄菓子を。

(vol.3につづく)


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