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※無償公開【漫画市場㊤】(2018.09.11発表)

※こちらは2018年9月11日発表の調査データです。最新の情報ではない可能性がありますのでご了承ください。

目次


#【漫画市場㊤】
・市場定義/市場構造
・青年向けコミック誌(週刊誌)の比較 by「X ビジネスエンジン」
・市場規模

#【漫画市場㊦】
・主要事業者の動向
・主要事業者詳細個票①(カドカワ)
・主要事業者詳細個票②(講談社)
・主要事業者詳細個票③(集英社)
・主要事業者詳細個票④(小学館)
・関連事業者簡易個票①(イーブックイニシアティブジャパン)
・関連事業者簡易個票②(パピレス)
・関連事業者簡易個票③(まんだらけ)

本書で用いている「X ビジネスエンジン」について


「X ビジネスエンジン」とは:
 矢野経済研究所が保有する「産業ビックデータ」と独自に開発した、「リサーチAI(商品・サービス・ブランド計測システム)」を元に、クライアント企業の事業支援を行う事業推進ソリューションサービスです。
 商品、サービス、技術、ブランド、または企業そのものに対する評価を立体的に可視化し、売上高、企業力との相関を分析、ポテンシャルの評価を可能としております。
 無数のネットメディアからデータを取得し、弊社の産業ビックデータ、リサーチAI により、主要市場や、企業の分析は勿論、超ニッチ市場、BtoB 市場の商品、サービス、技術、ブランド等も分析できる仕組みとなっております。

 「売上」「集客」等の軸だけでなく、商品、サービス、技術、ブランド等を「魅力度」「温度」という観点から分析する点も、特徴の一つとなっております。「X ビジネスエンジン」にご関心のある方は、巻末のお問い合わせ先にご連絡願います。
 魅力度軸・・・「ネット上での反響 ÷ メディア露出数」で算出。
 温度軸・・・ 「二次拡散数 ÷ 反響数」で算出。
 情報の拡散状況を定量化し「温度」としております。

# 漫画市場について

≪定義≫


漫画単行本(コミックス)と漫画雑誌(コミック雑誌)の売上高を漫画市場の市場規模とする。電子コミックについても本項にて言及する。

≪市場構造≫


本市場は、漫画雑誌を安価で販売し、漫画雑誌に掲載した作品の中から、相当数の売上が見込める作品を選んで単行本化し、単行本で利益を回収するという収益構造になっていることが多い。
漫画雑誌は収益源ではなく単行本化する漫画のプロモーションツールとしての役割が大きいことから、無料もしくは極めて安価な電子コミック雑誌や、電子コミックを閲覧できる無料サイトを提供し、人気作を紙ベースで単行本化するというビジネスモデルを採る事業者も存在する。
当該市場は、紙媒体のみに注目するとシュリンクが続く市場であるが、電子媒体においてはスマートデバイスの普及とともに大きく拡大している。電子媒体でもコミック誌とコミックスに分類されるものの、市場規模はコミックスが大多数を占めコミック誌は非常に規模が小さい。

≪青年向けコミック誌(週刊誌)の比較 by「X ビジネスエンジン」≫


 青年向けコミック誌(週刊誌)を弊社の解析手法(X ビジネスエンジン)を用いて分析(調査期間は2018 年5~7 月の3 ヶ月間)したところ、以下(次ページ図)のようになった。
 検索と口コミの総量である「熱量」(バブルの大きさ)では、「週刊ヤングジャンプ」が最大となった。また「週刊ヤングジャンプ」は、「魅力度」(=メディアに左右されず自主的に反響しているユーザーの度合い)、「温度」(=情報の拡散度合い)においても高いスコアを示し、認知度・注目度ともに高い理想的なブランドであることがわかった。
 「週刊漫画TIMES」は、「温度」が相対的に高いものの、「魅力度」という点では平均よりやや低い結果となった。つまり、メディアを通じた情報が拡散・反響しているものの、個々人の自発的な支持というよりマスメディアを介した広告効果に支えられているということが推察される。
 一方、「週刊漫画ゴラク」は、「魅力度」が相対的に高いが、「温度」は低いという結果になっており、個人単位で強く支持されているものの、マスメディアを介した広告効果が低い、もしくはマスメディアの活用が少ないと見られる。

 「ビッグコミックスピリッツ」においては、今回の調査対象ブランドの中では最も課題が大きいブランドとなった。ブランドイメージや情報のアプローチという面で他ブランドとの差が大きい可能性があると思われる。

≪市場規模≫

●2017 年は電子が引き続き成長するも紙のコミックスの大幅減により微減にて推移
 公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所が毎年公表している「コミックス・コミック誌推定販売金額」によると、2017 年のコミック市場規模(紙、電子合計)は「コミック誌」が953 億円(前年比91.0%)、「コミックス」が3,377 億円(同99.1%)、合計で4,330億円(同97.2%)と微減にて推移する結果となった。
 内訳は、紙のコミックスが1,666 億円(同85.6%)、紙のコミック誌が917 億円(同90.3%)、電子コミックスが1,711 億円(同117.2%)、電子コミック誌が36 億円(同116.1%)であった。
 コミック誌とコミックスを合わせると、紙が同87.2%の2,583 億円と16 年連続のマイナスで、統計開始以来初の二桁減となった。一方、電子は同117.2%増の1,747 億円と成長を続けているが、成長率は2016 年の3 割近い伸びには及ばなかった。
 紙のコミックスは、これまで市場を支えてきたビッグタイトルの完結や部数規模の縮小、またこれに替わる新たな人気作が出ていないこと、読者の読書手段が紙から電子へシフトしていることが大幅減につながった。
 電子コミックスは、無料や値引きなどのキャンペーンによって完結した過去作品を中心に売れ行きが伸びている。また、「エロ」「グロ」要素の強い青年向けの作品、BL やTL ジャンルの作品など、元々電子比率の高いジャンルも成長を続けている。しかし、無料で読めるコミックスの増加、過去作品の電子版がそろそろ出尽くしたこと、さらに違法海賊版サイトの影響も少なからずあり、2016 年ほどの成長には至らなかった。


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