見出し画像

パーソナリティ・タイプ分け診断を使って、自己分析をする方法

無料で使用できるタイプ分け診断(簡易版)を
ホームページで公開しているのですが、
毎年3月と4月はアクセスが大きく伸びます。
新年度を迎えて自分のキャリアを考えるのか、
あるいは、就職活動をする人が自己分析の一環で
見つけてアクセスしているのでしょうか

公開しているタイプ分け診断は、
ホランドの六角形をもとにした診断です。
そして、最後に各タイプに向いている職種を
例示しています。

6種類のパーソナリティタイプ

キャリア理論を学んだ人には釈迦に説法ですが、
ホランド理論の6つのパーソナリティタイプは、
人のパーソナリティを次の6つに分類しています。

6つのタイプは下記の通りです。

・現実的タイプ
明確で、秩序立った、かつ体系化された操作を伴う活動を好む。

・研究的タイプ
諸現象を実証的、抽象的、体系的、創造的に
研究する活動を好む。

・芸術的タイプ
芸術的な創造を目的とした素材(モノ、言葉)や
人を扱うことが必要な、あいまいで、自由で、
体系化されていない活動を好む。

・社会的タイプ
他者に影響を与えるような情報伝達、教育、
治療、啓蒙などの活動を好む。

・企業的タイプ
組織目標の達成や経済的利益を目的とした
他者との交渉を伴う活動を好む。

・慣習的タイプ
系統的、秩序的、体系系に扱うことを
必要とする業務を好む。

以上の6タイプの関係性を表した
ホランドの六角形はよく見かけますよね。

「ホランドの職業選択理論」P.56より引用

人はこれらのどれかのタイプと、
それに隣接したタイプのパーソナリティの
特徴を持っています。

また、対極にあるタイプに必要とされることは
苦手だったりします。

自分がどのタイプなのかが分れば、
その要素がある職種が自分に向いているもので、
対極にある職種は向いていないと分かります。
便利ですね。

タイプ分け診断を使う時の注意点

ただし、タイプ分け診断の使い方は要注意です。

だいたい我々人間は、簡単に答えを得たいと
思っていますよね。

「自分は何タイプか?」さくっと診断して
例えば、「芸術的タイプ」と判定されて、
「このタイプは、オープンな考えを持っていて、
感情表現も、アイデアも、他人に対しても、
とてもオープン。一方で、人に従うことや、
体系化されて、秩序だった活動は好まない。」
と回答が示されるとひとまず満足します。

占いみたいですね。

しかし、これだけを鵜呑みにして、
自分は〇〇タイプで、△〇□☓なのだ、、、
と決めつける使い方では意味がありません。
人はもっと複雑です。

診断結果を自己分析に役立てる方法

正しい使い方は、そのタイプにはどんな傾向が
あるのかということを切り口にして、
自分はどうなのかと自己分析を深めることです。
 
「自分とはどんな人間か?」とばくっと考えても
答えは分かりにくいですから、
診断結果をヒントに次のように考えます。
 
自分が上記の芸術タイプだと判定されたら、
それも参考にしつつも、

自分は何に価値を置いているだろうか?

大切にしたい個性は何か?

どんな能力を持っているだろうか?

フラストレーションを感じる作業は何か?
 
・・・などと具体的に考えを深めていきます。
 
そして、価値をおいていることや大切な個性、
持っている能力、興味などの諸要素を満たせる
職種がなにか、考えるのです。
あるいは、気になる職種にそれらの要素があるか?
または、フラストレーションを感じる作業の
割合が多くないか?と、見極めていくのです。
 
タイプ分け診断は簡単に答えがでますから、
みんな大好きですよね。
ただし、診断結果を鵜呑みにするだけだと、
その瞬間だけすっきりするだけで、
腹落ちする自己理解は出来ません。

それを切り口に分析を深めていくことで、
自己理解ができて、自分に合う仕事が分かり、
最終的に納得感ある転職や就職が出来るのです。
 
(2023年4月3日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?