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年収5000万円を超える人と、1500万円で止まる人の違い~転職時の考え方~

35歳までの収入で、
年収1000万円~1500万円の人々と
5000万円超の人々とでは、
自分のキャリア観にどんな違いがあるのでしょうか?
今回は転職活動を行う時の考え方にフォーカスして述べます。

35歳までに1500万円に達するものの・・・

まず、30歳で年収1000万円、35歳で1500万円
という年収水準を達成出来るのは、
会社員だとどんな職業でしょうか?

国内大手企業の場合

先に例外的なことを述べますと、
外資の金融やコンサル、ITなどの専門職で、
グローバルの年収水準を日本拠点でも適用
している会社では上記の水準は実現可能です。
遥かに超える会社や職種もあります。

しかし、多くの人々が勤める国内系大手企業で
35歳で1500万円以上になるのは、主には、
総合商社や一部の大手證券の投資銀行部門、
高収益の営業系会社などくらい。
メガバンクだとちょっと届かない水準です。
まぁ、サラリーマンとしては国内では
高い水準ですね。

脇道のキャリア

因みに、大手企業のエリートをでなくても、
セールス・インセンティブが稼げる仕事や、
収益性が高い専門職のスモール企業では、
案外稼げる仕事があります。

例えば、私がやっている人材紹介業は、
企業が募集する求人と求職者をマッチングして
仲介手数料を得る仲介営業職で、
会社規模は数名~10数名の組織が多い業界です。
この仕事で年収1500万円以上を稼ぐことは、
適性ある人がやることをやれば難しくはありません。

次の段階を目指す人が少ない

で、1500万円の年収は、税金を引くと
手取りは1000万円程です。
独身だと良いですが扶養家族がいると
お金持ちの感覚は本人達には無いでしょう。
金額を気にせずスーパーで買い物をするとか、
気になる本を迷わずポチッと買える程度です。

ただ、国内大手企業の場合は、
解雇されるリスクが低く、退職金もあるので、
そこそこ恵まれている待遇です。
そうすると、リスクを取ってチャレンジする
動機が生まれないのか、
足踏みする人が多いのが実態です。
(あくまで、心のどこかに挑戦したい気持ちが
あるのに動けない人の話です。
働きがいや雇用の安定、収入、家庭の事情など
バランスを考えて、その仕事を続ける判断を
しておられる人も沢山おられます。)

そのラインを突破する人々は、
自分のキャリア形成について転職を検討する時、
どんな考えをしているのでしょうか?

年収5000万円を超える人のキャリア観

私が転職をお手伝いして5年後位までに
年収が5000万円を超えている人々が
転職をする時の考え方や行動の特徴は次の3つです。

①   自分を理解しており転職の目的が明確

そもそも自分が何をやりたいのか、
また、何を満たせば自分が満足できるのか、
ということを把握していて、
それらを得る為に転職と言う手段を使っています。

つまり、自分にとっての成功とは何か
目的を把握しています。

ですから、1500万円あたりで更なる挑戦の
理由を見失って足踏みすることなく、
次の段階に向けてチャレンジ出来るのかも知れません。

更に、その目的である「自分にとっての成功」を
実感する為に必要な要素も分かっています。

必要な要素とは
「自分が何にやりがいを感じるか」
ということです。
これが満たせていれば、そら幸せですよね。

目標をクリアした時に達成感に満たされて
スカッとする性格であれば、
営業の仕事に就いて、
営業の仕事で売上目標を毎月クリア出来ていたら
とても働きがいがあります。

自分がやりたいことを分かっていますね。

年収アップへのこだわりは?

自分についての理解と言う点では、
お金についても考えが整理出来ています。
少しでも高くと目先の金額を追求するよりも、
ひとまず自分が必要だと思う水準を明確にしています。

将来伸びしろがあるのであれば、
差し当たっては1000万円以上であればOK
というように。
ここで100万、200万増に拘るのではなくて、
一旦ヨシとしたら後は目的や働きがいを追求します。

②   仕事への理解が正確

気になる仕事の内容を本質的なところまで
しっかりとリサーチして理解しているのも特徴です。

その仕事・業務自体の目的は何か。
具体的にどの様な作業を行うのか。
その仕事に自分がやりがいを感じる要素は
含まれているのか。
自分が生み出したい価値は、
その仕事をやることで生み出せるのか。
それによって働きがいを感じることが出来るのか。
はっきりと理解をしています。

また、近い将来5000万円以上稼ぐ様な人は、
気になる仕事について、
単に思い込んでいるのではなくて、
「この仕事には自分がやりがいを感じる
〇〇の要素があるのではないだろうか?」
と仮説を持っています。
興味と仮説がセットですね。

そんな仕事があれば、その内容を
しっかりと調べています。
デスクトップリサーチをするだけでなく、
やっている人に話を聞くなどリアルな情報を
集めて理解を深めることをやっています。

あと、その仕事がどんな仕組みで
収益を上げているのか、
それがどう自分に還元されるのか、
ということも冷徹に理解しています。
抜け目がありません。

ここまで準備をして選考を受けるので、
面接での会話にも説得力があり、
他の応募者と差別化出来るので、
採用される確率も高いと言えるでしょう。

しかも、本人も、採用する会社も、
納得して入社をするのでミスマッチも少なくなります。

③   新しい仕事と環境にしなやかに適応

晴れて採用をされても、先々に
年収5000万円以上稼げるようになる仕事は
ハードワークです。
労働時間も長いし、ストレスも大きいものです。

希望の仕事に転職をしても、残念ながら、
1年以内に退職をしてしまう人はいます。
実は、転職をした後に、
新しい仕事と環境に対してはギャップを感じる
ことは普通のことなんです。
キャリア心理学の分野ではリアリティショックと言います。

ま、①自分の理解と②仕事の理解が出来ていれば
このギャップに小さいのですが。

いずれにしても、新しい仕事を覚えて、
自分には無かった仕事のやり方や考え方、
従来の自分には反する常識などに
しなやかに適応出来た人が、
新しい仕事と組織で成長をし始めます。

***
~異なる環境に適応した事例~

<30代男性 Aさん>
例えば、メールや電話は24時間即レスが
常識の仕事に就いた人は、
腕時計を(メール等の通知が振動でくる)
アップルウォッチに変えて、
いつでも(休日でも、寝ている時でも)
取り逃さないようにしていました。
はじめは長時間労働や休日でも
仕事が発生することが辛いと感じましたが、
しばらくして慣れたそうです。

<20代女性 Sさん>
別の人は、自由奔放な人だったのですが、
新しい会社では社内でもメールを送る時は、
自分がメールの文章をを書いたら、
上司がその内容を細かくチェックして、
必要なら書き直しもさせられてOKが出たら、
やっと送信出来るというやり方でした。
すごく忙しい環境なのに。。。

そんなマイクロマネジメントは、
私は1日で気が狂ってしまいそうですが(笑)
当の本人に聞くと、涼しい表情で、
「苦ではないです」と悩みもしていません。
こうあるべき!という自分の観念にとらわれず、
新たなやり方、考え方を柔軟に受け入れています。
***

経験を積み重ねた結果(1500万→3000万→5000万)

そして、新たな仕事に適応したら、
目指すのは1プロモーション。
1つ上の職位への昇進が目先の“目標”です。
これをクリアすることが出来たら、
その仕事では一人前と認識されて、
年収も大幅にアップしていきます。

例えば、外資系の投資ファンドの場合、
アソシエイトからシニア・アソシエイトに上がれば、
年俸1000万円+ボーナスの合計で1500万円から、
年俸1700万円+ボーナス(年俸の100%前後)
の合計で3000万円超にアップします。

更に2-3年後にもう1つ上(VP=課長)に
昇進したら、
年俸2500万円+ボーナスの合計で5000万円に。
しかも、このころにはファンドのリターンの
分け前を頂くボーナスもあって、
更に数百万円~年俸と同等水準が入ってくる
時があります。

単に有能なだけでなく、
自分のやりたいことを把握していて、
その仕事についても深く理解して、
納得しているからこそ、タフな仕事でも
頑張り続けることが出来るものです。
そして、昇進の高いハードルもさらりと
乗り越えていくのでしょう。

もちろん、
業種によって給与水準は異なります。
でも、どの業種でも、どの働き方でも
(社員でなく、起業やフリーランス等を含め)
上記の①自分の理解、②仕事の理解、③適応力、
の特徴を持っている人は、
働きがいある仕事が出来ていて、
結果として年収も高くなっていくものです。

追伸:
転職活動をやろうとしている場合、
①と②が不十分だとしたら、立ち止まって、
まずは、その2点に取り組むことをお勧めします。

(2022年8月15日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士


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