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<22>本当にやりたい仕事を見つける為に絶対に必要なこと

本マガジンの<13>(リセットする技術)以降は自己理解の為のノウハウを書いてきました。働きがいある仕事を見つける為には、自分の内面を理解している必要があるからです。そこで前回までに説明した自己分析手法は、大雑把には次の流れになっています。

まず、自分史年表で人生を振り返って<17>、人生の満足度調査で現状の満足度と足りないことを確認し<19>、スキルとリソースの棚卸で自分の強みを把握してきました<21>。ここまでは概ね自分の現状把握でした。


モチベーションの源泉、判断の根幹となるもの

次は自分の内面、心理面にフォーカスします。我々の心の内側には、人生で経験したことや出来事から得た考え方、自分の満足や不満足を生み出す感覚、強みになるものを見つける自身の興味など全ての基になっているものがあります。

それは自分の価値観です。
価値観とは「何に価値を認めるかという考え方。善悪・好悪などの価値を判断するとき、その根幹をなす物事の見方」(広辞苑・第六版)です。

自分の判断や行動の指針となっていて、自分が仕事においても、生きる上でも、最も大切にしているものです。キャリアや仕事に関して言えば、自分が働きがいを実感できる仕事とは、この自分の価値観に合った仕事です。自分の大切にしている価値観を満たせる仕事をやるのであれば、自分の仕事が素晴らしいものであると信じることが出来ます。

価値観の例

「人の役に立つ」「助ける」「感謝される」といった価値観を持っている人物のケースを想像してみましょう。

その人は日々の仕事が人の役に立っていると実感が出来ることやある人を手助けして「ありがとう」と言われると充実感を感じるでしょうし、その価値観に基づいたキャリア・ビジョンを持てば希望を持って仕事に取組めます。

逆に、誰かの役に立っているかも知れないけれど、大きな事業の一部の機能を担うだけの仕事だと、人の役に立っている実感が持てずに満足度は高まらないかも知れません。

例えば、電力やガスなど社会インフラを担う会社で経理の仕事をしているとしたらどうでしょうか?
会社全体としては多くの人々の役になっている事業を行っているのは頭では分かっているけれど、自分のやっている仕事は目の前の誰かの役に立っているという手触り感を持ちづらく、日々の仕事にも喜びややりがいを十分に感じないこともありそうです。

あなたは、どのような価値観を持っているでしょうか?

自分の価値観を把握する方法

自分はどんな価値観を持っているのか見つける為には、これまでに紹介した自己理解の為のワークに取り組んで、それぞれで自分が書き出してきた内容を振り返るのも有効です。

人生年表<17>でこれまでの自分の人生を振り返った内容に戻って、過去に自分が輝いていた時を思い起こしてみましょう。その時は何がモチベーションの源になっていたのでしょうか?何が嬉しかったのか?また、過去の出来事とそれが自分に与えた影響を見返してみて、その出来事を経験して自分がどんな信念を持つようになったのでしょうか?

また、自分の人生の満足度調査<19>では人生を4つのポイントからチェックします。それぞれの自分の点数と100点満点のギャップを見直してみると、足りなかったのはなぜでしたか?仕事の満足度は何があれば100点までのギャップを埋めることが出来たと分析しましたか?他の項目も同様に見返しましょう。そして、それぞれで足りなかったことやあれば良かったことを踏まえると、自分が満足度を得る為に必要としていることは何だったのでしょうか?

スキルとリソースの棚卸<21>にもヒントがあります。強みのハードスキルとソフトスキルを見て、それぞれが他の人々よりもずっと得意で強みと言える様になる為にスキルを高めてきたと思います。そもそもそのスキルに興味を持った理由は何でしょうか?単に自己成長の為に歯を食いしばって頑張っただけではなかったと思います。性格の特長にもヒントがあります。自分の性格の特長についての記載を見て、その様な特長を持っているということは、自分は根源的に何を求めていると言えるのでしょうか?

以上のように自己理解の為に取り組んできたワークで自分が書き出してきた内容を見返して、それぞれの内容から「自分が大切にしていることは何だろうか?」と考えていくことで自分の価値観を見出していくことが出来ると思います。

もっと手っ取り早い方法は?

ただ、一人で考えても思考が深まらず難しいことは多いと思います。
分かるようで分からない。掴みどころが無くモヤモヤするかも知れません。
もっと簡単な方法はないでしょうか?

一つは、上記で取り上げた3つの事柄について、人と対話すると一人で考えるよりは考えが進むはずです。対話相手には聞くことに徹して頂いて、私が上記で紹介した質問をして話すと良いでしょう。
ただし、それで本当に効果を上げる為には対話相手にはコーチングのスキルが必要です。

そこで、てっとり早く一人で自分の価値観をあぶり出す為の方法を本マガジンの次のコラムで紹介したいと思います。

今回はここまでにします。お読み頂いて有難うございました。

(2024年2月26日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士




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