アメリカ（NY）と日本（東京）でキャリア面談をやって見えた違い
秋になると昔に働いていた米国NYを思い出します。
セントラルパークが紅葉し始めて、
爽やかで涼しい季節。
街はいつも活気に満ちていて住んでいるだけで
自分に活力が湧いてくる感じ。
リトル・イタリーやチャイナタウンのご飯も最高。
そんな街で私は事業開発（→どぶ板営業ｗ）の傍ら
転職希望者に対するキャリア面談や
自社の採用面接も行っていました。
当時を振り返ると、アメリカ人と日本人の
仕事観の違いが随分あったなぁと思います。
ニューヨーク編
キャリア面談ではこれまでの経歴、
キャリアビジョン、希望職種、
それらを志望する理由などを聴きます。
米国では経歴のヒアリングは楽と言えば楽で、
質問を投げれば力いっぱい教えてくれます。
ただし、相手に会話の主導権をゆだねると
ずっと話してしまうので、
こちら側でコントロールすることが必要でした。
あと、アクノレッジメントも。
（褒めないと落ち込む繊細な人が案外多い）
で、何の為に仕事をするのか？
なぜその仕事を希望するのか？
それら理由や動機を聴くと、
ストレートに「金を稼ぎたいからだ」と
答えが返ってくることが多かったです。
特に、営業系の職種の場合は。
応募企業との面接においても
営業など収益を生み出す職種の場合は
志望理由を問われた時に「稼ぎたい」という
回答は「Ohええやないか！」と好反応です。
そして「ほな、あんたはどないして稼ぐんや？」
と会話が弾むものでした。
脱線しますが、NYではお金があることを隠しません。
例えば、知人の弁護士夫婦にマンハッタンの自宅
コンドミニアム（＝マンション）に招待された時の会話
***
ご主人：「あの部屋売りに出ているよ」
私：「なんぼ？」
ご主人：「安いよ。＄2ミリオン（2億円）」
私：「高いやん（笑）」
知人（その妻）：「ケースケさんが座ってる木のベンチ幾らだと思う？」
私：「高いんやろ？＄５K（50万円）くらい？」
知人：「$20Kよ（200万円）。アンティークなの」（どや顔）
***
おっしゃー、俺も頑張るぞーって気分になります。
不思議とあの街では嫉妬心とか生まれないのです。
誤解を恐れずに言えば、お金がモチベーションの源泉で、
お金が社会での地位を決めていました。
誤解を恐れずに言えば、年収金額がそのままその人の
モラルレベルでもありました。
→日本では収入の高低が人間性の高低に連動は
していませんよね。
きっとだから、その為に猛烈に働くのです。
とても分かりやすかったです。
東京編
東京で日々お会いする人々のうち
若手の人々は高学歴で新卒入社した1流企業で
働いている人達が多いです。
そして、その人達に転職理由を聞くと、
次の２つが半数以上です。
・将来独立したいので、その為に実力をつけたい。
・将来は経営人材（CEO、COO、CFOなど）になりたいので、
それに繋がる職種に転職したい。
そして、それらを希望する理由で最近多いのは、
次のような発言です。
***
「日本の国力を高める為に貢献したい」
（→表現の違いはあれ、これが最も多いです）
「地方の活性化に貢献したい」
「社会貢献したい」
***
日本の為に、社会の為に、という発言が多いのは
10年以上前から変わりません。
「日本の国力を」という表現はこの1年くらいで
よく聞くようになりました。
最近会う人々は私よりもずっと若いのに、
皆さん立派だなぁと思います。
日本は良い社会になっていくのかな、
と期待する気持ちが生まれてきます。
NYでも東京でも共通すること
日米のキャリア観の違いを私の主観で書きましたが
共通することもあります。
仕事が出来る人の考えが目的論的であることです。
取り組むことにはそれぞれ目的を持って挑みます。
例えば、ミーティング１つをとってみても
自分にとってのミーティングの目的を事前に
持った上で参加します。
その目的が得られればミーティングは成功。
得られなければ失敗。
キャリア全体でもそうです。
ビジョンが明確で、それに向けて次どうしたいのか。
その次の機会を得る為に相談にお越しになります。
考えがはっきりとしています。
もちろん私はキャリア設計を支援する人間ですので、
ビジョン・メイキングを支援することは多々あります。
これも、今はビジョンが明確でなくても、
これから明確にしようと言う目的をお持ちですよね。
私がNYにいたのは15年以上前ですので
当時と今では社会環境や個人の価値観も変化している
かも知れません。
ただ、上記の共通事項は普遍的なものですので、
今も大きくは変わってはいないでしょう。
私の個人的な限られた経験と主観ではありますが、
ＮＹと東京のプロフェッショナルのキャリア観について
述べてみました。
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