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なぜ人は組織に所属したいと思うのか?

一人でやってみて実現出来ることはありますが、
達成したい目的の多くは他の人々と協力することが
必要となるものです。

人にはそれぞれの目的や思いがあって、
こちらが考える目的に興味を持たないことは
多々あります。

しかし、自分が実現したい目的に向けて
他人が動くようにする為にはその人々に対して
どの様な影響を与えれば良いのでしょうか?

答えは簡単には出ないので、
だからこそ経営者も、リーダーも、あるいは
何かやりたいことがある人は誰しも、
あーだ、こーだと考えるのですね。

個人が組織に所属する理由

人が会社やチームなど組織に所属する理由は、
何でしょうか?

主な理由は3つあると言われています。

1.脅されたから
その組織に所属しないと潰すぞ!とか、
脅された時ですね。
時代劇の世界でありそうなパターンですね。
現代ではあからさまには無いかも知れませんが、
似たことはあります。

例えば、ある会社に入社する時に
競業避止義務の書類にサインを求められる
ことはよくあります。
「同じ業種の会社には転職しません」と
約束を求められるパターンです。

人は転職する時、大抵同じ業界内で転職します。
すなわち、現職企業のライバル会社に転職する
ことが一般的です。
それはそうですよね。

異なる業種に転職しようと思えば、
求められるスキルも経験も異なりますので
簡単ではありません。

にもかかわらず、「同業に転職しない」ことを
約束させることは、ある意味脅しです。
この会社を辞めたら行くところがないから、
所属し続けないといけない、、、
と思わせる訳ですから。

2. 高い年収や成功報酬を示されたから
お金ですね。
高い報酬を示されたから、
または、これだけやったら高い成功報酬を出す
といったインセンティブ制度を示されたから、
といったお金の理由で組織に所属するケースもあります。

例えば、ライバル会社から同じ仕事だけれども、
年収を3割ほど増やすよと言われたらどうしますか?

500万円→700万円、800万円→1000万円、
1500万円→2000万円、、、
といったイメージの給与が提示されたら。

または、営業の仕事をしているとして、
売上の50%を成功報酬で払いますと言われたら。
1億円売ったら5000万円ですよ!
2億以上売って1億円以上稼いでいる人が
我が社には何人もいますよ!
などという言葉は聞いたことないでしょうか?

実は、このお金で人を集めた組織は
脆弱と言われています。

傭兵部隊は戦いで押され始めると寝返ったり、
逃亡したりするのは歴史の常です。

現代のビジネスでも、フル・コミッションの
給与制度の会社からは頻繁に社員が転職してしまいます。

3.組織の目的と自分の目的が一致したから
その組織が実現しようとしていることと、
自分が成し遂げたいと思っている目的が
一致したから所属するということです。

会社のビジョンに共感して入社することは
就活でも、転職活動でもありますよね。

特に成長段階の企業、ベンチャー企業などは、
自社のビジョンやミッションを明確に示していて、
それらに共感する人のみ採用するという
ポリシーを持っていることが多いです。

そして、このパターンで人が集まった組織は強いです。

この集団では構成員が一時的に自分を犠牲にしても
組織の成功の為に貢献することがあります。

会社が経営危機に陥った時に社員が逃げるのか、
それとも一致団結して、例えば賞与ゼロでも我慢して、
会社の再生に取り組むのか、明暗が分かれます。

仕事選びで重視すること

以上を踏まえると経営者や採用担当者としては、
人を採用する時には何に力を入れれば良いのか分かりますよね。

また、個人として仕事を選ぶ時も、
脅しの要素があるお話や、
お金だけで魅力づけをしてくるスカウトなどは、
慎重に考えた方が良いと言うことが分かります。
そうやって人を集めている会社は組織が弱い
可能性があります。

自分が目指していることと、
その会社が実現しようとしていることが、
一致しているのか?

人を採用して組織づくりをする時にも、
自分が就職先を見つける時にも、
そんな視点で考えることが大切だと思います。

(2021年10月18日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
参考ツール(無料):タイプ分け診断
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